SFC「F-ZERO」思い出語り。スピードに魅せられたあるへっぽこレーサーの物語。

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ストイックにコンマ1秒を縮めることに躍起になっていた、あの日々から34年…

どーも、たけGです。

34年前の今日、1990年11月21日、とあるゲーム機が発売されました。

当時の任天堂最新のゲーム機、スーパーファミコン。

ファミコンの資産を引き継ぐこの最新ハードの発売を、当時の僕は待ち焦がれていました。

その頃の僕は大学生でアルバイトをして自分で収入を得るようになっていました。

それまでに持っていたゲーム機、カセットビジョンJrやファミコンは親から買ってもらったもの。

20歳を目前にした当時、さすがに親にゲーム機買ってくれだなんて言える年齢ではありませんでした。

当時高校生だった弟ならまだギリギリおねだり出来たかもしれませんが、弟はこの頃とっくにゲーム卒業していて新しいゲーム機どころかゲームソフトが欲しいなんて事はもうなかったようでしたし。

なのでスーパーファミコンは自分で買おうと心に決めて、バイトしながらお金を貯めていましたねぇ。

自動車学校にも行きたかったから、当時は朝夕バイト掛け持ちしていました。

時には学校サボってバイト優先したりして。

もう少し充実したキャンパスライフを送っても良かったんじゃと、今となって思うこともあるのですが…

なんて当時の自分の生活を考えていたら、僕の中のミッチーがまた顔を出してきそうなのでこの辺で。

2018・03.24

あ、出ちゃった。

そして11月21日、スーパーファミコン発売。

でも僕は発売日当日には買いませんでした。

1つは同時発売のソフトにはそれほど惹かれていなかったから。

スーパーファミコンのロンチタイトルとして発売されたソフトは2本。

1つは任天堂の看板ソフト、「スーパーマリオワールド」

もう1つが今回のお題である「F-ZERO」でした。

この頃の僕は20歳を目前にした大学生。

なんか斜にかまえていたのでしょうか。

この年齢にもなってマリオで遊ぶなんて!とか思っていたのですよ。

なので「スーパーマリオワールド」を買う気は、その時はさらさらなかったんです。


俺は大人だ!マリオなんて卒業したんだ!

とか思っていたんだなぁ。

まぁ結局はその後、「スーパーマリオワールド」を遊ぶ機会が出来た時に、卒業なんでできてるはずもなかった!ということを痛感させられるのですが、その話はまた別の機会に。

そして完全新規タイトルの「F-ZERO」は、まぁ雑誌やテレビCMなどで目にしていて面白そうだな!という気持ちはもっていたと思いますが、本体と一緒にすぐに買いたい!とまでは思っていなかったと思います。

レースゲーム自体は好きなジャンルだったのですが、「アウトラン」のような箱車のゲームやF1のゲームの方が好きでしたしね。

SFC本体を買って、そのうち気が向いたら中古ででもぐらいに考えていたんじゃなかったかな。

ともあれ同時発売ソフトがこの2本だったので、急いで買う必要もないぐらいに思っていたのでしょう。

僕がSFCというハードを欲していたのは、「ゼルダ」の他「FF」や「ドラクエ」、「メガテン」に「WIZ」の新作が遊べるから。

それらのソフトが出てから買えばいいやって思っていたんですね。

そして、すぐに買わなかったもう1つの理由は、本体そのものが売っていなかったから。

発売前から大人気で爆発的なヒットが約束されていたと言っても過言ではないスーパーファミコン。

発売されるやいなや、またたくまに売れていき、あっという間に店頭から姿を消したのでありました。

店を覗けば「次回入荷未定」の貼り紙ばかり。

年末商戦に突入するタイミングで発売されたSFC。

入荷即完売の大人気っぷりで、買いたくても買えない状況が続いていたんですね。

転売なんてほとんどなかったような時代だったんですよ。

それでも入荷しても入荷しても即完売な状況だったのです。

まあ僕はと言えば先に書いたようにロンチタイトルですぐに欲しいソフトがあったわけでもないので、「FFⅣ」が出た時までには買えてればいいや…ぐらいに思ってました。

まだまだファミコンでも面白いソフト、いっぱいありましたしね。

そんなSFCフィーバーに包まれていた12月だったか、明けて1月になっていたかぐらいの頃でした。

冬だったのは覚えてるのですが、別の買い物で近所にあったホームセンターに行ったんですよ。

コタツか電気ストーブだったかを買いに行ったんだけなぁ。

そしたら売ってたんですよ、スーパーファミコン。

まだまだどこも売り切れてたばっかりの頃でしたから、おそらく入荷したばかりのタイミングだったんじゃないかな。

それまではすぐに買う気がなかった僕ですが、どこに行っても売り切れているSFCが店頭に置いてあるのを見て思っちゃったわけですよ。

欲しい…

欲しいし、今買っておかなければ次はいつ買えるかもわからない…

手元には別のものを買うために用意していたお金もある。

目の前にある品薄のスーパーファミコン本体を見て、物欲が僕の中で湧き上がってきました。

そして次の瞬間、すでに行動していました。


「買いたい」と心の中で思ったならッ!

その時スデに行動は終わっているんだッ‼︎

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買う以外の選択肢がなかったですねぇ。

で、やっぱり本体買うんだからソフトも買っておきたい。

まだこの時点では、この年になってマリオだなんてみたいな独りよがりのような思い込みがまだありましたので「スーパーマリオワールド」を買うという選択肢はありませんでした。

またこの頃には「ポピュラス」や「アクトレイザー」あたりが出ていたかもしれませんが、その時の僕にとっては、新しいジャンルのよくわからないゲームでしたし。

(「アクトレイザー」はその後友人から借りて大ハマりしたのですが、それはまた別の機会で)

と、いうわけでSFC本体と一緒に買うべく最初に選んだソフトこそが、今回のお題「F ZERO」だったわけなのです。

自宅に帰ってスーパーファミコンを接続。

早速プレイしてみました。

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最初はやっぱりそのグラフィックに感動しましたね!

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ゲームセンターのようなグラフィックのゲームを家のテレビで遊べることにただただ感動。

ファミコンのグラフィックからの超絶進化にさすがスーパーなだけあるな!と思ったものです。

そして遊んでみて感じる、凄まじいスピード感。

これまでもファミコンやゲームセンターでいろいろレースゲームを遊んできましたが、ここまでのスピード感を感じたのは初めてだったように思います。

そして美しいだけでなく近未来感溢れるグラフィック、マシンの浮遊感、何から何までこのゲームの虜になり、ひたすら遊び続けていました。

こんなに面白くて凄いゲームなんだから対戦出来たらもっといいのになぁ、とも思ってましたがグランプリ制覇を目指してひたすらに遊んでたものです。

最初のうちこそ、新世代のグラフィック、目も止まらぬスピード感、近未来的な世界観、そして実際のF1にも通ずるポイントゲットによるランキング制によって戦っていくグランプリモードに夢中になっていました。

しかし、遊び込んでいくうちに最初は気づいていなかったこのゲームの面白さの本質に気づいていったのです。

それは、今までのレースゲームでは感じ得なかった面白さでした。

それこそ、コーナーリングの面白さ。

コーナーを攻めてタイムを縮める面白さでした。

それまでも、ゲームセンターの「ポールポジション」や「アウトラン」、ファミコンの「F1レース」や「ハイウェイスター」などを遊んできましたが、ここまでコーナーリングが楽しいと思えるゲームはなかったと思います。

タイトなコーナーのアウト側から曲がり、インへと切り込み再びコーナーのアウトラインへ。

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いわゆるアウトインアウトをゲームで実現していたんです。

それをどれだけのタイミングで十字キーを押し切り込んでいけば少ない減速で壁にもヒットせずに曲がっていけるか。

それによってどれだけのタイムを削っていけるか。

マシンに対してコースが広めなのもあらゆる角度からのコーナリングを検討できたものです。

スーパーファミコンから初めて実装されたLRボタンによる重心移動も良かったですね。

LRボタンを押して曲がるか、そのままグリップ走行で切り込むか。

コーナー1つ1つを攻める事の楽しさに目覚めたのです。

気がつけばグランプリを制覇していくことよりも、最初のステージ、ミュートシティの最速タイムをどれだけ縮めていけるのか、その一点に集中して遊ぶようになっていました。

コンマ1秒縮まることに湧き上がるもの凄い達成感。

それが続けて起こるものだからアドレナリン出っ放しな毎日でした。

そしてある日、これ以上はない!と言うぐらいに絶妙のコーナリングでミュートシティを駆け抜けて、自分の中では奇跡と思えるタイムを叩き出したんです。

その時の、言葉にならないほどの達成感。

世界の全ての時間が止まったように思えました。


今、間違いなく僕は世界の中心にいる!

これまでは自己満でゲームを楽しんでいたのですが、この時ばかりはこの偉業を誰かに見て欲しかった。

褒めて欲しかった。

讃えて欲しかった。

絶賛して欲しかった。

僕はすぐに弟に声をかけて、この自慢のタイムを見てもらいました。

その弟の反応は、


「すごいんだ、ふーん」

この頃の弟はもうゲームにあまり興味を持っていなくて、兄である僕が買ってきていたスーパーファミコンもほぼ遊んではいませんでした。

なので、このタイムがすごい事だとどれだけ説明してもそのすごさを理解できるはずもなく。

ダメだ、ゲームをしない弟にどれだけアピールしてもわかってもらえない。

ここはゲームをわかる奴に見てもらわなければ!

僕はすぐに友人の家に電話しました。

その友人は僕にとってゲームの師匠とも言うべき男。

通ってる大学は違うけどバイト先で知り合った彼とはよくつるんで、ゲーセンに遊びに行っていたものです。

後の「ストⅡ」や「バーチャファイター」の時も、更にその後の「モンスターハンター」も下手の横好きなこの僕に色々教えてくれた男なのです。

当時は近所に住んでいた彼は運よく在宅しており、電話で話すとすぐに遊びに来ました。

僕の「F ZERO」のタイムスコアを見て、このスコアを出すための努力を話すと「おお、それってすごいんじゃね」とその凄さを認めてくれたのです。

嬉しかったですねぇ。

ゲーセンやファミコンのゲームで僕から見たら神のようなプレイをしている彼から褒められたことによって。

彼の言葉に嘘やお世辞もないのがわかるので、本当に嬉しかった。

そして彼が言うのです。


「ちょっと俺にもやらしてみ?」

と、コントローラーを持ってプレイを開始。

当時はスーパーファミコンをまだ持ってなかったと思うその彼。

「F ZERO」も数えるくらいしか遊んでないように話してました。

最初のうちは僕のタイムにも全然届かず、「これはホントにすごいな!」と言ってくれて、僕の心は今までにないくらいの祝福で満ち満ちていたのですが…

後ろで見ていたら、彼のプレイが段々と上手くなっていってる…

絶妙のコーナリングを決めるようになっていき、ついには何度目かのプレイの後で僕のタイムを更新してしまったのです。

何日も時間をかけて叩き出した僕の最速タイムを、たった1時間ほどのプレイで…

その後も更に最速タイムを何度か更新。

僕の出したタイムはどんどんランキングの下の方へ。


「このゲーム、面白いな!やり込めばもっと縮められそう。俺もスーパーファミコン買うわ!」

すぐ隣にいるはずなのに、遥か高い空の上の方から聞こえたような彼の声。

宇宙の全ての時間が止まったように思いました。

今回はSFC「F ZERO」の思い出語りでした。

その後もリベンジを果たすべく遊び続け、数日後には友人がその時出したタイムを更新する事には成功しました。

しかしスーパーファミコンを購入した友人の家で見せてもらった最速タイムは、こんなんどうやって出せばいいの…と思えるような数字でした。

それでもって僕はこのゲームを遊ぶ事をやめた…

なんて事はありませんでした。

まだまだミュートシティのタイムを縮めるために走り続けてましたねー。

結局その友人の出し続けるタイムに勝つ事は出来ず、雑誌などで発表されていた公式のタイムにも届く事はありませんでしたが、それでも自分の最速タイムをコンマ1秒でも縮めようと走り続けていたものです。


戦い続けるとは、昨日の自分に勝つことだ!

とか誰か言ってましたっけ。

シリーズはその後もN64で「F-ZERO X」が、GCで「F-ZERO GX」が発売されました。

スピード感やグラフィックは新作が出る度に向上していき、念願だった対戦もできるようになって、どれも熱中して楽しんだものです。

(ゲームボーイアドバンスで出たのはあんまり遊んでないですが)

それでもストイックにタイムを縮める事に毎日挑み続けたのは、SFC版、それもミュートシティが1番だったように思います。

あの、自分の最速タイムを更に更新した時の達成感は何事にも耐えがたいものだったなあと思い返します。

今ならSwitch Onlineでも遊べますし、何より凄い新作(?)も出てきました。

Switch Onlineに加入していれば、無料で遊べる99人対戦型のF ZERO

ベースはSFC版になっててとても遊びやすいのですが、こんなゲームを無料で遊べるだなんてすごい時代になったものだ…

今回の記事を書くにあたり、「F-ZERO99」を改めて遊びこんでいるのですが、上位に入るのがなかなかに難しい。

かつてSFCで遊んでた時のようなタイムはもう出せないですねぇ。

いや!昨日の自分、34年前の自分に勝つためにまだまだ走り続けましょうか!

って言うかそれよりもSwitchで新作、出ませんかねぇ。

据え置き機での新作はGCの「GX」以来出てないので、そろそろ復活してもいいと思うのですが。

「GX」のリマスターも遊びたいんですけどねー。

任天堂さん、待ってますよー!

今回はこの辺で。

いつかまたここで会いましょう。

それではまた時速400kmオーバーの世界へ!







コメント

  1. エフゼロ より:

    エフゼロ

  2. 田中由姫 より:

    古海裕子

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