ONE PIECE 巻八十七  僕は何故こんなにもサンジという漢が好きなのか。

2A5EF69F-9C99-4C81-904E-06CA3A85B70C

どーも、たけGです。

ワンピースも気がつけば87巻。

ジョジョが移籍し、こち亀が終了した今、週間少年ジャンプでいつの間にか最長寿連載となっている同作。

説明不要のジャンプ王道のバトル漫画ですが、従来のジャンプのバトル漫画との違いは主人公以外のキャラにも大きくスポットを当て、例え敵キャラでも時に何週にも渡って過去の物語を紡いでいき、現在の本人たちの立ち位置になった経緯をしっかりと描くことで、それぞれの人物像を描き出していく点ではないでしょうか。

例えるなら「ドラゴンボール」のヤムチャや、「聖闘士星矢」のサガあたりの幼少期からの過去を何週かに渡って、しっかりと描いているようなもんです。

そしてそれが、その人物が登場してから何年も後の話で初めて描かれても、ほぼ矛盾がなくブレていない点は見事と言えるでしょう。

物語が進めば進むほど過去話と矛盾が生じて綻びまくって、逆にそれが転じて魅力となった「北斗の拳」とは対照的です。

そんなワンピースの現在進行形の話が「ホールケーキアイランド編」、もう1つの名を「サンジ奪還編」。

サンジ登場は仲間内ではゾロ、ナミ、ウソップに次ぐ4人目の登場で、かなりの初期からのメンバー。

コミックスは5巻からの登場で、1997〜8年頃が初出だったと思います。

で、今回の「サンジ奪還編」にて、初めてゼフと出会う以前のサンジの過去や家族が描かれたわけですが、登場から約20年過ぎてるわけですよ現在の時間に換算すると。

しかも、ここまで意外に伏線も貼られていたんですね。

出身が『東の海』ではなく『北の海』だったこと、それを詳しく語ろうとしないサンジ。

最初の手配書が写真でなく、似顔絵(?)だったこと、そのために似顔絵(?)そっくりのデュバルが狙われて恐ろしい目にあったということも、今シリーズへ繋がる伏線だったようです。

そんなサンジの過去を交えながら物語が進んできた今シリーズも、いよいよクライマックス近し、という感じですが、正直な話、個人的には読み進めるのが辛いシリーズでもありました。

ワンピースは、足かけ20年に渡る長寿シリーズ。その全てが最高!という方もおられるかもしれませんが、個人的には今ひとつ乗れないシリーズもありました。

「空島編」や、『スリラーバーク編』は、今ひとつ乗れないシリーズだったなと、リアルタイムで読んでいた当時から、一日一話の公式無料アプリで改めて読み返してみても、そう思いました。

一方で、今回のシリーズは、それら、“乗れない”話とは違って、読み進めるのが”辛い”シリーズでした。

“痛い”と言ってもいいかもしれません。

その理由は、今シリーズの主役とも言える、サンジに他なりません。

話が戻りますが、約20年前からスタートした「ワンピース」

僕は、実は連載スタートから欠かさず読んできたんですぅ!

なんていうことはなく、最初の頃はジャンプ読んでいても、何故かすっ飛ばしていたぐらいでした。

友人や後輩から進められても、これまた何故か、なかなか読もうとしなかったんです。

当時、ジャンプは弟と分担して購入していたのですが、「ドラゴンボール」が終わり、「SLAM DUNK」が終わり、読んでいたのは「るろうに剣心」と、「ジョジョの奇妙な冒険」(当時は第5部だったかな・・・)くらいだったでしょうか。

次第にジャンプは弟ばかりが買うようになり、ジョジョはコミックスでいいから、るろ剣が終われば僕もジャンプ卒業…か。

とか思ってる時に、何気に目にした「ワンピース」。

巻頭カラーで、サンジがクリーク海賊団のギンと戦闘している話でした。

ギンがサンジを押さえつけ、いよいよトドメというところで、ギンが号泣しながら、


「できません!俺にはこの人を殺せません!」

「あんなに優しくされたの、生まれて初めてだから…

この頃の僕は、麦わらを被った人が主人公だということがわかる程度で、扉絵を見返してから全く似ていないウソップを見て、これが、ギンなのかな?と思ってしまったぐらい、ワンピースのことを知りませんでした。

それなのに、ここまでの流れを知らなかったにも関わらず引き込まれてしまい、前の話を読みたくなりました。

弟は元々、物に執着はあまり無く、断捨離が出来るタイプで、読み終えたジャンプも廃品回収等で躊躇なく処分してしまうのですが、この時、サンジが登場したあたりの号までは奇跡的に残っていて、読み返すことが出来ました。

(ちなみに兄である僕は断捨離出来ないタイプです)

そして知る、サンジの登場、ギンとの出会いのシーン。

極限の空腹状態でバラティエを訪れ、金がないのでパティに叩きのめされ、水さえ貰えず追い出されるギン。

そのギンに対し「食え」の一言だけで食事と水をを差し出すサンジ。

ギンは、その食事にがっつきながら涙を流しはじめました。

サンジ名シーン①

ワンピース屈指の名シーンですね!

そして、このサンジを見て僕も感動しました。

今まで見てきたマンガやアニメのキャラで、ここまでカッコいい男は初めて見た!

一発で好きになりましたね、サンジのことが。

そして、ワンピースというマンガが。

サンジと出会えたからこそ、ワンピースを読むようになり、その後ジャンプを読み続けることになったわけです。

I’m not BOY 誰だってBOYを捨てる時が来るだなんて、この頃誰かが言ってましたが、捨てられませんでしたねBOY。

40過ぎた今でも永遠の少年です。

おかげでNARUTOやHUNTER☓HUNTERにも会うことが出来ましたしね。

そんな、僕とワンピースを繋ぎ止めてくれたサンジが悩み、苦しみ、傷つく場面が多い今回のシリーズ、読み進めるのが本当に辛くって。

それまでも、ナミやチョッパー、ロビンやフランキー等の過去話でも、辛くて痛くなるシーンはありましたが、今回それが一際強いのは、個人的にサンジへの思い入れが深いためでしょう。

何故、僕はサンジにここまで惹かれるのでしょうか。

サンジは麦わら海賊団の中でも、ルフィやゾロと肩を並べる強さの持ち主であり、それでいて無類の女好きという人間くささを持ち合わせています。

それらもまた、彼の魅力なのですが、何より僕が彼に魅せられたのは、彼の持つ「優しさ」だったと思います。

空腹で苦しむギンへ差しのべられた、食事と水。

ここでギンが大量の涙を流して号泣したのは、空腹が満たされたことだけでなく、極限の地獄の中で触れた、サンジの優しさ故だったのではないでしょうか。

船長であるルフィや、仲間内では1番の年長者にあたるブルックが、サンジの深い優しさを理解している描写も、見受けられることがあります。

その優しさ故に、サンジが苦しみ、悩むシーンが多いのが今回のシリーズ。

家族に虐げられ、傷つき、家を出るサンジ。

再会した家族から幼少の頃と同じ扱いを受け、子供の頃と違い、抗う力を持っているのに、仲間や恩人を盾にされ、耐え忍ぶサンジ。

その家族が実はビッグマム海賊団の罠に陥ることを知り、見捨てることが出来ず、何とか救いたいと1人苦悩するサンジ。

そして、地獄の中で唯一の救いだと思っていた相手にすら騙されていたことを知り、1人涙を流すサンジ。

この、雨の中でサンジが泣くシーンは、本当に見ていて痛かった。本当に辛かった。

それでも、その騙されていた相手から銃口を向けられてなお、その相手の心の底を理解し、諭そうとするサンジ。

その相手であるビッグマムの娘、プリンの心をも、サンジの優しさが溶かしてしまったようです。

そこはやっぱり、サンジの名言である…

サンジ名シーン②

この、ブレないカッコよさ!

やっぱり僕は、サンジが一番好きですね!

最新巻である今巻、今まで苦しみ続けたサンジの反撃ターンがはじまりそうです。

それも、彼の1番得意なフィールドである料理にて。

四皇ビッグマム海賊団相手に絶望的な状況が続くルフィ達をして救う切り札になり得るのか。

ここまで読み進めるのが辛かった分、スカッとさせてほしいですね!

コメント

  1. マルゲリータ より:

    どうもマルゲリータです。返信ありがとうございます。
    ワンピースいいですよね。私もめっちゃ好きです!でも、お気持ち分かります。
    話も長いし、ネタもあんま好きじゃなくて、やってたら見るぐらいで、そんなに好きじゃなかったんです。
    二年前までは。
    公式の無料アプリなるもので、一気読みしてから見事にハマりました。
    ナルトもブリーチもそうですが、ああゆう長期連載ものは一気読みの方が面白いんだろうなと、
    思いました。イーストブルー編やアラバスタのテンポの良さは、ホント神です。
    私もたけGさんと一緒で推しはサンジです。かっこよくて男の中の男で、だらしのないところがまた良い。
    アラバスタや、ウォーター7で見せたあの賢いサンジが、また見たいと願ってますがどうでしょうね。
    ホールケーキアイランド編、読むのが痛くて辛かったのよく分かります。
    でもだからこそ、サンジの優しさも際立って良かったです。
    理解者である、姉レイジュや母ソラの存在は、大きな癒しでした。この二人が居て、会ってなかったら、
    サンジは死んでたんだろうなって。
    一番この章で好きなシーンは、プリンとの誓いのキスのシーンですね。プリンって美しいけど、すごい
    腹黒い人物なんです。でもそうなったのは、自分の醜い姿の影響もあって、そんな自分に幻滅したサンジを
    殺すのが予定だったんですよ。でも、
    「なんて…美しい瞳なんだ」
    この言葉で、泣き崩れて計画がうやむやになるっていう、このシーンがめっちゃ好き!
    母親にも嫌われ、描写はなくとも好きな人だっていたでしょうけど、その人にも目を見られて嫌われたんじゃないですかね。母親から、愛する人から、かけて欲しかった言葉を、なんの偽りもなく発したサンジに
    射止められたのは、もう仕方のないことでしょう。

  2. マルゲリータ より:

    後は、父親ジャッジが、サンジのことをコケ下す場面、
    あらゆる面で兵士失格のサンジに固執する理由をルフィに問いかけるも、「援護、ありがとう!」と
    去って行くルフィ。
    兵士として失格でも、人間として花丸なサンジを褒めたのだと解釈し、
    「なんであのおっさん、サンジのいいとこ言い出したんだ」と疑問を持つルフィの
    船長としての器量が伺えました。サンジも「そういう意味でいったんじゃねぇよ!」と、
    ルフィの言葉を理解しているのも良かった。
    すいません、熱く長々と語ってしまって。オールブルーが見つかったら、一緒に喜びましょう。

  3. たけG より:

    >マルゲリータさん
    ワンピースも長いですもんね。
    僕も最近はコミックスを購入しての一気読みが常になってます。
    週刊連載ではもう話を追えなくなってるもんなぁ。
    最近はアプリで一気読みできるものもあるからいいですよね。
    NARUTOはコミックス持ってるけど、BLEACHは連載当時にジャンプで読んでたぐらいでしっかりと読んだことなかったから重宝しました。
    サンジ好きが同じなのも嬉しいです。
    プリンとの結婚式の場面、わかります。
    ホント、読むのが辛いぐらいの仕打ちを受けたのにプリンへのあの台詞。
    プリンのおそらくは自分でも気づいてなかったかもしれない本心にサンジがすぐ見抜いた故の言葉だったんだろうなぁと思います。
    そしてその後のプリンがサンジの中の自分の記憶を切り取るところ、切なかったなぁ。
    強いけど、女性にはだらしがないところもある。
    そして誰よりも優しい心を持っているサンジが大好きです。
    物語もいよいよ終盤。
    サンジがオールブルーに巡り合う日を心待ちにしましょう^^

タイトルとURLをコピーしました