どーも、たけGです。
1998年、ハリウッドにて初のゴジラ映画が誕生しました。
しかし、それはゴジラと銘打ってはいるものの、日本のゴジラとは似ても似つかぬ、2足歩行となって巨大化したイグアナがニューヨークの街中を駆け巡る映画でした。
「ゴジラ」の名を冠してさえいなければ、そんなに悪い映画ではなかったんですけどね…
あれから時は経ち2014年、再びハリウッドでゴジラが産声を上げました。
ちょいとアメリカ出身っぽく胸筋ムキムキなマッチョで両腕もゴツいのが気になりますが。
かつての1998年版ゴジラはイグアナがフランスの核実験の影響で巨大化したものですが、もともと日本のゴジラもゴジラザウルスなど恐竜の生き残りが核実験の影響で放射能を浴び、巨大な怪獣へと変異したものです。
そう考えると、1998年版のゴジラは姿形こそ違え、その出生に関しては日本のゴジラを参考にしたものであったと思えるかもしれません。
対して、今作におけるハリウッド産ゴジラは、姿形こそ日本のゴジラに準じたものですが、その生まれの設定は大きく異なります。
今作におけるゴジラは太古の昔に存在し、生態系の頂点に存在していた生物という設定になってます。
その頃の地球には地表に放射性物質が豊富に存在しており、それを糧としていたとのことで、故に放射能大怪獣であるという設定なのですが。
まず、この大本の設定でやはり大きな違和感があります。
ゴジラという怪獣は人間が作り出した核兵器の実験から生まれた、破壊の申し子であるとともに、同時に核兵器によってその運命を狂わされた悲劇の象徴でもあるわけです。
ですが、今作のように太古の昔からそのままの姿で存在し、天然の放射性物質を糧に生きてきた生物とされると、人間の業によって生まれたというゴジラ本来の概念を完全に否定。
あまつさえ、かつて米軍が太平洋で行っていた核実験は、謎の巨大生物であるゴジラを駆逐するために行っていたのだという理由まで付け加えてしまっている始末。

核保有国であるアメリカが製作するのだから、自らが行った核実験によってゴジラが生まれ、その報いであるかのように破壊の脅威にさらされるなんて設定を用いるわけにはいかないというのがあるのでしょうが、日本のゴジラファンとすれば釈然としなさすぎる設定ですなぁ。
まだかつての巨大イグアナ怪獣の方が、見た目や設定はともかくとして、その出生に関しては日本のゴジラというものを理解していたと思います。
(まあアレも、自国の核実験ではなくフランスの核実験によるものにしており、やはり釈然としないものがありましたが)
まぁ、偉大なるアメリカを描くことを前提にしているハリウッド超大作様に日本人が見たいものを全て求めてもしょうがないですからね。
ハリウッド映画の正しい楽しみ方として、お話や細かい設定はもう考えないようにして、ド迫力の映像体験に目を向けましょう。
ハリウッドお得意のCGで描かれたゴジラはやっぱり迫力満点です。
ただ、ゴジラの登場は妙に引っ張りすぎの感もあり。
むしろ新怪獣のムートー夫妻の方に常に焦点は集中しています。
終盤までなかなかその全身を見せてくれません。
これってゴジラの皮をかぶったガメラ?
なんて思ってしまうようなこともあるのです。
大体にして、太古の大昔から存在しており、そして生態系を狂わせる存在であるムートーのみに敵意を燃やすその姿。
人類の敵であるギャオスや、地球環境を破壊するレギオンにのみ敵意を燃やして追いかけ回すガメラそのものじやないですか?
(ムートーがゴジラにとっての天敵にあたる存在というのもありますが)
デザインは筋肉ムキムキではあるもののゴジラそのものなのに、設定については齟齬がいくつもある今回のゴジラさん。
おそらく、おそらくですが今作を手掛けたギャレス・エドワーズ監督や、製作スタッフの方々は参考として日本の「ゴジラ」シリーズを見られたんじゃないかなとは思うのですが、平成「ガメラ」シリーズも見ていますよね?
高層ビル街の中でのムートー妻とのド迫力バトルに加えて、ムートー夫との超立体的バトルまで交差して、異次元の映像表現を魅せてくれます。
こればっかりは日本の着ぐるみ特撮では再現できない迫力で、ただ圧倒されます。
巨大イグアナ版の時の映像表現もかなりのレベルでしたが、あちらはただでっかいラプトルがマンハッタンの高層ビル街を駆け回るという、巨大モンスターパニック映画としてはいいですが、ゴジラ映画としてはコレジャナイ感が強いものでした。
一方、今作のムートー夫妻とのバトルは地響きを立て、粉塵を撒き散らしながら、高層ビル街をリングにしてのド迫力バトルは、これこそ見たかったゴジラによる怪獣プロレスと言えるものでした。
悔しいけど、この迫力、この躍動感は日本の特撮では再現出来ないだろうなぁ。
精密なミニチュアワークや、緻密なワイヤーアクションなど、日本の特撮映画ならではの良さもあるんですけどね。
まぁ、それでも、着ぐるみやミニチュアによる特撮では(もしくは予算的に?)再現出来なさそうな映像表現があるのもまた事実。
「放射能は口から飲むのに限るぜ、ムートーさん!」
あとは音楽ですね。
重厚な音楽が多いものの、今ひとつ高揚感に欠けるものばかりで、せっかくのド迫力バトルがもう一歩盛り上がらない。
良く感じるシーンもありますが、音楽の点については日本のゴジラ映画の方に圧倒的に軍配が上がると思います。
総じて見返すと、今作のギャレス・エドワーズ版「GODZILLA」は、設定や世界観については疑問符がつくものの、映像表現としては合格点出してもいいかなと言えるものでした。(偉そうですが)
人間ドラマについては安定のハリウッドらしさ溢れる家族ドラマで、肩肘張らずに見ることが出来ます。
最後に…
コメント
ドハゴジいいよね
>名無しのごんべぇさん
コメント、ありがとうございます!
エメゴジの例があったから公開までは不安も大きかったですが、ドハゴジ、良かったですよね^^