ファミコン「デジタルデビル物語 女神転生Ⅱ」の思い出語り。僕がメガテンを大好きになるきっかけとなったゲームのお話。

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初めて遊んだ時の鮮烈な記憶は、今も脳裏に焼き付いている、そんなゲームのお話。

どーも、たけGです。

今日4月6日はFC「デジタルデビル物語 女神転生Ⅱ」発売35周年!

「女神転生」シリーズ、通称「メガテン」。

僕とメガテンの出会いはファミコンの「デジタルデビル物語 女神転生Ⅱ」でした。

「FF」と同じくⅡからのスタート。

「1」も高校生の頃、友人から進められてはいたのですがパッケージ等を見て、原作付きのキャラゲーで原作を知らないから楽しめないかな?と思い、手を出さなかったのです。

そんなもんだから、当初はこの「メガテンⅡ」にも特に注目しておらず、発売日もスルーしていました。

あ、余談ですが「メガテン2」と言ってもスーパーファミコンで発売された「真・女神転生Ⅱ」とは別物ですからね。

今回のお題はファミコンで発売された「デジタルデビル物語 女神転生Ⅱ」です。

メガテニストと呼ばれるようなメガテン好きな方なら周知の事実だとは思いますが念のため。

で、そんな「メガテンⅡ」、大学生の時にまた別の友人から勧められ、ちょうどその時に遊んでるゲームもなかったので攻略本と一緒に借りました。(その友人にはWIZ1〜3を攻略本と一緒に貸しましたっけ)
 

そうして人生初の「女神転生」をプレイしたのですが、これがまあ衝撃でしたねえ。

世界観にずっぽしハマりました。

最初に2D視点のダンジョンRPGでスタート。

あとで知ったのですが、これは前作のスタート部をなぞっているゲーム内ゲームです。

最初はそのことを知らなかったので、普通に遊んでいたかな。

前作を先に遊んでいれば、感動はもっと大きかったでしょうね。

このゲーム内ゲーム「デビルバスター」をクリアすると、いきなり目の前に現れるのが魔王パズス。

見た瞬間に、おお!マイルフィックだ!と思ってしまった僕は、当時重度のウィズ好きだったわけですが、一方でこうも思ったものです。

おおっ、パズスだなんて、これは「ゴッドサイダー」っぽいなと。


ここでデビルマンではなくゴッドサイダーが出てくるあたり、当時からの僕のひねくれっぷりが見てとれるわけですが、ゴッドサイダーには実際パズス様が出ていましたからね。

「メガテンⅡ」のパズス様は最初は紳士でいらっしゃいましたが、ゴッドサイダーのパズス様は、なかなかのチンピラっぷりだったように覚えてます。

ちなみに、「メガテンⅡ」のパズス様はこちら。

2018・03.24

そして「ウィズ」のマイルフィック。

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マイルフィックの方がファミコンRPGにおいて先に降臨されてますが、別に「メガテンⅡ」のパズスがマイルフィックのデザインを参考にしたとかいうわけではなく、パズスのデザインって伝承によると元々がこういったデザインのようで、ゴッドサイダーのパズス様も大体こんな感じのデザインでした。

マンガはもう手放しているので参考画像は用意出来ませんが、興味が有る方は「ゴッドサイダー パズス」とかで画像をググってみてください。


ラスネール閣下に頭貫かれた赤子姿のパズス様のグロ画像が出てくるかもしれませんが。

そんなわけでウィズのマイルフィックが伝承にあるパズスのデザインを参考にした、というのが正しいのでしょうね。

脱線はこれくらいにしておいて、僕がこの「メガテンⅡ」に惹かれた理由の1つに、このゲームに出てくるモンスター=悪魔が、全て実在の宗教や神話、伝承に基づいたものであるということです。

ゴッドサイダーとか読んでいてサタンやルシファー、ベルゼブブといった悪魔についてはなんとなく知っており、また、小説で読んでいた「宇宙皇子」のおかげで仏教神話の神々はなんとか知り得てはいましたが、インド神話やメソポタミア神話辺りの神々になるとちんぷんかんぷんで。



また、一方で車田御大の「リングにかけろ」や「聖闘士星矢」のおかげでギリシア神話の神々には結構強かったのですが、この頃の「メガテンⅡ」にはギリシア神話の神々はあんまり出てないんですよね。

プロメテウスが出てたぐらいだったかなぁ。

「星矢」のアニメ版のおかげでオーディンくらいは知っていましたが、北欧神話も実はよくわかっていなかったです。

ところが、この「メガテンⅡ」で一気に詳しくなってしまったのは、このゲームをきっかけにして当時、神話や伝承の本を読みまくって知識を深めていったというのもありますが(何を勉強していたんだ大学生!)一番大きかったのはゲームと一緒に友人から借りた攻略本でしょうね。

その攻略本というのが「女神転生2のすべて」という書籍でした。



タイトル見てすぐにピンと来ました。

僕が攻略本以上のデータベースとして愛読していた「ウィザードリィのすべて」と同じくJICC出版局発行のものだなと。



以前に書いたような気がしますが、ファミコン時代に数多のゲーム雑誌が出ていた中で、弟はファミマガことファミリーコンピュータマガジンを好んで読んでおり、僕はファミコン必勝本という、一見それ雑誌名?みたいな名前の雑誌を好んで読んでいました。

元々は僕が好きだった「ウィザードリィ」の記事が大きく扱われているということがありました。

で、ファミコン必勝本だなんて子供に向けた名前の雑誌なのに、執筆内容は妙に大人向けの文章になっているのが当時としては他の雑誌と一戦を画しており、精神年齢がお子様だったクセに大人の階段を昇りたくてしょうがなかった僕は、この雑誌を読んでるだけで自分は大人なんだと勝手に勘違いしていたもんです。

その出版社から出た「ウィザードリィのすべて」及び「ウィザードリィⅢのすべて」はモンスターの原画とともに、ゲーム内では語られることのないモンスターの生態や裏設定などを事細かに書き記されており、それを読むことによってゲームに深みを与えてくれていたのです。

同様に、この「女神転生2のすべて」も、悪魔絵師金子一馬氏による悪魔デザインの原画とともに、実在の神話や伝承をもとにした、事細かい解説が書かれていたのです。

これもウィザードリィ同様、「メガテンⅡ」というゲームの世界観に深みを与えておりまして、あっという間に虜になりました。

この本があったからこそ、「女神転生」というゲームに惚れ込んでしまったと言っても過言ではありません。

ゲームを遊び、この本を読んで実際の神話や伝承に興味を持つようになって、先に書いたように図書館や書店でいろんな本を読み漁りました。


このシリーズもよく読みましたが、それは間違いなく「メガテンⅡ」を遊んだことがきっかけでしたね。

最近になってこの「女神転生Ⅱのすべて」に「幻想世界の住人たち」の著者である、健部伸明先生が関わっていらしたと知って、感慨深く思ったものです。

しかもXで僕なんかをフォローしてくださったり、僕のポストをリポストしてくださったりととても嬉しいサプライズの連続で。

健部先生、ありがとうございます!

「女神転生2のすべて」は未だに僕の愛読書です!

 

さて、本題をゲームに戻して。

今更書くまでもないメガテンシリーズの特徴と言えば、敵モンスターにあたる悪魔と交渉し、仲間(仲魔)としてパーティーを組める点があります。

以前に「ウィズ」や「ドラクエ」の記事で書いたように覚えてますが、僕はこういったRPGを遊ぶ時には脳内変換でパーティーキャラたちが頭の中で勝手におしゃべりしてまして、この「メガテンⅡ」では攻略本の緻密な情報のおかげで、脳内変換プレイがとても濃厚なものになってました。

異教の神々がそれぞれのイデオロギーをぶつけあいながら戦っている図が頭の中で描かれていたもんです。

僕に絵心があればアンソロジーでも描いていたかもしれませんが、僕には脳内で自分の物語を描くだけで精一杯でしたねぇ。

強烈にお気に入りだったのが閣下ことルシファー様。

原画からしてもうカッコよくてカッコよくて。

ドット絵でも6枚羽を大きく広げたそのお姿は、鳥肌が立つほどカッコよかったのを今でも覚えています。

敵として現れたキャラクターにここまでの衝撃を受けたのは、後にも先にもこの「メガテンⅡ」のルシファー様だけでした。

この頃は19インチのブラウン管テレビで遊んでいたのですが、ルシファー様がそのお姿を現した瞬間に大画面になったような、そんな錯覚さえ覚えたほどです。


思い出補正がかかっているかもしれないのは否定しませんが。

「真・女神転生Ⅱ」でも新たなお姿になられ、「おお!」と思いましたが、ファミコンの「メガテンⅡ」でのファースコンタクトほどのインパクトは得られませんでした。

「真3マニアクス」にご足労なされた時は「真2」デザインの閣下を3D化しただけでしたしね。

「デビルサバイバー」にお出になられた時も「真2」デザインでしたね。

「ペルソナ」でのデザインはこういう解釈もありかな、と思える感じでした。

ま、ペルソナとしてのゲスト出演みたいでしたし。


「真4」及び「4FINAL」の閣下のデザインは無かったことにしたいですけども。

それらに比して、ファミコン版の閣下のデザインは、まさしくルシファー閣下!と呼ぶにふさわしいデザインでした。

「真Ⅱ」準拠の閣下は悪魔、大魔王としてのデザインがより強くなっており、一方で「ペルソナ」では天使色が濃くなっているように思います。

対してファミコン版の閣下は大天使が地に墜ちて魔王となられしお姿と形容するのが相応しく、悪魔でありながら天使の面影を残しているデザインが非常に秀逸だったのです。

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今見ても神々しくもどこか禍々しいそのお姿。

そのお姿はドット絵になってなお輝きました。

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この文章書いたのが、健部先生なのかな?

このデザインでの閣下を、いつかリファインしてほしいものです。


「真4」と「FINAL」の閣下は忘れましょう。

そして、この閣下、ルート次第では仲魔にすることが出来てパーティーメンバーとして加えることが出来ます。

「4FINAL」のように2周目に合体解禁して誰でも仲魔にすることが出来るだなんてガッカリな仕様ではなく、シナリオ中の選択におけるルートによって仲魔に出来、しっかりストーリーにも絡みます。

「真2」や「真4」でも閣下がカオスルートにて仲魔になることがありましたが、このファミコン版においては、ベストエンディングになるルートこそが閣下が仲魔になる流れだったのです。

ロウ、カオス、ニュートラルの3ルートの流れが確立したのは「真」シリーズからなので、ファミコン版ではそこまでの分岐はなく、グッドエンディングに繋がるルートと、そうではないルートの2種類しかありませんでしたが、当時はそれだけでも衝撃的でした。

いわゆる通常モンスターである敵悪魔を仲魔に出来るってだけでもインパクトデカかったのですが、敵の大ボスの1人がストーリー上において仲魔になる展開は脳内変換プレイしていた僕は非常に燃え上がりましたね!

僕の頭の中では主人公とヒロインのバックに6枚の翼を大きく広げた閣下のお姿が!

パーティメンバーでの閣下の御姿は、ミカエルら他の天使と変わりない色違いグラフィックだったのがちょっとアレでしたが。

これは当時のファミコンのグラフィックだったからこそ、見ることのできた幻想だったのでしょうか。

核戦争で荒廃した東京は、北斗の拳の世界以上に僕の目には非常にリアルに映っていました。

一歩、街に入るとそこはサイバーパンクの世界。

機械やオイルの音にまみれた、先進的でありながらもどこか荒んでいる世界が広がりました。

コードブレイカーをはじめとするカジノの世界にのめり込み、現実を忘れて堕落しそうになる自分。

サバトに参加し、妖しくもエロティックな世界にドギマギするなど…

今となってはファミコンの拙い8ビットグラフィックの世界に身も心ものめりこんでいました。

交渉で悪魔を仲魔とし、邪教の館にて新たな悪魔を悪魔同士を合体させて生み出す背徳感。

金子一馬氏の描く、よく任天堂チェックを通ったなと思わせる際どい女性悪魔のグラフィックに、さまざまな妄想を膨らませたもんです。

ここまで心酔したRPGは、あとにも先にもこれだけではないでしょうか。

数年後に、スーパーファミコンで発売された「I」と「Ⅱ」のカップリングソフト、「旧約・女神転生」をプレイしました。



より美麗になったグラフィックで、あの時の感動をもう一度!と思って「Ⅱ」をプレイしたのですが、グラフィックこそ確かに良くなっているのですが、遊んだ印象としてはどうにもその感動が薄く、「あれ?こんなもんだったっけ?」と思いましたっけ。

あとBGM!

FC版は特殊チップを用いていて、BGMが凄い良かったんですけど、SFCで奏でられる音楽はFC版の時に感じたサイバーでロックな神秘性があまり感じられなかったというか…

いやいや、曲自体は名曲ばかりなんですけども、演奏する楽器が違うとこうも違うのかなという印象というか…

スーパーファミコンになって、よりすごくなった「メガテンⅡ」を期待しすぎていたのもあるのかもしれませんが。

高校生の頃に好きだった女の子と同窓会で再会し、より綺麗になっていた彼女を見たのにも関わらず、あの頃のときめきがよみがえらなかったようなものと言えばわかるかな。

そんな経験、ないですけども。

今回はFC「デジタルデビル物語 女神転生Ⅱ」の思い出語りでした。

後半で書いたように後にSFCでのリメイク版も遊んではいますが、強烈に記憶に残っているのはファミコンで遊んだ「メガテンⅡ」です。

まぁやっぱり、あの頃の思い出補正が強いせいなのかもしれませんけど、もう一度遊びたくなってきますね。

もし、PS4やSwitchのグラフィックで「メガテンⅡ」が現代のグラフィックでリメイクされるのなら、ファミコン版よりも迷わずそちらを選ぶでしょう。

(HD-2Dでリメイクしてくれないかなぁ)

それでも、ファミコン版にて閣下を仲魔の一員としてともない、ラスボスであるあのお方と対面し、その荘厳かつ偉大なる申し出をはねのけた時の緊張と感動は、グラフィックがどんなに美麗になろうとも同じような経験は出来ないんじゃないかなと思います。

ファミコンの拙いグラフィックだからこそ再現できた強烈すぎる世界観。

ドラクエやFFにはなかった、唯一無二の絶対的な、“ここにしかない”確かなものが、ファミコンソフトだった「女神転生Ⅱ」にはあったと思うのです。

もう一度ファミコン版を最初から遊び直したとしても、あの時の鮮烈な感動は味わえないんだろうなぁ。

でも、Switch Onlineで配信されたら絶対遊びたいですね。

ってか、ナムコットコレクションで前作は配信されてんのに、なんでⅡの配信はいつまでもないのかな?

まぁ、遊んだ人だけならわかる、カエルを踏むか踏まないかは、もちろん踏まない方向で遊び直したいところです。

今回はこの辺で。

いつかまたここで会いましょう。

お休みの間、アクマに体を乗っ取られぬようお気をつけて…








コメント

  1. 名もなき雑兵 より:

    メガテン 最高ですよね。
    私は真2が最初でしたが、小学校低学年の私にはオープニングを見た時点で怖くてヤバいゲームと思っておしっこ漏らしてしまいました。
    他にも超常現象が起こるとか何とか何やら兄から聞いて、夜中には電源を入れるのはタブーなゲームでした。
    そんなオカルティックな所や、ヘビーなストーリーがたまらなく好きでしたね。
    閣下に至ってはブロンドのナイスミドルだったので、私の中では逆襲のシャア時点でのシャアで脳内再生されてました。
    それが4になると、似ても似つかない姿なのでそれは衝撃的でしたね。
    それでも新作が待ち遠しくなるんですよね。

  2. たけG より:

    >名もなき雑兵さん
    ゲームを終了する時の「お休みの間、悪魔に体を乗っ取られないように気をつけて…」なども怖いですよね。
    僕も初体験が小学生時分だったなら怖くて遊べなかったかも。
    閣下の声がシャアボイス…うん、イメージぴったりだと思います。
    まぁシャアボイスは4FINALで他の悪魔が担ってしまいましたが。
    閣下は子供になったり老人になったり女性になったりと色々変化しますが、真1や真2のナイスミドルな閣下が一番好きでした。

  3. だがら。!、。 より:

    どぎやがれえー!だばわ!

  4. 通りすがりの只の人なり より:

    書き込み失礼します。感銘いたしました!
    別の内容で検索していてたまたま開いたのですが、軽快な文章と共感しまくりの内容で頷きながら読み入ってしまいました。
    私もほぼ同様の体験でメガテンに心を奪われた者です。
    『女神転生2のすべて』、今やプレミア本ですが今も本棚の見える側に並べています。ウィズのすべてもそうですが、元のゲーム、それに魅了されて異常な労力をつぎ込んだ本を作ってしまう著者の方々の、異様な混沌のエネルギーに満ちていて、今めくってみても熱気を感じます。
    個人的には4のあちこちの描写に非常に落胆し、、(陛下はギャルになどならん!!!)それ以降も一応やってましたが全く盛り上がれず・・・勝手に”その感覚”をお持ちなのかな、と思ってしまいました。4もいいとこはあって、でもネットの感想見てもダメだったという意見は少数のようで、内心(おまえらこんなんでいいのかよ…愚かなり人の子よ滅ぶがよい)なんて思ったりするのですが苦笑。
    金子一馬さんがいた頃の、キンキンに冷えた鉄みたいなメガテンはもう出ないのでしょうか…。
    勝手に私の好みを書いてしまい、お目汚し失礼しました。

  5. たけG より:

    >通りすがりの只の人なりさん
    コメント、ありがとうございます!
    そのように評価していただき、大変嬉しいです!
    女神転生2のすべて、今ではもう表紙カバーを無くしてしまっているのですが、今も大事に持っています。
    執筆された方々の異様な混沌のエネルギー…確かにそうですね。
    情念に近いものを感じます。
    個人的に4以降も悪くはない…と思っているんですよ。
    4の閣下だけはどうしてもあかんですが、遊んでみて面白かったし、しっかりメガテンしてるなぁと思ったものです。
    ですがやっぱり、岡田耕始さんと金子一馬さんが直接関わっていた頃のメガテンの持っていた空気には及んでいないなぁとも思うのです。
    重ねて、ありがとうございました!

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