どーも、たけGです。
今回のお題、「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」
僕の記憶が正しければ、子供の頃に初めてテレビで見たゴジラ映画が、「ゴジラ対ガイガン」でした。
炎上するコンビナートを舞台に敵怪獣と戦うゴジラ、そしてアンギラスの姿を見ていた記憶。
あれ?ひょっとしたら「ゴジラ対メカゴジラ」の方かもしれない。
いや、ゴジラとアンギラスが海を渡ってやってくるのを覚えているから、やっぱり「対ガイガン」の方かと。
子供の頃はテレビでよくゴジラ映画をやってまして、父親のとっている新聞でテレビ欄を欠かさずチェックしてたもんです。
初期の4作よりも「三大怪獣 地球最大の決戦」以降の作品をよく放映していたように覚えているなあ。
ちなみに「ゴジラ対ヘドラ」に関しては子供の頃にテレビで見た記憶はないのはなぜでしょうか。
まぁ少なくとも、そんなテレビや子供向けのムック本のおかげか、子供の頃の僕はゴジラは地球の味方であるイメージが強かったと思います。
そんな思い出がある「ゴジラ対ガイガン」ですが、改めて見ても完全に子供向けに作られている作品です。
前作までは大人でも見られるような配慮も有った感じですが(やはり子供向けと思っていた「ゴジラの息子」「オール怪獣大進撃」でも改めて見れば完全な子供向け、というより親子で楽しめるファミリー向けといった趣の映画でした)、今作、及び次作の「ゴジラ対メガロ」は完全に子供向けに振り切った感があります。
宇宙人による地球侵略、それを察知して撃退に出てくるゴジラとアンギラス。
吹き出しつきでおしゃべりするゴジラとアンギラスを見ると、もはやそれが当たり前の世界なんだなと納得すら出来ます。
そんな世界のゴジラたちは地球にとっては紛れも無いヒーローなわけで。
防衛隊からも「ゴジラは我々の切り札」と言われてるし、敵の宇宙人であるM宇宙ハンター星雲人からも「ゴジラさえ倒せば地球は我々のもの」とまで言われてまして、もはやウルトラマン的な存在。
悪い宇宙人の企みを食い止めるのが、主人公である一般人の面々というのもなんだかなぁですが、軍や警察を差し置いて民間人が活躍するのはハリウッドでもよくある手法かな?
そしてこの映画、子供向けであるとともにもう一つの事実も非常によく見えてきます。
それは、予算の無さ、低予算映画であるということ。
過去映像の使い回しが非常に多いんですよね。
特にゴジラとキングギドラ絡みでは「地球最大の決戦」や「怪獣大戦争」からの映像の流用が非常に多く目立ちます。
とてもチグハグで不自然な展開。
子供向けに作っているんだから、子供は気にしないだろうぐらいの判断なのかもしれません。
実際に子供の頃にテレビで見た時には気にしてなかったと思います。
ですが、大人になって改めて見るとやっぱり気になっちゃうなぁ。
それと、過去映像の使い回しではよりにもよって、「怪獣総進撃」のキングギドラへの首の踏みつけ攻撃のシーンが使い回されているんです。
こんなシーンは2度と見たくなかったなぁ。
この他にも今作におけるキングギドラはあまりいいとこなし。
かつてはゴジラ、ラドン、モスラの3匹に対してただ1匹で大立回りした面影はなく、ゴジラ、アンギラスにやられてバイバイキン逃走。
「三大怪獣〜」からのギドラは「怪獣総進撃」にて絶命しており、今作のギドラは2代目であるとの説もあります。
そうでも思わないと、ちょっといいところ無さすぎる今回のギドラさんでした。
そんなネガティブな要素の多い今作において1人(1匹?)気をはいているのが、新怪獣のガイガン。
ガイガンのデザイン、造形は非常に完成度が高く、素直にカッコいいと言えるデザイン。
両手の鎌に腹部のカッターと、戦闘に特化したデザインは子供の頃に見てそのカッコ良さに痺れたものであり、ゴジラごっこではガイガンをやりたがる子が多かったように思います。
ゴジラとのバトルではゴジラを流血に追い込む残虐殺法を見せてくれます。
流血するゴジラはアントニオ猪木かテリー・ファンクあたりで。
あ、いやどうだろ?この映画の頃はまだブッチャーもシンも出てきてない頃かな?
でも、その頃でも凶器攻撃を得意とした悪役とレスラーはいたはずで、その辺をイメージしたんじゃないかなとは思うんですけどね。
キングギドラと同士討ちしてしまうのも実に悪役レスラーコンビっぽいところです。
そんな魅力ある悪役デザインのガイガンですが、その奇抜なデザインと、サイボーグ怪獣という設定からか平成以降のシリーズでの再登場はなかなか叶わず、なんでもアリのごった煮で製作された「ファイナルウォーズ」まで待たなければなりませんでした。
「ファイナルウォーズ」のガイガンもシャープになってまたカッコよくなっているのですが、個人的には今作、及び次作の昭和ガイガンの方が好きです。
カッコいいのに戦いとなるとどこか抜けてるのは、昭和も平成も共通ですけどね。
やはり改めて見ても子供向けという印象が強いですが、割り切って見ればそれなりに面白い作品です。
Mハンター星雲人の正体が知性を持つまでに進化したゴキブリだったっていうのは、今にして思えばテラフォーマーズの先取りとも言えるのではないでしょうか。
ただ、その正体があらわになった時のアレ、本物のゴキブリを使ってますよね?
映画館の大スクリーンで見てしまった当時の子供たちはトラウマになるようなことがなかったか気になるところです。
コメント
初めまして。ゴジラ関連の検索でやって参りました。
ゴジラシリーズほぼ全作観ました。怪獣擬人化は賛否両論ですが、やはり昭和のゴジラシリーズが人間味があって良いですね。誰が何と言っても(笑)。
「対ガイガン」は従来のゴジラ映画と違い、登場人物は「戦争を知らない」新世代といった感じ。それまでだと文明の発展は「希望」みたいな描かれ方だったのに対して、ここでは「危惧」に変わってきているのが世紀末的。
「怪獣総進撃」が未来の話とすると「対ヘドラ」~「逆襲」までは「ゴジラの息子」から続く話という事になりますね。この頃の怪獣島はコントロールされる以前という事で、怪獣達も自由に外へ出られるみたい。怪獣島に住む怪獣達は皆好きですが、中でも私のお気に入りは可愛い健気なアンギラスです。
「対ガイガン」の頃のアンギラスは、まだ人間と触れ合った事が無いようですね。人間に対して警戒心が無いから偵察の時に人間の領域に踏み込んで攻撃されてしまったと見ています。それでも反撃する事も無く退散していったのは、人間が悪意では無く怯えから攻撃しているのだと分かっているのですね。彼は弱い者いじめをしない優しい怪獣なのです。偵察も人間世界に異常は無いかを見に行っただけなので、今のところ異常無しという事で、ちゃんと役目を果たしてますよ。
優しいだけに彼の受けるダメージは痛々しいのですが、それでも一生懸命に敵に立ち向かう姿は感動的。彼は優しいからこそどんな困難にも耐えられる、ゴジラとは違う強さを持っています。
この戦いで自分とゴジラの危機を救ってくれたのは日本の人達だと分かったのか、それ以後はゴジラと共に日本の危機を救いに来てくれますね。これからも、その優しさを忘れないで欲しいです。
http://plaza.rakuten.co.jp/achachan
>>A-chanさん
とても素敵な着眼点でのコメント、ありがとうございます!
昭和のゴジラシリーズって、どこか首を傾げたり、失笑してしまうような演出や描写もあったりするのですが、なんだか憎めない暖かさもあるんですよね。
この頃のアンギラスは確かに、優しいであったり、健気であったりとのイメージがあります。
ゴジラから「急げ!急げよ!」と言われても、嫌な顔ひとつせずに「OK!」とだけ答えて一生懸命追いかけるその健気さには、ついつい応援したくなるんです。
その性格からか、「ゴジラ対メカゴジラ」ではゴジラの皮を被ったメカゴジラが偽物だと早々に見抜いて戦いを挑み、返り討ちにあってしまうのは痛々しかったですね。
A-chanさんのブログも時々拝見させていただきますね。