どーも、たけGです。
Amazonプライムでゴジラシリーズを改めて一気見していると、以前見た時より評価が上がったり(「怪獣大戦争」とか)、全然変わんなかったり(「怪獣総進撃」とか)したもんなのですが、大きく個人的評価か上がったのが、今回の映画、「ゴジラ・ガバラ・ミニラ オール怪獣大進撃」だったりします。
多分、この映画は今までに1回くらいしか見てません。
何より「オール怪獣大進撃」というタイトルには偽りあり!
ゴジラ、ミニラ、ガバラ以外の怪獣たちの映像はほぼ過去作からの使い回し。
ゴジラとエビラがやり合うのも「南海の大決闘」からの使い回し。
何が大進撃やねん!とツッコまざるを得ない内容で、タイトル詐欺と言われてもそれはしょうがない。
そんなやっつけ仕事の子供騙しの映画だけど、「ゴジラの息子」から続くゴジラ映画のファミリー向け路線で作られたんだからしょうがないよね、といった具合が当時見た印象でした。
なので悪く言うつもりはないけど、もはや見ることもないかなと思っていたところ、今回、Amazonプライムビデオで改めて見る機会が出来たので、しっかりと見てみたのですが、かつて見た時には見えていなかったものが見えてきたんですよ。
舞台設定や背景をよくよく読みとっていくと、この映画の舞台となる世界は前作までの世界観とは異なっており、怪獣などは存在しない現実の世界だということが読み取れてきます。
おそらく映画公開当時の社会問題であった、両親が共働きするようになって生まれた鍵っ子たち。
主人公の少年、一郎もその鍵っ子の1人。
学校では、ガキ大将のガバラに逆らえず逃げてばかり。
そんな一郎君が現実逃避で夢の中に見る世界にゴジラやミニラが住む怪獣島があり、そこで彼が見るアンギラスやクモンガ、カマキラスといった怪獣たちや、ゴジラとエビラの戦いが、過去作品からの流用なのは、恐らくは一郎少年が、彼が存在する世界で見た映画、「南海の大決闘」であり「ゴジラの息子」であり、そういった映画のシーンの中に自分が入り込んでいる夢を見ているのでしょう。
元々は低予算であるが故の使い回しなのでしょうが、それを逆手にとった演出ともとれます。
僕も子供の頃はどちらかと言えば一郎君と同じ、いじめられる側の方でガキ大将を中心としたイケてるグループには所属出来ず、絵を描いたり本を読んだりといった1人遊びをしているような子供でした。
イケてるグループの仲間に入れてもらえず、1人家に帰っては妄想の世界で1人遊ぶ。
「リングにかけろ」や「キャプテン翼」といったマンガの中や、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」といったアニメの中、そして「ウルトラマン」や「仮面ライダー」といった特撮番組の中に自分が入り込んでいる妄想で遊ぶような子供でした。
なので、夢や想像の中でミニラと語り合う一郎くんの気持ちはなんだかわかるんですよねぇ。
そう、夢の中で出会うミニラは一郎くんと話が出来るんです。
かつて見たときは、ミニラがしゃべるってだけで、あぁ、この映画ダメだなと思ったもんですが、改めて見るとこの映画のミニラは、友達の少ない一郎くんが夢の中で作り上げた親友であり、そして一郎くん自身でもあるんです。
夢の中で一郎くんが思い描いたキャラクターだからしゃべっても全然おかしくない。
映画はちゃんと見ないといけないなぁって思いましたね。
夢の中のミニラは、ゴジラの後押しこそあったものの恐怖を乗り越え、勇気を持ってガバラに立ち向かいます。
ミニラの成長は一郎くんの成長そのもの。
夢から覚めた一郎くんは、自分をさらった誘拐犯に立ち向かい、その後、いじめっ子のガバラにも立ち向かってケンカに勝ちます。
きっと、夢の中でミニラと語り合うことももうないんでしょう。
そんな、ゴジラの世界を夢見る少年の成長を描いた映画でした。
ゴジラ版「ネバーエンディングストーリー」といった趣きの映画でしたね。
いや、こっちの方が先なんですけど。
ただ、惜しむらくは結局最後はゴジラがガバラを倒してしまったこと。
ゴジラ映画なんだから、最後はゴジラで締めないと、というのもあるのでしょうが、はたから見れば、子供のケンカに父親がしゃしゃり出て、父親が息子をいじめるガキ大将をやっつけてしまう構図。
むしろ、強面の父親に向かっていくガバラの勇気を褒め称えたくなります。
ここはゴジラは最後まで星飛雄馬の姉ちゃんのように見守りに徹して、ミニラがガバラを倒して終了、の方が良かったと思うんですよねぇ。
ミニラ=一郎少年の成長物語なんですから。
コメント
こんばんは。
「オール怪獣大進撃」はゴジラ映画でも初心者向けですね。巷では酷評の多い本作ですが、それまで怪獣大百科でしか見た事の無かった怪獣達をまとめて見る事ができたのはこの作品が最初でした(カマキラスとクモンガの動きには目を見張りました)。
内容も気弱な少年が夢の中のミニラに触発されて成長していくという微笑ましいものですが、最後の悪戯はちょっとやり過ぎでは・・・・・・(汗)。
怪しげな役どころの多い天本英世さんが本作では意外な役どころを見せてくれて、こちらも微笑ましいのですが、最大の謎は、果たしてあの人には「若い時代」というものがあったのでしょうか・・・・・・?(何て失礼な事を!!汗)
何にしても、怪獣達(ゴジラも含めて)が豪快というか、ありえない不自然なすっ飛び方をするようになったのは、この映画が最初ですね(笑)。
実際のところ、ガバラが狙っているのはゴジラなんですけど、どうしても実力的に手が出ないので子供のミニラを虐めているのだとか。だから私は宿敵同士が最終的に決着をつけたと見ております。
http://plaza.rakuten.co.jp/achachan
>>A-chanさん。
こんばんは。
この「オール怪獣第進撃」は本で見ていただけの頃は気になっていたのに、子供の頃、実際に見たら、あんまり面白くないなぁって思った記憶があります。
だって、アンギラスが出るって大大的に謳っていてポスターにも名前を連ねているから、どんな大進撃するんだろうって思っていたら、出たのはほんの一瞬…
詐欺だーーっ!
とか言う前にただの怪獣映画として見ると、ミニラもガバラもあんまり好きじゃなかったってのがあるんですけどね。
ところが大人になってしっかり見たら、他のゴジラシリーズに連なる物語ではなく、一郎くんが夢見る空想世界の怪獣たちの物語と、怪獣など存在していない現実世界がリンクしている映画だと理解でき、なるほど、よく考えている映画だなぁと思ったもんです。
でも確かに一郎くんの最後のイタズラはちょっと、いやかなりやり過ぎ。
足を引きずって逃げるガバラに対して「びっ◯のガバラー!」と、今の時代なら苦情間違いなしの発言で口撃するなど、精神的な成長はもうちょっとという感じですね。
あのあと家に帰ったらお父さんにさぞ絞られたことでしょう(笑)