そろそろ初雪が舞ってきそうな12月のこの時期に聴きたいB’zの名曲。
どーも、たけGです。
このブログをはじめてから3度目の冬が巡ってきました。
我ながら飽きずによく続けられたもんだと思います。
そして、振り替えるとこの時期には必ずB’zの冬にまつわる曲、もしくはアルバムについて語っているんですねぇ。
最初の冬にはミニアルバム「FRIENDS」について。
思えばクリスマスが近い、2年前のこの時期にB’zで1番有名なクリスマスソングである「いつかのメリークリスマス」が収録されているこのアルバムについて語ってみたのがはじまりだったわけで。
決して、シリーズ化しようだなんて思ってはじめたわけではなかったんですよ。
ところが昨年のこの時期に書いたのがB’zの名曲「ROSY」について。
まぁ、本文でも書いていますが特に冬の歌ってわけではなさそうなんですが、個人的には何故か冬を連想してしまうこの曲について語りました。
「FRIENDS」の時もそうでしたが、冬になったなぁって感じると不意にB’zの冬の曲がいろいろと浮かんでくるんですよねぇ。
B’zと言えば、今年のヒット曲である「兵、走る」や、B’zの代表曲「ultra soul」なんかにしても、汗や熱さを連想させる、どちらかと言えば夏寄りの曲が多いイメージですが、 実は冬を連想させる曲も意外と多いんですよ。
松本さんの泣きのギターは冬のイメージぴったりだし、ヒット曲のひとつである「今夜、月の見える丘に」も、どちらかと言えば冬のイメージだしなぁ。(リリース時期も関係しているかと思いますが)
昨年語った「ROSY」 は歌詞に冬を連想させるものはなく、曲のイメージだけで勝手に冬の歌だと思い込んで昨年に記事で語ってみたのですが(それでもやっぱりこの時期に聴きたくなる曲には違いないですが)、今年は誰がどう聴いても冬しか連想しない名曲を1つ、挙げてみたいと思います。
その曲は2006年発表の楽曲「結晶」
「結晶」というタイトルを聴いてもピンとこない方もおられるかもしれません。
B’zファンの方でも、若い方々だとあまり知らない方だっているかもしれません。
まずこの曲はシングル表題曲ではないし、ベスト盤含め、どのアルバムにも収録されていません。
ライブでも演奏したことがない曲らしく。
それもそのはずと言いますか、この曲はシングル「衝動」の2nd beat曲なので、そのシングルを購入しないと耳にすることが出来ない、かなりレアな楽曲だと言えるかもしれない1曲なのです。
ただ、サビなどを聴けば、B’zをそこまで聴いたことがない人でも、「あれ?この曲ってどこかで聴いたことがあるような気がする」と思うかもしれません。
鋭い人なら「(少年隊の)ヒガシが出ていたドラマの歌じゃなかった?」とお気づきになることでしょう。
この「結晶」という曲は、シングルB面曲にして、ベストアルバムにも未収録な、ファン以外の方が耳にする機会の少ないこのレアな曲が、まさかのドラマ「喰いタン」の主題歌でもあったんですよ。
ま、ドラマ見たときには、なんだかイメージが合ってないような気もしましたが、ドラマのエンディングでこの曲に入る時の印象に関してはとても良かったことを覚えています。
そんなドラマ主題歌にもなり、ファン以外の方が耳にする事も多かったと思われるこの曲ですが、「ULTAR Treasure」では選曲されなかったので、ファン人気はそれほど高くなかったのかな?
そんな僕も「結晶」に一票投じてないんですけど、正直言って数ある楽曲から3曲だけ選ぶっての難しいですからねぇ。
候補には間違いなく挙がっていたんだけど、最終的には外してしまったわけでして。
(僕が選んだのは「SHINE」「儚いダイヤモンド」「光芒」の3曲でした)
でも、個人的にはB’zのバラード曲としてはかなり好きな1曲で、前年のヒットシングル「OCEAN」よりも実は好きでしてねぇ。
「結晶」というタイトル通り、雪が舞うイメージがイントロからとても感じられます。
ホント、白く輝く雪の結晶が空から舞降るイメージ。
冬と雪を連想させる歌詞を、繊細なメロディが彩ります。
「太陽が きらりら
道路に長い影をつくり ぎゅっと、マフラーに顔をうずめる」
きらりら、っていうフレーズが、どんな表現⁉︎と思いつつ、雪に反射する冬の陽射しのイメージをこれ以上ない比喩だなぁと思ってしまうわけで。
この曲を聴いて以降、冬の日の輝く陽射しを目にするたびに、「ああ、きらりらしてんなぁ」と思うようになったんですよね。
これが2番になると、
「町の灯が ちらりら
哀しみなんてないんだと言うように、順々に空をふちどる」
ちらりら!
これまた稲葉さん以外、思いつかないんじゃないだろうかというようなフレーズながら、夜の訪れが早くなる冬の日の街灯や、クリスマスのイルミネーションが少しづつ灯っていくのを目にするたびに、「ちらりら色づいてきたなあ」だなんて頭の中で思ってしまうようになりました。
そして、稲葉さんならではの控え目な男性像がイメージされるのが、この曲における主人公。
「電話してもいいですかね
寒いねぇって言いたいだけ」
「寒いね」って言いたいだけじゃなく、多分話をしたい、声を聞きたいんですよきっと。
でも電話はかけずに、電話してもいいですかって聞く、なんて控え目な方なんでしょう。
まるで引っ込み思案で、自分ではなかなか決断が出来ない僕自身を見ているかのよう。
「手に触れてもいいですかね
柔らかさを知りたいだけ
海辺に吹いた風の匂い
恋しくなったりしませんか ねぇ」
手を握ってもいいですか?
海に行きませんか?
といったことを更に遠まわしに、遠慮がちに聞くこの控え目というか慎重すぎる性格!
本当に、かつて大事な場面での一歩を臆病さから踏み出せずに、とても大きな後悔をしてしまったかつての僕を思い出します。
いやぁ、この主人公さん、親近感わくなぁ。
だから僕は、稲葉さんの書く詞が、描く世界が好きなんだなぁ。
柔らかさを知りたいだけだか
ら、手に触れてもいいですか?ってのも、よくよく聴いてみれば、かなり大胆な切り込みのような気がしないでもないですが。
「僕らだけしか知らない 美しく光る秘め事
何億年先までも 深く氷に閉ざされる」
ここのフレーズはなんだか非常に意味深。
僕らだけしか知らない秘め事って、いったいなんなのでしょうね。
控え目というより、奥手すぎる主人公と、彼が好きな相手の関係、とても気になります、
ですが、この曲における歌詞はとても抽象的で、実はこの曲を構成する人間関係や世界観は見えてきません。
ただ、イメージとして雪の結晶に包まれた白い世界のみ思い浮かぶんですね。
何億年先までも、深く氷に閉ざされたのは、相手にも明かす事の出来ない秘めた想いなのか、誰にも知られてはいけない秘密な2人の関係なのか。
「あの日降った雪のこと
想うのは僕だけですか ねぇ」
あの日降った雪、ということから、過去を振り返っている歌だとは思います。
想うのは僕だけ、ということは別れた相手へのモノローグなのでしょうか?
それとも、叶わなかった恋を思い返しているのでしょうか。
「まばゆいほどの言葉が 正しく繋がりつづけ
ま新しい結晶 いつしか花開くでしょう」
言葉が正しく繋がり、いつか花開く結晶とは、愛する人への想いが繋がり、その想いが相手も受け入れて花開くということなのか。
最後までこの曲の主人公の語る世界は抽象的で、はっきりとしたカタチが見えてこないのです。
ですが、最後のフレーズで、少なくとも彼の前にははっきりとしたカタチが見えたようなのです。
「吐きだす息はまっ白く はっきりとカタチを見せる
思わず僕は口走る また君に会えますように」
また君に会えますように。
とても素敵なフレーズで、この曲は終わりを告げます。
静かに舞い散る雪の結晶を思い起こさせるようなギターの旋律とともに。
いやぁ、この最後の大サビのフレーズがこの曲で1番好きなんだよなぁ。
また会いたいと想うのは、別れた恋人なのか、雪の日に見て恋焦がれた愛しい人なのか。
雪霞のように、見えるようで全く見えない彼の物語。
地面に落ちては溶けて消える、儚い雪の結晶のような、切なく、優しい名曲です。
この時期に、是非とも聴いてほしい一曲ですね。
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