僕とB’zの30年 4th beat:1999年〜2000年

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どーも、たけGです。
シリーズ「僕とB’zの30年」

20周年期に突入していきますよー!
10周年までのまとめ記事、SCENE1はこちらから。

1999年。

世紀末最後の年でした。

10代の方々はピンと来ないかもしれませんが、この年は、やれ恐怖の大王がやってくるだの、核戦争で世界が滅びるだの、この年に何かが起こるといったことが、一部ではなく、結構多くの人が口には出さずとも信じていたのです。

かく言う僕も、オカルトなどをまるっきり信じているわけではないのですが、それでも人間の科学で全てが解明出来ているわけでもない、という考え方なので、ひょっとしたら何かが起こるかも!?なんて思っていたものですよ。

ま、実際は何もなく、世界は2000年を迎えたわけですが。

2018・03.24

僕の方でも、この年は特に変化なく。

ただ仕事を頑張りつつ、プライベートも充実していた年だったかなあ。

B’zは、6月9日にシングル「ギリギリChop」。

11年目のスタートで、いきなりハードロック全開!

Pleasure」「Treasure」で一区切りをつけ、従来の安定路線で再スタートするというのもアリだとは思うのですが、「さまよえる蒼い弾丸」のような原点回帰路線や、「HOME」のような耳馴染みの良い安定POP路線でもなく、「Liar!Liar!」や「MOVE」さえも凌駕する怒涛のハードロック。

10年で行くとこまで行ったけど、俺たちの目指す音楽は更に上!とばかりに、強烈な再スタートを切りました。

もうね、えれーかっちょよくて、聴き応えのある一曲です。

歌詞も稲葉節の真骨頂。

この曲で新たな10年期の幕を開け、この時は期待が持てていたのですが…

ベースとなっているメロディラインは紛れもなくB’zの王道なのですが、それがもう、疾くて疾くて、そしてヘビーで。

リリースから間が空いて、ライブで初めて聴いた時に、やっぱりライブで聴くとかっちょええ!と思いつつ、当たり前のように会場全体でタオル振り回すのにビックリした記憶があります。

C/Wは、打って変わって従来路線の王道バラード「ONE」。

明らかに製作時期が違うだろ!というくらい毛色の違う作りの曲ですが、こちらも非常に名曲です。

ファン人気も高く、後の「ULTRA Treasure」では3位にランクされたほどの人気曲。

僕もB’zバラードも中で、かなり好きな1曲ですね。


 7月14日にアルバム「Brotherhood」発売。

B’z史上屈指のハードロックアルバムです。

次作の「ELEVEN」もかなりのものですが、ここまでゴリゴリに1本芯が通ったアルバムは30年の歴史を紐解いても、これ1枚だけでしょう。

僕も大好きなアルバムで、当時は繰り返し繰り返し聴いていました。

当時、集合住宅だった我が家では、大音量で聴くことは難しかったので、もっぱら車の中で聴いていましたね。

シングル曲の「ギリギリchop」も収録されていますが、個人的にはこのアルバム収録の「Version51」の方が好きです。

シングル盤がよりハードになった印象で、エッジが効いています。

後のベストアルバムに収録されたのはシングル盤なので、「Version51」が聴けるのは、このアルバムだけですよ!

他にも聞き応えのある名曲ばかり。

「F1中継」のオープニングに起用されていた「F・I・A・R」や、ウルトレ1位の表題曲「Brotherhood」、ライブの定番となった「銀の翼で飛べ」など、どれもタイトルを聴いただけで耳の中でリフレインがはじまるくらいにお気に入りの曲ばかりですが、1曲上げるとするならば最後に収録されている「SHINE」。

ラテンっぽいイントロからはじまる従来のB’zではあまり見られなかった曲で、すごいお気に入りです。


「切れそうで切れないしぶとい絆、きっとお前にだって見えてんだろ」

「手ェ抜いて生きたら消えていく、脆くて儚い僕らを包むSHINE」

歌詞もすっごい秀逸です。

それぞれ500万枚近く売れたベスト盤2枚の次に出たこのアルバムの売り上げは140万枚前後だったとか。

売り上げがガクンと下がったことで、B’zはベスト盤で終わったとかいう声を当時聞いたように覚えているのですが、こんなゴリゴリのアルバムが100万枚売れてることの方が凄くないですか?

個人的には超好きなアルバムなのですが、「イチブトゼンブ」あたりでB’zを好きになったような若いファンの人に昔のアルバムを勧めるとしたら「SURVIVE」か、後の「BIG MACHINE」あたりを勧めて、このアルバムは除外しちゃうかもなぁ。

「さよなら傷だらけの日々よ」でB’zが好きになりましたって人になら間違いなくオススメですけどね!



 

この年には宇多田ヒカルの「First Love」が発売され、B’zの「Pleasure」の記録は1年であっさり更新されてしまいました。

せめてヒッキーの登場があと2年遅かったら、20世紀で1番売れた邦楽アルバムの座くらいはゲットできていたのでしょうが、それが出来ないのがなんともB’zらしいですね。

永遠の2番手の面目躍如といったところでしょうか。

ま、宇多田ヒカルさんの「First Love」は僕自身、発売日に即購入したので、文句も何も言えませんなぁ。

「甘いワナ」が好きでした。

また、この年の春に松本さんのソロシングル、「THE CHANGING」が発売されてます。

松本さんのソロと言えばギターをメインとしたインストが思い浮かぶと思いますが、この曲では全面でボーカルを張って歌っています。

GO FOR IT,BABY-キオクの山脈-」でも聴けるあの歌声を全編に渡って聴けるってだけでも必聴ですが、それよりも注目すべきは松本さん作詞の歌詞。

松本さんの心の叫びを聴くことが出来ます。


「ああ変わりたい、変われない、オリジナルじゃない」

「最新のテクニック 何もない 反省は時々する」

「ああ変われない、これきっとオリジナルじゃない」

「ああ変身だ オレだってオリジナルなんだ」

わあぁ、パクリだなんだって言われているのを、やっぱり自覚してたんですねぇ。

数年後に「仄かなる火」を聴いて、変わってないすよ松本さーん!とか思いながら、この曲を思い出しましたよ。

でも、そんな松本さんの作る曲が大好きだから、僕は30年近くついてこれてるんです。


「目立ちたい、認められたい、売れてみたい」

B’zで頂点に立っている人が、ここまでストレートに吐露出来ますか?

もう、一生ついていきます!


 

アルバムの方も松本さんのボーカル曲が結構入っていて、必聴ですよ。


 

2000年。

この、西暦2000年という記念すべき節目の年、僕は安定を求めたはずの仕事で挫折を経験し、プライベートでも大きな別れを経験しました。

ダブルショックの2000年。

20世紀最後のこの年、サザンオールスターズの「TSUNAMI」や、福山雅治さんの「桜坂」など、大物ミュージシャンのバラードがメガヒットした年でもありました。

このバラード曲のメガヒット傾向が、松本さんの「目立ちたい、認められたい、売れてみたい」に火をつけてしまったように感じられたのは、果たして僕だけだったでしょうか。

ちなみに、僕が大きな別れを経験した時期と、福山さんの「桜坂」がヒットしていた時期がリンクしてまして、当時の傷心だった僕は、「桜坂」を聴きながら戻らない想いに涙していました。


「愛と知っていたのに〜」

恥ずっ!

2月9日に、シングル「今夜月の見える丘に」発売。

どうにもB’zらしくないタイトルのこの曲は、木村拓哉さん主演のドラマ「ビューティフルライフ」の主題歌でした。

ドラマの内容に合わせて美しくも切ないバラード曲に鳴ってます。

歌詞の内容も、ドラマに合わせたバリアフリーの目線で描かれている…一方で、その中に隠されている、いや、隠れてないか、もう一つのテーマ。

そう、これまた稲葉さんお得意のエロス、それも明確にセックスを連想させる歌詞になっているのです。

曲自体は名曲で、B’zを代表する(むしろB’zらしい)バラードと言っても間違いないのですが、ファン以外のドラマを見てた人たち全てに、この詞が受け入れられたかどうかは、はなはだ疑問でも、あります。

当時は出演するドラマが全て高視聴率だったキムタク主演のドラマの主題歌であり、曲もドラマのイメージにバッチリ合ったメロディラインで、この組み合わせなら、もうちょっとセールスが伸びても良かったとは思うのですが…

黄金期を過ぎて、B’zのアーティストパワーが下がっていたとも考えられますが、サザンオールスターズは「TSUNAMI」で見事に再浮上を果たしましたし、B’z自身、この後10年後くらいに「イチブトゼンブ」というドラマ主題歌でダウンロード含めてのメガヒットを生み出してます。

曲はとても良く、ドラマの人気も手伝ってメガヒットの要素は充分に含んでいたのに、思ったよりは伸び悩んだのは、やはり歌詞が足を引っ張ったのでは、とも訝しんでしまうのです。

個人的には、すごい好きですよ。

稲葉さんらしい、正統派で終わらせないエロ要素も含みつつの、しっかりバリアフリーのテーマが主軸となっている、良い歌ですよ。

でも、やっぱりB’zのファンではない、一般の方が聴くと、いい歌だ!と感じる人もいる一方で、歌詞を聴いて、ひいてしまうような人もいたとは思うのです。

歌い出しからして、


「例えば、どうにかして、君の中、ああ、入っていって〜」


ですからね!

ここを聴いて、ないわーと思うドラマのファンもいたでしょう。

賛否別れて、セールスに繋がらなかった、とも考えられます。

と、言っても、100万枚売れてるので、充分にセールスは伸びているじゃないか!とも思われるかもしれないですが、発売前は200万枚越えのB’zシングル最大のセールスになるのでは、とも予想されていたのですよ。

サザンの桑田さんも稲葉さんを上回るエロ歌詞の伝道師ですが、「TSUNAMI」にその要素はありません。

もし、このドラマの主題歌が「今夜月の見える丘に」ではなく、昨年の「ONE」であったなら、ドラマの効果も手伝って、セールスはもっと伸びたのでは…ともこの頃考えていました。

「ONE」は「名探偵コナン」の主題歌でしたが、よくよく聴くと「ビューティフルライフ」のテーマとして、かなりしっくり来る歌なんですよねー。

たら、れば、は歴史に禁物ですが…

でも、繰り返しますが、「今夜月の見える丘に」自体はB’zのバラードとして、紛れもなく名曲です。

そこだけは、間違いなく。

ちなみに、ドラマ「ビューティフルライフ」の主題歌としてのこの歌には、もう一つ、余談があるのですが、それは、そこに関わる曲の時に語りましょうか。

C/Wは「だからその手を離してーMixture Styleー」。

デビュー曲の新録で、この時期のB’zらしくハードロックナンバーに生まれ変わり、少し自己主張少なめだった原曲に比べて聴けるようになってます。


2月23日にベストアルバム「B’z The “Mixture”」発売。

公式には、ベストアルバムではなくマストアルバムなんだとか。

「今夜月の見える丘に」C/Wの「だからその手を離して」を含んだ初期の楽曲を、「Brotherhood」から「ELEVEN」時期のハードロックサウンドで新録された楽曲に加えて、これまでのアルバムにC/W曲から厳選されたものに、A面シングル曲の「MOVE」、未発表曲の「あなたならかまわない」を含めた、「Mixture」の文字通り、ごちゃまぜな裏ベストアルバムとなっています。

初期の楽曲の新録版は、どれも原曲より良くなってますね。

10年で、いかにB’zの音楽が洗練されたかわかります。

出来ればこの路線で、「Guitar Kids Rhapsody」や「SAFETY LOVE」、「STARDUST TRAIN」あたりも新録してほしかったですね。

あと、C/W曲の方も、「星降る夜に騒ごう」「Go!Nude!Go!」や、「哀しきdreamer」も収録してほしかったなぁ。


5月24日にシングル「May」発売。

最初に聴いた時に疑問符がついた曲です。

決してそんなに悪い歌ではなく、嫌いではないのですが、バラードなんです。

「今夜月の見える丘に」に続いてのバラード曲。

なぜ?という疑問符がついてまわりました。

別に、バラード続いてもいいんじゃない?と思われるかもしれませんが、B’zはかつて、「ALONE」があれば、バラードはいいと言って、「Calling」を普通のバラードでは出せないとして難産になった経緯があるんです。

そんなB’zが2曲続けてのバラード曲リリース。

「TSUNAMI」や「桜坂」のメガヒットを見て、バラード曲でヒットを放つことを意識してたのでは…、と想像してしまいましたねえ。

C/Wの「You play,I stay」の方は好きなタイプの歌です。

どちらかと言えば、この曲もバラード寄りで、でも重くて。

決してシングル表題曲になれるメロディではないのですが、CMでも流れていたし、どうせならこういった曲を表題曲に持ってきてみても良かったのでは?


7月12日にシングル「juice」発売。

待ってました!のロックナンバー。

やっぱりB’zはこうでなくっちゃ!

暑い日射しと、舞い散る汗がピッタリのどストレートなハードロック。

今やライブの定番、大好きな曲です。

C/Wの「UBU」もイイですね!

こちらもアップテンポのロックナンバーで隠れた名曲だと思うのですが、あまり有名ではないようですね…


10月4日にシングル「RING」発売。

そしてまたバラード。

この2000年は1年にシングルを4枚発売するという、B’zとしては稀有な1年で、振り返ってもブレイクした1990年以来ということになります。(あの時は5枚)

ただ、バラエティに富んでいた1990年と違うのは、この2000年に出したシングル4枚のうち3枚がバラードだということ。

もうね、どうしたB’z⁉って、切実に思いましたよ。

勝手な想像ですが、本当に「TSUNAMI」や「桜坂」のような、バラードでのロングヒットからのメガヒットを夢見ていたとでもいうのでしょうか、この時期。

特に松本さんはこの時期のインタビューで、この「RING」について、「いい歌だ」とアピールしていましたしねぇ。

その割に、後のバラードベストには未収録ですが…

ちなみに、この「RING」にはもう一つ、逸話がありまして。

実は、ドラマ「ビューティフルライフ」の主題歌は当初、この曲を提供する予定だったらしいのです。

ところが、同ドラマの脚本家、北川悦吏子センセイより「暗くて重くてドラマに合ってない」とボツをくらい、再度作り直したのが「今夜月の見える丘に」だったというわけなんです。

決して「RING」は、そんなに悪い曲ではないと思いますが、確かに、あのキムタク主演のドラマにゃ遭わないだろうなあということは、素人目に見ても想像に難くありません。

キムタクと常盤貴子のオシャレで、且つ泣いてしまうような展開のバックで、「欲しい、全部欲しい」

う〜ん、ないな。

かくして、ボツになった「RING」は「今夜月の見える丘に」のC/Wに収まる予定だったのですが、メンバーが「完成度が高いから」と評価し、単独でのリリースと相成ったそうです。

それだけB’zの二人の満足度が高い、お気に入りの曲だったということなのでしょうが、その割に後の…(以下省略)

C/Wの「Guilty」は当時の世相を反映した風刺的な曲で、音もなかなかにヘビーですが、個人的にはイマイチ、ハマれませんでした。



 

12月6日に、アルバム「ELEVEN」発売。

「Brotherhood」の路線から引き続き、打ち込みは控えめのバンドサウンド中心のハードロックアルバムになってます。

が、ちょっとなんだか前作と比べてまとまりに欠ける印象。

我が道を行く路線で1本芯が通っていた前作に対して、なんだか芯が通らずにブレているというか。

やっぱりシングルでリリースされたバラード3曲がハードなアルバム曲とどうにも馴染めてない印象。

バラードは「Raging River」と「Thinking of you」の2曲もありますしね。

この2曲はアルバムの中でも馴染んでいますし。

前作と同じ流れで製作したにも関わらず、唯我独尊を貫けずに売れ線を意識し迷いが生じてしまった故にチグハグさか出た感じでしょうか。

アルバム曲には名曲が多いです。

「Seventh Heaven」、「愛のprisoner」、「コブシヲニギレ」などが挙げられますが、特に好きなのは「Raging River」。

あんなにバラードの文句を言ってたのに!と思われるかもしれませんが、別にB’zのバラード曲が嫌いなわけではなく、シングル曲は「ALONE」があればいいとまで言っていたB’zが、ドラマ主題歌の「今夜月の見える丘に」はいいとして、その後も立て続けにバラード曲をリリースした姿勢に疑問符を投げかけただけなんです。

あとは「煌めく人」ですか。

まさかのミクスチャー・ロックで、当時人気だったレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンあたりを彷彿とさせる曲になっており、ファンの間でも賛否両論あったようですが、こういったことを平然とやってのけるB’zに痺れる憧れるゥ!

僕は、意外と好きな歌ですよ。


 

とりあえず、今回はここまで。

30年の振り返りシリーズなので、2年で締めるのもどうかと思いましたが、この2年間はハードロック方面に傾倒した2年間であり、翌年からはまたガラッと方向性が変わるので、ここで締めるのがベストかなと思いました。

あと、好きなものを書くことより、一言物申したいものを書くことの方が、一言を超えて長くなってしまう傾向がありますね。

反省しなければ…

今回はこの辺で。

次回、5th beatで会いましょう。

せーの、お疲れー!


 


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