どーも、たけGです。
マンガ「うしおととら」は僕にとってバイブルのようなマンガで、20代の頃ジャンプ派だった僕がサンデー派に一瞬傾きかけたほどのマンガでもあります。
当然、単行本も全巻集めいてたのですが、諸事情あって(まあ、失職して金欠に陥ったというのがその諸事情なのですが)、「聖闘士星矢」や「キン肉マン」などとともに手放してしまったのです。
「キン肉マン」はその後コミック文庫版で集めなおしたのですが、「うしおととら」もいずれ、完全版で集めなおそうとは思っています。
デジタル版でもいいかなあ。
そんな「うしおととら」のテレビアニメ版が放送されたのは数年前。
実に原作終了から20年近く経ってからのテレビアニメ化ということで(連載中の時期にビデオアニメ版はありましたが)、懐かしさもあり、大好きだった「うしとら」を見たいってのもあって放映が始まったら絶対に見ようと思っていたのですが…
放映時間と仕事との兼ね合い、録画のし忘れ等が重なり、いきなり1話から見逃してしまい、2話も忘れて…
見ようと思っても見れないのでそのうち、たけGは考えることをやめた。
思わずイッキ見してしまいましたよ。
世間の評価ではカットされすぎとか、展開早すぎとかで賛否のうち、否定的意見の方が多かったような評価ですが、とりあえずそういった否定的意見やレビューを見ないで気にせず視聴していくことをしました。
まずはやっぱりアニメならではの動きと音が迫力と臨場感を何倍にもアップしてくれますね!
戦闘シーンは特に熱くなります。
声優さんたちもキャラに合っていて、違和感ない人たちばかりで安心。
かつてのOVA版を見てはいるはずなのですが、声を誰が演じてどんなだったかはもう思い出せないので、前の方が良かった!なんてこともありませんでした。
ですが、カットされ具合は噂に違わぬものでしたねー。
テレビ放映時から語られつかされているとは思いますが、数年遅れての視聴のうえでの感想なので、そこはご容赦を。
スタートからしばらく、「ヤツは空にいる」のエピソードまでは原作通りの順番で進んでいったのですが、その直後の凶羅が出てくる「法力外道」の話がありませんでした。
「時限鉄道」もなかったもんだから、凶羅というキャラ自体がテレビアニメ版には出てこなかった形です。
「風狂い」から「遠野妖怪戦道行」までは、またまた原作通りに進行したのですが、その後の「おまえは其処で乾いてゆけ」から「霧がくる」までばっさりカット。
「霧がくる」がないもんだから、最後のバトルで白面の尾の1本がシュムナになっても、原作知らなきゃ、何これ状態じゃなかったですか?
あと、徳野さんは出てこないので、当然霊になって白面へ拳銃を撃つこともなし。
個人的には「汝、歪んだ夜より来たる」をアニメで見てみたかった。
「婢妖追跡〜伝承者」から「時逆の妖」までの一連の流れは、端折りながらもほぼそのままでした。
「HIGH SPEED EATER」の話がないのに、麻子は潮の前でとらをとらくんと呼ぶなど、妖怪の存在をいつの間にやら完全に受け入れてる状態。
まあ麻子は「変貌」のエピソードで、潮が獣の槍をもって妖怪と戦い続ける日々を送っていることを知ったわけですが、正気を失っていた潮はそのことを知らず、「HIGH SPEED EATER」の回でようやっと麻子に事実を伝えることが出来たわけですよ。
その後の「愚か者は宴に集う」の回はあったのですが、「ブランコをこいだ日」と「外堂の印」はカット。
水乃緒さんをアニメで見たかったとも思いますが(とらとはぐれ外堂の戦いも良かったなぁ)、なによりも「ブランコをこいだ日」はカットしてほしくなかった。
アニメになってたら「風狂い」に匹敵する泣き回になっていたと思うんですけど。
それに、さとりが出てないもんだから、最終局面でうしおを助けに現れる場面で徳野さんともども出番なかったし。
まぁ、鏢と流のツーショットは意外にカッコよくもありましたけど。
そして、「西の国・妖大戦」がまさかの丸々カット。
ここ、かなりの重要な回じゃないですか?
これがカットされているもんだから、西の長である神野のキャラクターが非常に薄くなってしまって。
鎌鼬同士のバトルはカットしてでも、このエピソードはカットしちゃいかんかったと思うのですが。
神野もそうですが、何より潮が母ちゃんや現在の白面と向き合う重要なエピソードであったと思うんですけどねぇ。
あと余計なツッコミになるんですが、神野がアニメにおいて潮には直接会ってないのなら婢妖に記憶食われるようなことにはならないのでは?
原作における記者の守矢のように。
そのようにカットされたエピソードが多いもんだから、徳野さんやさとりに限らず、最後の戦いに駆けつけない面々もいて。
先に書いたように水乃緒と、お外堂さんも出ないもんだから、麻子を助けに駆けつけるのはバルちゃんだけ。
雪女もキジムンも出番なし。
サンピタラカムイも出てないもんだから、最後の戦いでの彼の役割が東の長に変わっちゃってるし。
まあそれぐらいは別にいいかなって程度の改変ですけどね。
それと、アニメ化されたエピソードに関しても駆け足展開が半端なくって。
基本的に1エピソードにつき、5〜6話、長いもので10話近くになる原作の話を30分前後の1話分にまとめちゃってるもんだから、巻くわ巻くわ、非常に駆け足なエピソードばかり。
アニメ版の「聖闘士星矢」や、「るろうに剣心」もびっくりの駆け足展開です。
キリオたちによる獣の槍破壊のエピソード、「檄召」においては杜綱兄妹と潮の修行がないんだもの。
「石喰い」の話での、麻子や真由子の裸を見て、うしおが瞬間、見入ってしまうとこは残してほしかったなあ。
他にも心なしか潮たちキャラのしゃべりも早口に聞こえてしまいましたよ。
まぁこの辺はテレビ放映当時に語られ尽くされているとは思いますが、企画時から全話数が決まっている限られた放送回数の中でのエピソードの取捨選択であり、各話の駆け足展開なのだと思います。
そんなアニメ化による恩恵に目を向けると、やっぱりアクションシーンの迫力ある映像であり、泣きのシーンがより心に響くことですかね。
何より評価すべきは、連載終了から20年以上過ぎた今の時代に、最新のアニメーション技術で「うしおととら」という作品を紹介してくれたことでしょうか。
カットされすぎ、端折りすぎな面はあるにせよ、今の時代に「うしおととら」という長編大作に入りやすい入り口としての役割、音楽で言うならベストアルバム的な作品的な位置付けであるとするなら、このアニメ版は成功していると言ってもいいと思います。
それでも、原作のファン、もしくは読んだことある人で不評を気にしてテレビアニメ版を見ていない人。
言いたくなることは山ほどありますけど、いいアニメですよ。
迫力ある映像と音で楽しめるダイジェスト版アニメと思って見れば全然アリです。
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アニメは見たけど原作は読んでない人でアニメ版の「うしおととら」を少しでも面白いと思った人。
是非原作を読んでください。
「うしおととら」はアニメ版の物語が全てではないです。
原作はアニメ以上に深く、壮大で、そしてとっても熱いマンガです。
機会があれば是非、読んでほしい作品です。
アニメは見たけど原作は読んでなくて、アニメの方もそこまで面白くなかったと思った人。
原作好きからすると、アニメ版については言いたいことがいっぱいありましたが、原作の雰囲気は再現しており、「うしおととら」の入り口としては合格点の出来だとも思います。
なので、アニメ版が合わなかったのなら、原作も恐らく合わないかなあ。
人にはやっぱりそれぞれ合う合わないや、好き嫌いがあると思いますので。
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