僕とB’zの30年。 3rd beat:1995〜1997

IMG_0601
2nd beatはこちらから。

どーも、たけGです。

1995年。
当時の僕は色々あって、昨年就職した職場を退職。

新たな道を歩みはじめますが、迷いの時代がまだまだ続きます。

音楽業界は昨年に引き続き、大きく変動が続いており、WANDSやT-BORANといったビーイング系アーティストが消えていく中、ミスチルや小室プロデュースのアーティストがチャート上位に名を連ね、スピッツもこの頃に出てきてました。

その激動の中で、ビーイング系の頂点とも言えるB’zはと言えば、唯一新世代の流れの中でタメ張ってました。

ビーイング系の頂点、と言いながらビーイング系のアーティストの中でも一線を画しているというか、異質な存在でもあったので、それが功を奏してシーンの中で生き残っていけたのかな、とも思います。

5月31日にシングル「ねがい」発売。

昨年の重いブルース方向から再び舵を切り、以前のようなB’zの王道サウンドへ回帰。

ZERO」のあとの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」のような流れですが、この曲はとても良い!

ピアノの演奏が随所に取り入れられ、キャッチーなのになんだかジャズっぽい印象もあるのは昨年1年間に積み上げたものが活かされているからで、ただの過去の売れ線への回帰ではないことが伺えます。

カラオケで歌うにはますます難しくなって、カラオケチャートでもランクインされることが、この頃から、より少なくなっていったようにも思います。

C/Wの「YOU&I」も非常に良い。

Tresureの投票では、この曲に一票入れましたが、残念ながら選出までには至りませんでした。

結果を見ると、ランクインまであと少しだったようで、後の「B’z The Best “ULTRA Treasure”」では、リベンジを果たしたファン人気も高い曲です。

B’zは好きだけど、シングルCDを買って聴くほどファンではなかった職場の上司へ、この曲を勧めると「すごいいい!気に入った!」と言ってくれたのを覚えてます。


 

7月7日の七夕の日に、シングル「love me, I love you」発売。

非常にポップでキャッチーな印象。

当時のチャート上位の楽曲に対して、B’zが回答した時代のニーズに合わせた楽曲、というところでしょうか。

この曲についてはPV人気も高く、稲葉さんがスーツ姿で札幌の街を歌いながら歩き回るという、今までのB’zのPVにはなかった作りになっています。

PVの稲葉さんのようにステップしながら歌いたくなる軽快で心地よいサウンド。

福山雅治さんの「HELLO」のように、当時の月9ドラマの主題歌とかが似合いそうな楽曲だなぁなんて思っていたのですが、実際は人情系の医療ドラマの主題歌になっていて、B’zのこの曲目当てで1回見たときは、なんだか合ってないなぁなど思ったものです。

C/Wの「東京」は昨年の流れを継いだ重いロッカバラード。

「春」や「MOTEL」にも連なる系譜の曲で、シングル表題曲とは対照的な作りですが、これも好きな1曲です。


 

10月11日に「LOVE PHANTOM」発売。

文句なしに90年代のB’zのシングルで一番好きな曲。

今でもかなり好きな曲です。

ultra soul」が出るまで、B’zの代名詞的な曲だったのではないでしょうか。

神々しく、壮大に幕を開けるオープニングのイントロ。

サビからはじまる歌い出し。

バックで流れるオペラ歌手のようなコーラス。

稲葉さんの呟きのようなラップパート。

チャートのどこを見ても同じような曲がない、他の誰にも真似出来ない、孤高の一曲と呼べる作品です。

他の誰にも真似出来ない、と書きましたが、当のB’z自身でも、今後同じような作品は創れないのではないでしょうか。

そんな、奇跡の作品。

大好きです。

C/Wは「FUSHIDARA100%」

女性視点で歌われる曲なのですが、表題曲が良すぎたためか、イマイチハマれず。

「Go Go Girls」といい、女性視点の曲は鬼門なのかな…


 

11月22日と、なんとも覚えやすい日にアルバム「LOOSE」発売。

同年発売されたシングル3枚を収録。

売上げ枚数は300万枚を超え、B’z史上オリジナルアルバムとして最大のヒット作品となりました。

先行シングルの人気も手伝って、B’z人気が頂点に達した瞬間でしょう。

僕も当然、予約して発売日当日に購入しました。

ですが…、このアルバムはそんなに聴き込まなかった覚えがあります。

あれ?思ったほどの出来ではないぞ、という印象というか。

この年、どれもハズレがなかったシングル3曲(「ねがい」は大胆なアレンジバージョンですが)に加え、「BAD COMMUNICATION」のアレンジバージョンまで収録された、豪華な内容。

過去作のどれよりも売れたこのアルバムの何が不満だったのか。

1つはアルバム曲に、これだって言える一曲が無かったこと。

何が悪いってわけでもないんですが、「RISKY」以降のアルバムには必ず(それも複数)あった、お気に入りの曲(シングル曲は除く)に、このアルバムでは出会えなかったんです。

強いて挙げれば「夢見が丘」かなあ。

それでも、この曲があるからこのアルバムを聴くというほどでもなかったのです。

シングル曲はホント、いいんですけどね。

それだけに、「B’z The Best“Pleasure”」発売以降は聴く機会が更に減りました。

最近、聴きなおしてみて、「砂の花びら」も悪くはないな、とも思ったのですが、それでも全体を通してそこまでいいなとも思わず。

好みの問題なのでしょうねえ。




1996年。

個人的には、すっごい無駄に過ごしたなという感じの1年でした。

ホント、毎日ただ目標も何もなく生きていたなという1年だったのです。

3月6日に両A面シングル「ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~/MOVE」発売。

「ミエナイチカラ」は可もなく不可もなくという感じ。

昨年までのシングルと比べると、なんとも普通というか、インパクトに欠けるというか。

多くシングル出すうち、こういった曲も必要になってくるとは思うのですが、あんまり好きなタイプの曲ではないです。

ミドルテンポの曲がダメというわけではないんですが、(「Easy Come,Easy Go」や「HOME」は好きです)この曲は、ちょっと合いませんでした。

アニメ「地獄先生ぬ〜べ〜」の主題歌でしたが、この頃からB’zのタイアップの組み合わせに疑問符を持つようになっていきましたねぇ。

一方の「MOVE」は大好きです。

こちらはB’zの王道サウンドですが、今までの曲に比べてハードロック色を前面に出しており、スピード感もヘビーさも「ZERO」以上だと思います。

恐らくファン人気も当時は「MOVE」の方が上だったのではないでしょうか。

当時、地元のFMのリクエストランキング番組では「ミエナイチカラ」よりも「MOVE」の方がランキング上位につけていました。

それでも両A面とは言っても、表題曲としては1曲目の「ミエナイチカラ」の方が紹介されることが多かったと思うので、「MOVE」の方を1曲目に持ってくればよかったのに、と思っていました。

ベスト盤にもなかなか収録されず、新録+B面集とも呼べる「B’z The “Mixture”」に収録されたのみで、長い間C/W扱いされた不遇のA面曲と言えるかもしれません。

B’z The Best XXV 1988-1998」でようやくシングルA面曲として収録された時に、当時のリリースを知らない人は「これB面じゃないの?」とか思っていないでしょうか。


「がむしゃらな日々は報われる」
ってフレーズが好きでしたね。

進研ゼミ中学講座のCMソングで、当時バンバン流れていたから、やっぱりこっちを1曲目に持ってくるべきでしたよ。


 

5月15日に「Real Thing Shakes」発売。

まさかの英語詞シングル!

アルバムの方では英語曲を歌うことは今までもありましたが、まさかシングルで持ってくるとは。

それもドリカムの「WINTER SONG」のようにキャッチーなサウンドに乗せているわけでもなく、カラカラに乾いたアメリカンハードロックサウンドで、「MOVE」のような王道B’zサウンドとも一線を画しています。

正直、この曲でミリオン突破してるってのが当時のB’z人気+CDバカ売れ時代を象徴していると思いますが、昨年まで積み重なってきたB’zファンに見切りをつけさせてしまう一因にもなったのではないかなと。

この年はミスチル「名もなき歌」やスピッツの「チェリー」をはじめ、globeや安室ちゃんのTK王道サウンドがチャートで輝きを放っており、SPEEDやPUFFYが出てきたのもこの頃。

この年にGLAYも「BELOVED」リリースしてますしね。

その中で、B’zはこの曲じゃあ、僕のようによっぽどのB’zファンでないと「ねがい」や「LOVE PHANTOM」が好きだったってくらいの人たちはついてこれないでしょう。

実際、この曲以降セールスが下がって行き、GLAYやミスチルにファン持っていかれたな感が出始めました。

いやまあ僕個人としては、そんな中で守りに入らずにこういった曲をリリースしてくるB’zが好きなんですけどね。

ちなみに、このシングルについて、当時雑誌で松本さんが「こういった曲を僕たちがリリースして、B’z好きな子たちが洋楽を聴くきっかけになってくれれば」と話していましたが、既に結構多くの人が「憂いのGYPSY」を聴いてエアロスミスを聴くきっかけに…(以下、自主規制)



 

11月25日にミニアルバム「FRIENDS II」発売。

名作「FRIENDS」の続編で、前作が純愛映画的なコンセプトで作られていたことに対し、今作では少し大人の恋愛小説的なコンセプトで作られているのではないかなと考えられます。

一組の男女の恋愛模様を一つのアルバムで表現した、そんな作品。

どちらかと言えば青くさい恋愛や、うじうじして後ろ向きな男の心情を歌い事が多いB’zにしては、かなり大人の恋愛真っ最中を歌い上げているようなこのミニアルバムは、AORぽいサウンドも含めて、当時まだまだ大人になれてなかった僕には前作と比べてちょっと難しいアルバムでした。

今、改めて聴きなおせば、良いアルバムだなって思えるんですけどね。

当時は、このアルバムの中では唯一、B’zっぽいとも言える「傷心」くらいしかピンとこなくて、昨年の「LOOSE」に続いて、「あっ、なんだかB’z、やべえな」とも思ったのですが、その後聴き続けることで、これは良いアルバムで名曲たらけということに気づいていきました。

ちょうどこのアルバム発売の頃からしばらく経ってくらいかな。

僕もようやく大人になれたといいますか、片想いではない人並みの恋をしましてですね。

この「FRIENDSⅡ」というアルバムを聴く心構えが出来たということなのでしょうか。

当時も、そして今に至るまで、このアルバムのようなオトナな恋愛の経験はないんですけども。

どの曲もお気に入りで、甲乙付けがたいですが、一曲挙げるなら、「きみをつれて」。

この曲を聴くと、どこか遠くに行きたくなります。



1997年。

個人的にいろいろ激動がありました。

知人との別れもありました。

忘れられない人との出会いもありました。

今となってはいい思い出ですかねぇ。

1月29日に稲葉さんのソロアルバム「マグマ」が発売されました。

B’zとは方向性が全然違う、内向的で暗ーい楽曲で構成されたアルバムなのですが、個人的にはすごい好きなアルバムです。

いずれ、きちんと記事にしてみようかな。


 


3月5日にシングル「FIREBALL」発売。

なんちゃってTMのデジタルサウンドからスタートしたB’zがまさかの完全生音サウンド。

シンセサイザーの類を一切使用していないハードロックな1曲で、今でこそB’zならではの楽曲と呼べるのですが、当時は「Real Thing Shakes」に続いて、こんな売れ線から逆行した歌出して、ファンが離れるぞ!って思いました。

案の定、前作より売上枚数は激減し、連続ミリオンの記録もここで途絶えました。

ただ、とんねるずのタカさんが「うたばん」でSMAPの中居くんから「B’z知ってる?」って振られた時に、この曲を挙げてたのがちょっと印象的でした。

サビの部分の「メーイクッ!」の歌い出し部分をタカさんが歌ったんですよね。

また、Mステで奥田民生さんが、この曲をカラオケで歌ってみようかなみたいなことも言ってたんですよね。

意外に業界人ウケする歌だったのかな…。

C/Wの「哀しきdreamer」も乾いた感じのロックサウンドで、大好きな歌です。

でも、これも「Mixture」には未収録。

選出するスタッフとの間になにか隔たりがあるのかな…


 

4月26日にベストアルバム「FLASH BACK」発売。

後で知ったのですが、このベスト盤、実はB’z未公認のアルバムだったんだとか。

別にそれが理由ではないのですが、僕はこれは買いませんでした。

初期のアルバム3枚と「BAD COMMUNICATION」から選曲された2枚組のベストアルバム。

リマスタリングされているとはいえ、収録曲全部持ってるしなー、と思いつつもファンなのでコレクターズアイテムとして買うべきかどうかはギリギリまで悩みましたが、結局は購入しませんでした。

でも、メンバー及び事務所非公認のレコード会社主導のベストアルバムとはいえ、このアルバムはアリじゃないかなって思いました。(買ってないのに偉そうですが)

ブレイクして以降にB’zを好きになった人、特に「LOVE PHANTOM」あたりで好きになったファン層に、ブレイク以前の楽曲を知ってもらうには、とてもいいアイテムだと思うんですけどね。

現在でも全然価値があると思うので、今からでもオフィシャルにしてあげてもいいんじゃないですか?

少なくとも「Pleasure II」あたりよりは存在意義があると思うんですけどねぇ。



7月9日に「Calling」発売。

サビのみで構成されたロックサウンドに、静かなバラードソングが挟まれた、なんとも表現の難しい曲。

B’zの2人も難産だったと当時語っていましたが、想像するに母体となっているバラード曲がどうにもしっくりこなくて、別の曲で採用する予定だったパートで挟み込んだのではないでしょうか。

2種類の楽曲が悪魔合体したような、なんだかキメラみたいな一曲。

ドラマ「ガラスの仮面」の主題歌だったこともあり、独特の構成から認知度は意外に高いようですが、個人的にはイマイチな一曲。

ベスト盤では飛ばして聴くことも多いです。

C/Wは「RISKY」に収録されていた、「Gimme your love」のライブバージョン。

ライブバージョンが駄目だとは言いませんし、原曲は非常に名曲です。

でも、新曲が聴けないということに非常にガッカリした記憶があります。


 

10月8日に「Liar!Liar!」発売。

この曲は非常に好きです。

イントロから初期のB’zを思わせるデジタルサウンドからスタートし、「FIREBALL」で行くとこまで行ったから、一周回って原点回帰か?と思わせたところで、たたみかけるように流れ出すハードロックサウンド。

デジタルとロックの融合という、B’zの到達点の1つがこの曲で表現されているように思います。

根底にあるのはB’zの王道サウンドがベース。

そこに「BLOWIN’」のようなデジタルPOPと、「MOVE」のようなハードロックが見事に融合、昇華した一曲です。

とにかくカッコいい、ライブで聴いたらもっとカッコいい、B’zならではの曲です。

C/Wは「ビリビリ」

「Liar!Liar!」と同様のデジタルサウンドですが、より打ち込みを前面に出してます。

曲は悪くはないけどそこまでハマれない印象。

でも、こんな詞を書いて、こんな韻の踏み方で歌えるのは稲葉さんくらいでしょうね。


 


11月19日にアルバム「SURVIVE」発売。

きました!これは傑作です。

最初の10年期では個人的に最高のアルバム。

ていうか、今でもB’zのアルバムで1枚挙げろと言われたら、このアルバムを選ぶかもしれない、それくらい好きなアルバムです。

10周年を目前にしているためか、これまでの集大成的な内容。

B’zの根底にあるハードロックを前面に出した「DEEP KISS」

初期のデジタルサウンドを思い出させる「スイマーよ!」

B’zの王道ロッカバラード「Survive」

「IN THE LIFE」の頃のような歌謡曲ぽくもあり、初期の3枚に収録されていてもおかしくなさそうな「ハピネス」

かと思えば「7th BLUES」あたりの作りのような「Do Me」「泣いて泣いて泣き止んだら」

「RISKY」の頃を彷彿とさせる「CAT」

メロディラインは全然別物ですが、ベースは「FRIENDSⅡ」の要素も見え隠れする「だったらあげちゃえよ」

これまでにない感じの組み合わせなのにB’zらしく仕上げた泣きのバラード「Shower」

これにこの年リリースしたシングル3曲が加わり、テーマや方向性がバラバラで、バラエティに富んだ楽曲が、現時点のB’zの楽曲として見事に違和感なく統一されて、まとまった1枚です。

何度聴いても聴き飽きない見事な構成。

単体ではイマイチ好きになれなかった「Calling」も、このアルバムを構成するピースの一部として聴けは、見事にハマっています。

どれもこれも好きな曲ばかりで、1曲選ぶのは難しいですが、挙げるとすればアルバムタイトル曲の「Survive」

切なく、哀愁漂うメロディが大好きです。


「誰かがリタイヤしても、終わらない」

「不満をためて、不安をためて、誰が生きたいだろう」

この歌は、僕の人生の応援歌です。

挫けそうになった時に、よく聴いていたなあ。



次はいよいよデビュー10周年の1998年。

ここもまとめて書こうと思いましたが、10周年期の振り返りとして独立して書こうと思います。

今回はこの辺で次回、 SCENE 1て会いましょう。



 

コメント

タイトルとURLをコピーしました