どーも、たけGです。
あ、「男坂」の新シリーズが始まっていたことに今日気づいた。
いやまぁ、多分「少年ジャンプ+」からの通知は来てたんだと思いますが、いろんなとこから毎日毎日通知が来るので、どれもこれもチェックしなくなったですよねぇ。
あ、「ゴジラ 怪獣惑星」も更新されてた。
さて、「男坂」ですが、元々はあの世界に名だたる「聖闘士星矢」の前に車田正美御大が描かれていたマンガです。
「男坂」を読んだことのない人でも、マンガが好きなら伝説となった最後のシーンは目にしたことはあるのではないでしょうか。
連載開始から1年と経たず終了。
ま、打ち切りでしたね。
打ち切りマンガの鉄則と言えば「俺たちの戦いはこれからだ!」的に終わるものですが、「男坂」は大きな墨文字で「未完」と銘打ち、未練タラタラな様子が伺えます。
連載開始時には、10年構想、このマンガを描きたいためにマンガ家になったと車田御大は述べられており、その気合の入れようが伺えていました。
「リングにかけろ」「風磨の小次郎」と続けてヒット作を生み出していたことで自信にも繋がっていたのでしょう。
ですが、御大の思惑通りには行かず、この「男坂」は打ち切りで終了。
読者の支持を得られず、人気がなかったのでしょうね。
この作品の連載当時は1985年。
そしてこのマンガの題材は「不良・番長・喧嘩」もの。
それも本宮ひろ志御大の「男一匹ガキ大将」を彷彿とさせるファッションの不良や番長たちが出てくる作品です。
そんな作品が何故、当時の読者に受け入れられなかったか。
それは、この題材が当時既に時代遅れだったからでしょう。
車田御大がリスペクトした「男一匹ガキ大将」はこの作品より10年ほど前の作品であり、その頃と「男坂」連載当時では時代背景がまったく変わってしまってます。
不良漫画としては「BE-BOP HIGHSCHOOL」や「湘南爆走族」が存在しており、そちらの路線が主流になっている時代。
「男坂」打ち切りの数年後にはジャンプでも「ろくでなしBLUES」がスタートした、そんな時代に時代遅れ的な「男坂」が当時の読者層には受け入れられなかったのは必然だったのでしょう。
そんな「男坂」が30年の時を経て、まさかの連載再開したのが2014年。
相変わらずの時代錯誤的な番長漫画ですが、再開してから4年経っても継続しているということは、今の時代には受け入れられているということでしょうね。
30年前のあの頃はリアルタイムで時代設定を行なっていたため、時代遅れ的な作風になってしまっていたのですが、現在描いているのは「あの頃の日本」が舞台。
時代遅れもなにも今の若い読者には、昔はこうだったんだ的な感覚で読むことができ、「聖闘士星矢」の車田御大が描く、トンデモ漫画のひとつとして受け入れられているのかもしれません。
まぁ、「あの頃の日本」を生きていた僕からすれば、いやいやいや、あの頃もこんな人たちいなかったし!な時代錯誤的な漫画に変わりはないのですが。
連載再開とは言え、通年毎週連載(更新)しているわけではなく、基本的に7回前後のコミックス1冊分におさまる程度の話数のシリーズ連載となっています。
チャンピオン連載中の「聖闘士星矢 NEXT DIMENTION冥王神話」と同じようなペースですね。
連載再開後は打ち切り後から続く、北の神威編シリーズからはじまり、シリーズ終了後はしばらく休みを挟んで(星矢を描いている?)次のシリーズ連載という流れで進み、既に4つのシリーズが終了。
今回の新シリーズで5つめということになります。
これまでのシリーズについても、いつか書くかもしれません。
わかりやすく区別するために、打ち切り前までの話を「旧章」、連載再開後の話を「新章」と表現したいと思います。
新シリーズのタイトルは「天下泰平編」。
舞台は南国鹿児島です。
前シリーズの「鯨海乙女編」から直接続いて始まっているので、今シリーズから読み始めるとついていけないかもしれません。
今なら「少年ジャンプ+」で全話無料になっているので、「男坂」を読んだことがない人は旧章の第1話から、打ち切りとなった旧章まで読んだことがある人は、連載再開後の神威編から読むといいと思います。
新章からのレギュラーキャラもいますしね。
あ、あらかじめ書いておきますが、旧章もツッコミどころが多かった作品でしたが、新章は更に輪をかけてツッコミどころが多くなっております。
時には同じマンガや同じキャラと思えない描写も見られます。
新シリーズスタートは前回から続き高知県、土佐の海岸から。
主人公、菊川仁義は前回、亀に乗って鹿児島へ向かったあとです。
亀ですよ、亀。
マジに亀に乗って海に出たんです。
既にここで旧章と比べても、おかしなことになっていることに気づかれると思います。
経緯をくわしく描くと長くなるので、いずれ「鯨海乙女編」について書くことがあったら語りますから、ここでは割愛。
まず登場したのは黒田闘吉と、赤城のウルフ。
見方は人それぞれですが、御大の画力の劣化ぶりが伺えます。
こちらが旧章での闘吉とウルフ。
30年経った画力が上のコマだと思うと衰えてるんじゃないの御大⁉︎と思ってしまいます。
「聖闘士星矢ND冥王神話」だってそうですよ。
フルカラーなのにハーデス編の頃の画力と比べると劣化が目立ちます。
機会があれば天間星アケローンのカロンあたりで比べてみてください。
劣化ではなく、描きやすくデフォルメされてるのかもしれませんが、「キン肉マン」のゆでたまご御大の進化に比べると、真逆に行っている気がしてしょうがないのです。
とりあえず話を「男坂」に戻しまして。
そして、横浜のジュリー。
新章からのキャラです。
このキャラはいいですね。
何がいいって、車田作品にはあまり見ない女性好きのキャラ。
女性を見ればまず声をかける、ワンピースでいうサンジのような性格で、こういったキャラがメインのメンバーに入るのは車田作品ではあまりないので新鮮です。
この3人がジュリー所有のボートで亀に乗った大将を追いかけるところからスタート。
仁義の大将が目指しているのは西の三傑最期の1人、硬派の本場、鹿児島を本陣とし九州を全土を統一する薩摩の南郷大作!
そして世が世なら万の軍勢を自在に操る天才軍師…と呼ばれているかはわかりませんが、仁義軍団の軍師的ポジション、梓鸞丸も登場。
横顔が紫龍にしか見えないのは僕だけでしょうか。
鸞丸は軍師らしく前線に出ることは、遠くでシリーズごとの敵キャラについて解説を行い、仁義たちの心配をする役割です。
特に采配らしいことはしていませんが。
そんな心配をよそにボートでぶっ飛ばすジュリーと闘吉、ウルフの3人。
一艘の漁船を追い抜いて先を急ぎますが、その漁船に仁義の大将が!
御大の画力の劣化具合が伝わるでしょうか。
可能ならば「B‘t X」の鉄平と並べてみたいところです。
さておき、追いかけてたはずの大将を追い抜いて行った3人。
闘吉は、大将を追い抜いて先に行くんだ!と言っていたので思惑通りといったところでしょうか。
かくして、仁義軍団鹿児島上陸!
鸞丸が「薩摩に三下なし」と古くから言われていると語っていますが、本当ですか鹿児島の皆さん。
力押しで真正面からケンカをしかければ手痛い目に会うかも…と心配しております。
星飛雄馬の姉ちゃんのように影から心配するのが彼のポジション。
ですが、そんな鸞丸の心配を余所に、先に上陸したのは闘吉、ウルフ、ジュリーの3人組。
闘吉はもう、戦闘モード全開。
それっぽい連中にいきなり突っかかりますが、
いや、お前もな!
という前に84年当初の鹿児島の学生ファッションってこんなバンカラスタイルだったんですか?
当時から僕は九州在住ですが、こんな方々を目にしたことは子供の頃からありませんが。
「やっぱり鹿児島だねぇ」だなんて、鹿児島県民の皆さまが怒りませんかね?
ファッションはとりあえず置いておいて闘吉がいきなりケンカを吹っかけますが、予想外の苦戦!
車田マンガにおいて、こういったお顔の面々は見開き一発でまとめて吹っ飛ばされるのが常でしたが、これは本当に予想外の展開。
「薩摩に三下なし」は伊達ではありません。
見兼ねてウルフも助太刀します。
ジュリーはその間、薩摩女子をナンパ中。
力押しで苦戦しながら結局、南郷の居場所を聞き出せなかった闘吉とウルフを余所に、あっさりと南郷の居場所を聞き出していました。
時には柔らかく、柔よく剛を制す。
ホント、車田マンガには珍しいキャラです。
そして、南郷の屋敷に到着する3人。
そこで目にしたものは、岩に打ち付けられた大きな手形と、地面に残る足形。
時代設定は85年頃だから、ジャイアント馬場が現役バリバリの頃ですね。
で、地響きとともに南郷大作登場!
3人は手痛い目に合うのか否か⁉︎
デカキャラ設定なら神威とかませても面白いかもしれません。
一方の仁義大将。
漁船に拾われ、3人に遅れて鹿児島上陸。
<
br>
亀にのって海を渡っていることを驚いても不思議に思わないシュールな世界。
新章スタートしてからの「男坂」は終始こんなノリです。
旧章もかなりの時代錯誤な世界観でツッコミどころが多々ありましたが、新章になってからは旧章がまだマトモなマンガに見えてくるぐらい、世界観が明後日の方向に向いています。
逆にそんな世界観だからこそ、今の時代になると1周廻ってウケているのかもしれませんが。
鹿児島上陸を果たした仁義が、うっかり落としてしまったハトの卵を探していると、南郷の親衛隊、「九州男志連」の面々が現れます。
またこんな感じ。
男塾でもここまでの人たちは少ないかもしれない。
鹿児島男子、恐るべし。
いやいや、そうではなくて鹿児島県民は車田御大に怒ってもいいかもしれない。
で、闘吉が苦戦した、鹿児島の不良たちですが、仁義大将はやっぱり格が違う。
手玉に取ります。
左の方は前歯はどこで抜けたのでしょうか。
そこで現れたのが九州男子連の若頭、桐野半次郎さん。
やっぱり、こんな感じ。
半次郎って名前だけに、中村半次郎ばりの示現流、一の太刀を持って仁義を攻め立てます。
と言っても、一の太刀は最初の一撃のみで、あとは闇雲に木刀を振り回しているようにしか見えませんが、一度は仁義を追い詰めます。
そして、命乞いをすれば助けてやると言われた仁義。
今更ですが、とても13歳の中学1年生の発言とは思えません。
その後、結局は、やっぱり格の違いで桐野を圧倒。
そして、桐野ら九州男志連を引き連れ、南郷の元にってとこで次回に続きます。
駆け足で3話分レビューしましたが、どうでしょう。
個人的な意見で言えば、画力だけでなくストーリーテリングも旧章に比べ劣化してるようにも思えます。
車田御大の作品はもともとストーリーで見せるよりも、勢いで見せるところに魅力があり、人物描写やストーリーテリングにそんなに期待してはいけないのですが、このところそれが顕著になってきてるように思います。
この「男坂」と同様に言えるのが先ほども書きましたが「聖闘士星矢ND冥王神話」。
ハーデス編までの連載時に比べて画力の劣化もさることながら、ストーリーの進行もほぼノリと勢いだけの必殺技勝負に終始してしまっています。
いやいや、車田マンガって、どれもそんなもんだろ!とお思いの方もおられるかもしれませんが、それでも以前の作品はもう少し人物描写やバトルの書き方も緻密で深くは描かれていたと思うんですよ。
この辺が強く見られるようになってきたのは「リングにかけろ2」の中盤くらいかなぁ。
「キン肉マン」が旧シリーズに比べて描き方が緻密になり、画力もアップ、作品としてとても洗練されているのを見ると、車田御大の劣化ぶりは残念なんですよねぇ。
「B‘t X」連載時の画力やストーリーテリング力で、「聖闘士星矢」の新章天界編を見てみたかったんですよ。
それでもですね、つらつらと文句を並べながらも見てしまい、続きを楽しみにしてしまうのが車田作品のすごさといいますか。
なんじゃそりゃあ!って呆れながらも一周廻って笑いにしてしまっているところもありますし。
御大のマンガって、なんだかんだ言ったって天才肌の作品なんだなって思っちゃいますね。
また今回のシリーズも7回で詰め込んだ駆け足の展開なのでしょうが、追いかけていくとしますか。
コメント