
どーも、たけGです。
平成vsシリーズ最高の観客動員数を記録した「ゴジラvs.モスラ」
平成に公開されたシリーズの中でも「シン・ゴジラ」に次ぐ2番手の記録だそうです。
かつて行われたゴジラ総選挙でも確か上位につけたはずの人気作品のようですが、個人的にはちょっと微妙。
まず序盤のなんちゃってインディ・ジョーンズな展開から萎えました。
別所哲也さん演じる主人公がトレジャーハンターのお宝ゲットのシーンがとてもB級臭が漂っているというか。
ドリフターズか、とんねるずのコントシーンでも違和感ないレベルなんですよねぇ。
前作のアンドロイドM11とかもそうですが、ちゃんとしたものを見せられないのなら、ハリウッド映画のオマージュのようなものを取り入れない方がいいと思うのです。
そしてその主人公自身が、とても感情移入出来ない性格の持ち主でありまして。
昭和モスラにおける小美人にあたるコスモスの2人を、金儲けにしようと企む連中からトレジャーハンターのスキルを活かして奪還するまではいいのですが、今度は自分が奪還したコスモスを売って金儲けしようとする始末。
言わば日本にモスラを呼び寄せるきっかけを作った1人なわけで。
モスラを攻撃する自衛隊に対して「やめろー!」と叫んでも、お前が言うかというか、説得力ゼロ。
幼い娘に「パパにはもう悪いことにしないように、よく言って聞かせるから」と言われるような父親にどう感情移入しろというのか。
・モスラが東京に上陸するパニックの中、トレジャーハンターという素質を活かして丸友観光から見事コスモスを奪還。
(この最中に村田雄浩さん演じる安東とやりあっておけば、安東の突然の改心にも説得力があったはず)
・しかしコスモスを奪還したことで娘に自信がトレジャーハンターであることがバレてしまうが、「これが最後だ」と約束する。
みたいな展開でスッキリさせた方がよかったと思うんですけどね、なんであんな父親像にしてしまったのか。
今作が前作より更にファミリー向けに舵を切り、家族の再生や絆を主軸として描いているのはわかるんですけとね、子供目線から今作の父親像はどう映ったのでしょうか?
今作、「ゴジラvs.モスラ」は随所にかつての「モスラ」や、「モスラ対ゴジラ」を意識したようなシーンが見てとれます。
オープニングの台風のシーンからしてそうだし、モスラの卵やコスモス(小美人)を金儲けのタネにしようともくろむ企業や、捕らわれの小美人を助けに来るモスラの幼虫、ラストバトルのモスラとバトラが手を組んでゴジラと戦うシチュエーションも、かつての「モスラ対ゴジラ」で2匹の幼虫がゴジラ相手に戦ったことを思い出します。
これはまさに「モスラ対ゴジラ」のセルフリメイクとも呼べるものかもしれません。
では、昭和の傑作、「モスラ対ゴジラ」の再現となったのか?
個人的には残念ながら「モスラ対ゴジラ」には遠く及ばない作品であったなと思います。
今回改めて見直してもその評価は変わりませんでした。
「モスラ対ゴジラ」を見ていた時のワクワク感がないんですよね。
また、前作「vs.キングギドラ」や、その前の「vs.ビオランテ」でとてもよかったテンポの良さが感じられない。
ちょっと要所要所に中だるみ感があるんですよ。
父親のせいで人間ドラマに面白みが欠けるってのもあると思いますが。
主人公周り以外のキャラクターにしたってそう。
悪役側の丸友観光の社長がちょっと悪どさに欠けるというか、インパクトがない。
オマージュ元の「モスラ対ゴジラ」におけるハッピー興行の熊山や、黒幕の虎畑に比べると弱いと言わざるを得ないんですよねぇ。
せっかく大竹まことさんという、いい役者さんを起用しているんだから、虎畑のような悪役感に加え、「キングコング対ゴジラ」の多胡部長のようなコメディリリーフ的な役回りも付け加えることで、本作独自のオリジナリティ溢れる悪役を作れたとおもったので、とてももったいない。
最後にモスラに破壊される東京を見て、「壊せ!もっと壊せ!この街は俺が作り直す!」と啖呵を切るとこは良かったですけどね。
こういった自己の行為を省みない悪役感をもっと出せていればよかったと思います。
腹心の安東以外の主要キャラとの絡みがなかったのも一因かな。
今作で平成の世に10年以上ぶりに復活したモスラ。
このモスラは昭和モスラに比べて非常に小綺麗になっているのですが、それだけにとてもヌイグルミ感溢れてます。
ふさふさ感が強すぎるんですよね。
旧作における蛾をモチーフとした大怪獣の、綺麗なんだけどどこか近寄りがたい虫のイメージが、とても綺麗で可愛らしく思わずなでなでしたくなるイメージになってとても違和感を、平成モスラが最初に披露された時から感じていました。
劇場で見てもやっぱりヌイグルミ感が拭えなくて。
操演による動きにしても、基本優雅にゆっくりと羽ばたき、動き回るのですが、昭和モスラに見られた躍動感があまり感じられなかったのも残念。
昭和モスラは操演に加え、コマ送りを多用したスピーディーな動きを見せてくれ、ゴジラに対して激しい連続の羽ばたき攻撃を行なっていました。
コマ送り映像は時としてオモチャ感を出してしまうこともありますが、そう感じさせない撮影スタッフの技術は見事としか言えません。
一方で平成モスラは、昭和モスラのようなスピーディーな羽ばたきなどは見られない一方で、CGを多用した派手な攻撃を見せてくれます。
今作からモスラはビームを実装し、鱗粉と交えて自らが作り出した結界内で反射させて連続攻撃をゴジラに浴びせます。
これはこれで非常に派手で見応えはあるのですが、昭和モスラの動物的な攻撃の方が個人的には好きですねぇ。
単なる懐古主義なのかもしれませんが。
ただ、これだけは言わせてほしい。
「あれは、モスラの最後の武器です」と言わせる鱗粉攻撃を行ったモスラはなぜ死なないの?
一方で、新怪獣のバトラはカッコよくていいですね。
はるか太古から存在している怪獣なのに、名前が「バトル・モスラ、略してバトラです」ってのはどうかと思いますが。
地球の環境を破壊するほどに発達した古代の文明に対し、危機を感じた地球の意思が、文明や人類を滅ぼして地球を守ろうと生み出した怪獣という設定は、平成ガメラやギャオスに通じるものがあります。
っていうか、バトラの方が先なんで、影響与えてる部分もあるんじゃないかなと考えてしまいます。
モスラと同じく蛾をモチーフとしながら、黒を基調とした禍々しいデザインもとても良デザイン。
幼虫から成虫へと変異するシーンは非常にカッコよくて、今見ても鳥肌もんです。
なんでバトラは蛹になって繭を作らないの?というツッコミどころはありますが。
モスラと敵対し、戦いながら、乱入してきたゴジラの圧倒的な強さに対して最後には共闘する展開も燃えましたね。
「モスラとバトラが力を合わせればゴジラに勝てるかもしれません」は、「三大怪獣 地球最大の決戦」のオマージュですよね?
一方でそのゴジラさん、強さは圧倒的なのですが、今作においては非常に存在感が薄い。
タイトルが「モスラvs.バトラ featuring.ゴジラ」みたいなタイトルであってもおかしくないです。
まずゴジラさんは隕石の落下が原因で消息を絶ったあと、なんの脈絡もなく、モスラの卵を運ぶ一行の前に現れます。
その後に現れるバトラ幼虫はモスラを追ってきたということなのでしょうが、ゴジラさんはなぜそこに?
その後、バトラとともに海底に消えたゴジラは、海底火山から地球地核のマントルを通り抜けて富士山火口から現れるというトンデモ大移動を行ってくれます。
これはハリウッド版「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」における、ゴジラが通り道としていた古代の地下道の元ネタになっているのかもしれませんが、ここでも1つ。
これが可能なら、84年版「ゴジラ」において、三原山火口にゴジラを落とした作戦は、もはや通用しませんよね。
まぁ、前作「vs.キングギドラ」のタイムパラドックスで、84年のゴジラは現れなかったことになっており、前作においてより強大になったゴジラが初めて出現したという設定のはずなので、84年ゴジラと違ってマグマなんてものともしなくなってるのかもしれませんが。
そして再び離れ業で日本に現れたゴジ
ラは、これまた脈略もなく、モスラとバトラが戦っている横浜に現れ、その争いに乱入します。
今作のゴジラの行動理由は本当に意味不明。
もともとゴジラの行動理由なんて意味不明なことの方が多いのですが、今回はなぜ的確にモスラがいるところばかりを目指して現れるのか。
今作のゴジラは、実はモスラのことが好きで追っかけてるんじゃないかとさえ思えてきます。
なによりもゴジラの強さは伝わりますが、ゴジラの怖さやその脅威があまり感じられない今作。
ゴジラは倒すべきである相手であり、人類にとっての脅威という存在感が、次作以降段々と薄まっていくように感じられていくんですね。
今作ではまだそれほどでもないですが、そのきっかけになってしまった作品かもしれません。
物語全般においても、テンポだけは良かった前作と比べて、テンポが今ひとつな印象。
かと思えば、ラストのゴジラ撃退のオチは前作と丸かぶりだし。
決してダメだとか嫌いな作品だというわけではないのですが、そこまで好きにもなれなかった作品。
そんな印象だったんですが、改めて鑑賞しなおしても、その感想はあまり変わりませんでした。
コメント
こんばんは。
「ゴジラVSモスラ」は主役といい、脇役といい、自己中な人物がイラッとくる話ですね(笑)。特に藤戸氏はファミリー向けの映画の良き父親にはなれない、なってはいけないようなキャラクターですよね。彼の事を強いて悪党とは言わないまでも、空気が読めていないというか、事態の把握ができていないところが、ちと怖いかも・・・・・・(汗)。
丸友の社長も悪どい上に、かなり危ないところがありますが、会社がパアになっただけで命を落とさなかっただけ「モスゴジ」の虎畑や熊山よりはマシかも。それより、コスモス用の家具を用意する為にデパートのリカちゃんハウスを漁る部下の社員達の様子を想像すると、笑えるような、気の毒なような・・・・・・(苦笑)。
とにかく、負の主役(汗)・藤戸氏の自己中と丸友社長の自己中、本能のままに暴れまわるゴジラの自己中と地球の害と見なした物は徹底的に殲滅するバトラの自己中と、本作ではたくさんの自己中が破壊を招きますが「地球の神」は1つにあらずという世界観が「聖闘士星矢」を彷彿とさせますね。
徹底的な破壊神・バトラと負の部分も受け入れ抱擁しようとする神・モスラ。平成モスラは怪獣界のアテナといったところでしょうか。まあ、バトラは最後に改心してくれますので、ポセイドンやハーデスよりはマシですが、
本作のゴジラは海底火山にスポンと飲まれて富士山から飛び出しますが、この離れ業は体内放射を応用したバリア能力あっての事でしょうね。まさに神レベル。奴は神になってしまった・・・・・・って、何だかジョジョの世界(笑)。
「ゴジラVSモスラ」は、まさに3つの神の戦い。最終的に受け入れる神・モスラが残りますが、どうか地球に向かってくる隕石を退け、コスモスと共に無事に帰還して欲しいです。
http://plaza.rakuten.co.jp/achachan
p.s.
遅くなりましたが、私のブログへのコメントありがとうございました。それなのに、返事が遅くなり申し訳ありませんでした(汗)。コメントへの返事を書きましたので、これからは気をつけます。どうも失礼しました。
>>A-chanさん
こんばんは。
なるほど、「聖闘士星矢」の神々に怪獣たちを当てはめるのも面白いですね。
モスラは当然アテナ沙織さんとして、ラスボスゴジラがハーデスとすると、バトラがポセイドンですかね。
ポセイドンはハーデスの野望を止めるため、最後に星矢たちへ助力していたので、ゴジラを倒すためにモスラと共闘したバトラが確かにピッタリかも。
そしてマグマをものともしなかったゴジラはカーズ様でもある感じで(笑)でもカーズ様は宇宙から戻れず、考えることをやめちゃいましたが、宇宙にいったゴジラ(細胞)はスペースゴジラになってリターンしてくるわけで、もはや神を超えている⁉︎考えはじめてみると面白いもんです。
コメントについてはお気になさらないでください。
僕も毎日自分のブログを覗くわけではなく、時間がある時でないと返せないので、どうしても返事は遅くなってしまいますから。
時々また遊びに行かせてもらいますね^ ^