兄さんのこんな顔を見られるのはアニメ版だけ!
あっ
どーも、たけGです。
十二宮編突入後、氷河とカミュの関係のようにアニメオリジナルの設定と原作設定を整合させるための展開などは別として。
そういった必要のないエピソードについては、特に黄金十二宮編ではほぼ原作に準じて進んで行くかな、と思っていたのですが…
巨蟹宮を突破したあとでいきなり入れ込んできましたね、オリジナル展開!
まずは魔鈴さんが星矢たちの救援のために十二宮へ駆けつけようとする展開。
第一話からしてそうでしたが、アニメ版の魔鈴さんは基本的に心配性で過保護な一面があります。
星矢たち、というか星矢を積極的に、かつ直接的に助けようと動きます。
(でも結局いろいろ邪魔が入って、間に合わないことも多い)
原作での魔鈴さんは、星矢を冷たく突き放しつつも影で見守りながら密かにサポートすることで星矢が自力で成長していくことを促していく師匠としてのカラーが前面に出ていました。
ところが、アニメ版の魔鈴さんは星矢を常に心配し、カシオスの不意打ちに星矢をかばって物言いをつけ、星矢が危ない!と知ったらすぐに行動に出ようとします。
いざとなったらシャイナさんのように星矢の前に飛び出して身を挺して守ろうとするでしょう。
(そこに行くまで間に合わないのが常なのですが)
これは恐らく、アニメ版の魔鈴さんは姉としてのカラーを前面に出しているためではないかと思われます。
結局、原作では星矢と魔鈴さんは姉弟ではなかったことが後に判明しますが、それは原作打ち切り終了間際のことででした。
つまりアニメ絶賛放映中の頃にはまだ判明していない事実なので、魔鈴さんを星矢の姉としてアニメ版では前面に出すのは仕方がないとは思いますが。
まぁ、それでも冷静に考えれば時系列的に魔鈴さんが星矢の姉だなんて、ありえないわけなのですけどね。
話を戻して、十二宮に駆けつけようとする魔鈴さんの前に立ちはだかるオリジナルキャラのジャキ。
雑兵と思われるこのジャキ相手に、魔鈴さんは為す術がありません。
アニメ版の魔鈴さんは心配性で過保護な上に、正直言って弱い。
シャイナさん相手にもだいたい遅れをとるし、このジャキに至っては聖衣もつけてない雑兵相手にダメージすら与えられません。
(魔鈴さんは鷲座の白銀聖衣を身につけています)
実力はあるが、素行が悪いので聖闘士になれなかった…という説明はあるにせよ、聖衣をまとった白銀聖闘士である魔鈴さんの攻撃を生身で受けてビクともしないなんて、どんな肉体?
華山鋼鎧呼法でも使ってます?
直前の話で黄金聖衣に見放され、生身になった黄金聖闘士のデスマスクさんの場合だと、青銅聖衣をまとっている紫龍に立ち向かえなくなったので、フェアに戦うために紫龍も聖衣を脱いだばっかりじやないですか。
黄金聖闘士でさえ生身だとそうなっちゃうのに、このジャキって一体…
まぁ、基本紫龍は脱ぎキャラですし、青銅聖闘士の面々は生身で戦って聖衣をまとっている黄金聖闘士にだって勝ってしまうのですが、車田御大の考えることを冷静に考えても(ry
そんな聖衣事情なのでそこは置いておくとしても、見過ごせないのは魔鈴さんの弱さですよ。
アステリオンとのタイマン勝負を見てわかるように、魔鈴さんって結構な強キャラなはずなのですが、アニメでは魔鈴さんはやられる場面の方が多いように思います。
何より星矢の師匠なんだから、弱いはずはないのですけどね。
後のアスガルド編でも同じような展開がありましまねえ。
正直言ってホントに必要のあった話なのか、尺稼ぎとしか思えないオリジナルエピソードだったのですけども。
これはまだマシな方。
ちなみに原作ではこの後の話でボロボロの状態の魔鈴さんが出てくるので、車田先生が珍しくアニメをフォローしたように当時は思いました。
(まあそこには別の事情があったので、おそらくはたまたまなのでしょうが)
そして、その獅子宮から処女宮へと続く合間に新たなオリジナルエピソードが2話に渡って展開されたのですが…
これがもう、なんと言いますか、とにかくひどい。
カノン島で体を癒やしていた一輝のもとへ、シャカが自分の弟子を刺客として送り込むというお話で。
これまで語ってきたドクラテスとかガイストとかクリスタルセイント、王虎や、ジャキなどの他のアニメオリジナルのキャラやエピソードはちゃんと見ていなかったにもかかわらず、なんとなく覚えていたんですけども。
今回のこのカノン島のエピソードと、シャカの弟子2人は全っ然覚えてませんでした。
多分リアルタイム放映当時、なんらかの理由で流し見さえしていなかったんでしょうね。
なので、初見に近いわけだったのですが…
このオリジナルエピソード2話がですね、クッソ面白くないんですよ。
(もしこの2話が好きで好きで仕方ない人がいるのなら、それはすいません。あくまで個人的な感想です)
今回、アニメ版の「聖闘士星矢」をしっかりと見てみてですね、これまでのアニメ版オリジナルストーリーをツッコミどころが多いにしてもですよ。
それなりに楽しさも見出しながら見ることが出来てきた僕でしたが、この2話は視聴するのが本当に苦痛と言っていいほど、面白くなかったのです。

遠隔攻撃でシャカが一輝の動きを封じているという理由があるにはあるのですが、一輝はただただやられっぱなし。
あのフェニックス一輝兄さんが、ただただやられまくって苦悶シーンばかりが続くのですよ。
そして対するオリキャラ2人は、原作なら絶対に一輝に瞬殺されそうなキャラクターです。
シヴァはともかくアゴラなんて北斗の拳に出てきそうなキャラデザインだし、2話に渡って同じシーンの使い回しが多いし。
と、オリジナルの2人もなんだか面白みのない2人なのですが、当のフェニックス一輝兄さんもこの2話では本当にひどい。
全然気持ちに余裕がなく焦るばかりのヘタレキャラに劣化しているので、この男はフェニックス一輝ではないと思わせる行動や言動ばかり。
繰り返しますが本当にひどい。
何よりこの2話のね、作画レベルがひどすぎるんですよ。
かつてセガサターン版の「北斗の拳」のグラフィックについて、ファミ通のクロスレビュアーが「パートのおばちゃんが塗ったような」と評してましたが、まさにそんなレベルです。
同じく2話に渡って放映され、物語も作画レベルも神がかっていたアニメオリジナルの王虎の回と比べるともう雲泥の差。
スタッフのやる気さえ感じられない回でした。
ドクラテスやガイストなどの時は、色々ツッコんだり呆れたりしながらも、それなりに笑いながら楽しんで見ることが出来たのですけども。
今回のカノン島の回はしょうもなすぎて、ツッコむ気持ちさえ起きず、笑えもしないアニメ星矢最低の回だと言えるかもしれません。
命の水探しとタランチュラのアラクネの回や瞬と兄弟弟子2人のバトルの回など、他にも語る必要のない程しょうもない回はありましたが、今回の話に比べたら幾分かマシでしたわ
何故こんな、しょうもない回が必要だったのか。
それはやはり原作に追いついてしまわないための尺伸ばしの目的もあったのでしょうが、もう一つの理由は一輝とシャカの因縁作りのためではないかと。
アニメにおいては一輝とシャカはデスクイーン島で出会ってないので、処女宮での戦闘時に一輝がシャカに対しての潜在的な恐怖を感じさせる必要があったのでしょう。
と、いうわけで、
カノン島にシヴァとアゴラを派遣→
バトル中にシャカが遠く離れた聖域からカノン島へ小宇宙を放って一輝の動きを封じ、一輝大苦戦→
処女宮でシャカと遭遇した一輝は、カノン島で自分の動きを封じていたのがシャカと知る。→
遠く離れた聖域からオレの動きを封じていたなんて、なんと恐ろしい男なのだ!
てな具合で一輝にシャカの恐怖を感じさせたのだ、という展開になっているわけなのですよ。
いや、でもね。
弟子2人を助けるために一輝の動きを封じるシャカって、なんかセコくないですか?
この余計なエピソードのためにシャカが若干小物に成り下がったように思うんですよ。
原作ではデスクイーン島でシャカに出会った記憶を一輝は忘れてしまっていました。
(シャカに記憶を消されてたとも)
なので、アニメでも実はどこかでシャカと出会っていた時があって、手も足も出なかった記憶を封じられていた設定にすればよかったと思うんですけどね〜。
ホント、しょうもない回でした。
もう一度見ることがあっても、この2話は飛ばします。
今後「聖闘士星矢」のアニメ版の見てみようかな、と考えてある人には、
「第54話 一輝!翼をもがれた不死鳥」と、
「第55話 友情のきずな!アテナの叫び」
は、見ないことをオススメします。
ただ、このアニメオリジナルの2話は見る価値ないほど酷い回でしたが、その前後の回はそれはそれは良かったのですよ。
まず獅子宮におけるカシオスのエピソード。
カシオスが紫龍と瞬をまとめて倒してしまうシーンは、なんやそれ!とツッコミどころが炸裂していましたが、
紫龍が優遇されてると書きましたが、そんなことはなかったッ!
しかしその後のカシオスの死のシーンは、不覚にも涙が出てしまいましたよ。
カシオス〜、お前ってやつは…。
原作では星矢が涙した程度であっさり流してしまった感じだったので、読んでてもそこまで涙するほど感動もしなかったのですが…
アニメではやられてしまいました。
カシオスのシャイナさんへの想いがより深く描かれていて、カシオスへ呼びかける星矢の声も気持ちがこもっていて。
この辺はアニメ化によって気持ちがより入り込めるようになっていた感じです。
カシオスもすげえカッコよく描かれてたんですよ。
戦いを諦めて、マーマの元へ行くことを選んでしまった彼とは大違いです。
そしてシャカと戦った一輝兄さんの最後についてもですね。
(カシオスと違って、兄さんは結局死んではないのですが)
一輝兄さんがシャカとともに消滅して、瞬たちと別れるシーン。
原作ではカシオスの時以上に、非常にあっさりと流されていましたが(瞬の立ち直りも非常に早い)
アニメではシャカとともに消滅した一輝を見届けたあとの瞬たちの心情がしっかりと描かれています。
肩を落とし、涙する瞬。
辛さを乗り越え、自分たちだけでも先に歩もうとする星矢と紫龍。
静寂の中、一輝の最後の言葉がリフレインし、瞬が顔を上げるとそこには主を失った乙女座の黄金聖衣。
そこへ天井から差し込む光。
もう一度、一輝の最期の言葉をかみしめ、立ち上がる瞬。
「大丈夫か?」「無理をするな」と気づかう星矢たちに対して、
「僕は、フェニックス一輝の弟だからね!」
と力強く宣言して前へ走りはじめる瞬。
これは、原作にはなかったアニメオリジナルのシーンですが、ここは本当に良かった。
素晴らしいぞアニメ演出!
原作ではあっさりと流された、瞬たちが一輝の死を乗り越えて前へ進む心情の推移がしっかり描かれてましたから。
獅子宮の話と、処女宮の話については、アニメ版が原作を超えているといっても過言ではありません。
それだけに、その間に挟まれたオリジナル2話のしょうもなさが、とても悲しくさせてくれますが。
その後はとうとうやってきました婦女子皆さん大喜びな、天秤宮での氷河救出シーン。
皆さん当時は悶絶されて、別の意味で涙を流されたことでしょう。
そして天蠍宮では、ものすごい因縁のめぐりあいがありまして。
星矢と紫龍が蠍座のミロと相対し、やりあっているシーンではどうにも
アムロとブライト艦長がシャアとやりあっている
ようにもみえる錯覚を起こしてしまうんですねえ。
シャアがアムロとブライト艦長を追い詰めたところで氷河が登場!なわけですが。
氷河の声優さん、ガンダムに出てないのかあ。
惜しいなあ。
今回は、アニメ版聖闘士星矢と一度しっかり向き合ってみようシリーズ第5回でした。
さすがにここまで来たらオリジナルエピソードは挟まないだろうと思いきや…
強烈なのがまだあるんですよ!
今回酷評したカノン島の回に匹敵する、しょうもないオリジナルエピソードが。
例えば王虎の回のような神回や、幽霊聖闘士の回のようにツッコミどころ満載だけど何故か笑って見られるようなアニメオリジナルの話も多くてですね。
テレビ放送当時はあれだけ忌み嫌っていたアニメオリジナルの展開に対して、ずいぶんと免疫がついてきたようです。
それでもね!今回のカノン島の回のような見る価値もないしょうもない回は本当に勘弁してほしいところなのですが、これで終わりかと思っていたところにまだあるんですよこれが。
かなり強烈な奴が!
王虎の回を見習え!王虎を!
今回はこの辺で。
次回、十二宮編ラストとなる第6回で会いましょう。
君は小宇宙(コスモ)を感じたことはあるか⁉︎
コメント