PS「アインハンダー」最初は戸惑いが勝つが、遊びこむうちに面白さの本質が見えてくる珠玉の名作

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周囲から「あの子と付き合うのはやめた方がいい」と言われている女の子。

初めて会って話してみても、なんだか話が合わず、趣味も合わない。
一緒に遊びに行っても最初のうちはお互い全然盛り上がってないようだったのに…
いつの間にやら自分でも気づかないうちに、その子のことが好きになってしまい、よくわからないと思っていた彼女の言動1つ1つがとっても愛おしい…
「僕と付き合ってください」
そんなゲームのお話。
どーも、たけGです。

僕はシューティングゲームが好きです。

得意なわけではありません。

むしろ下手。

コンティニューを何度も重ねてようやくクリア出来る程度の腕前です。

でも好きなんです。

まさに下手の横好き。

ま、シューティングゲームに限ったことではないんですが。

シューティングゲームの中でもジャンルがあり、縦スクロールに横好きスクロール、3Dにクウォータービューなど、いろいろあります。

どれも好きなんですが、とくに好きなのは横シューこと、横スクロールシューティングですね。

横スクロールシューティングゲームと言えば、有名どこは「グラディウス」に「R-TYPE」に「ダライアス」が筆頭に上がるでしょうか。

そんなメジャータイトルの陰に隠れてひっそりと輝きを放っていた、横シューの名作があります。

それこそが今回のお題、「アインハンダー」です。

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まぁ、ひょっとしたらそこまで隠れてはないかもしれませんが、シリーズ化することなく1作で終わった作品ですね。

「アインハンダー」は初代プレイステーションで発売された横スクロールシューティングゲーム。

初代のPSって、「グラディウス外伝」や「Gダライアス」、「R-TYPEΔ」などの良質な横スクロールシューティングが多く発売されているのですが、それらのタイトルの中で個人的にベスト1に上げたいのがこの「アインハンダー」です。

「アインハンダー」を発売したメーカーはスクウェア(現スクウェア・エニックス)。

今更説明の必要なないかもしれませんが、「ファイナルファンタジー」で知られるメーカーで、その「FF」以外でスクウェアをイメージするゲームと言えば「聖剣伝説」「サガ」「クロノトリガー」「スクウェアのトム・ソーヤ」…

と、数多くの人気RPGを取り揃えたメーカーであることは誰も異論はないと思います。

なので、スクウェアでシューティングゲームというのはイマイチピンとこない方も多いかもしれません。


「キングスナイト」があるじゃないかって?

冗談を言ってはいけません。

キングスナイト

「キングスナイト」は、フォーメーションRPGです。

生みの親であるスクウェアがそう言っているんだから間違いない。

メーカー違うけど「頭脳戦艦ガル」だってスクロールRPGですよ。

そんな、どこからどう見てもシューティングゲームなのにRPGだと言い張るゲーム達のことはさておいて、「アインハンダー」

RPGとしてのイメージが強すぎるスクウェアが発売するシューティングゲームということで、期待の新作!と言うよりは、どちらかと言うと色眼鏡で発売当時は見られていたと思います。

この頃のスクウェアは「FFⅦ」でイケイケだった一方で、様々なジャンルにも手を伸ばしていました。

代表的なとこでは「FFⅦ体験版」のオマケという不遇なレッテルを貼られた「トバルNo.1」を初めとする格闘ゲームかな。

他にもアクエスという別ブランド(SQUAREのアナグラム)で麻雀や将棋のゲームも出してましたっけ。

幅広いジャンルのゲームを出す一方で、他社の人気作をスタッフごとそのまま持ってきたかのような作品も出してたもんだから、アンチからは目の敵にされていたような時代でした。

なので「アインハンダー」も当初は否定的な意見の方が多かったと思います。

僕が当時読んでいたゲーム批評という雑誌でも、「アインハンダー」についてかなり酷評されていました。

(まぁ雑誌自体がアンチスクウェアな雑誌だったのですが)

なので発売当初はそれらの記事を真に受けてしまったこともあってスルーしていたのですが…

なんだろう、友人に勧められたのか、ある雑誌の読者レビューで評価されていたのか、ホント記憶が定かでないのですが、ある時に買ってしまったんですよ「アインハンダー」

中古で安くなっていたのもあるとは思います。

「Gダライアス」や「R-TYPEΔ」を遊んでいた影響で、横スクロールシューティングに飢えていたのもあるのかもしれません。

とにかく何かの気紛れで購入した「アインハンダー」

最初のうちは独特の操作方法に戸惑いましたね。

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通常のショットに加えて、ガンポッドの射撃と弾道の切り替え、そしてガンポッドの持ち替え。

さらに加えて機体の加速、減速の切り替えのボタン。

プレステのコントローラーのボタンをほぼ全て駆使する仕様になってます。

横スクロールシューティングゲームでここまでボタンを使うゲームを、僕は他に知りません。

そしてゲームも慣れないうちは非常にキツい。

ゲーム自体が難しいのもありますが、シューティングゲームの花形とも言うべきパワーアップシステムが非常に独特でして、最初のうちは本当にキツかった。

まず自機に標準搭載されている通常弾。

これが非常に貧弱。

そして何をやってもパワーアップしません。

前方の画面を覆い尽くすように弾幕が広がることもないし、相手を貫通するレーザーになるようなこともない。

最初から最後まで同威力の貧弱ショットのまんまです。

ザコ敵ならともかくステージボスをこの通常弾だけで倒さなければならないことになったら、それはもう地獄を見ること間違いなし。


ガンダムが頭部バルカンのみで一年戦争を戦い抜かなければならない
と思ってもらったら、その過酷さもわかってもらえるのではないでしょうか。

この通常弾の利点はと言えば、弾数が無制限ということぐらいでしょうか。

そんな貧弱な通常弾を補うのが、今作のキモともいうべきシステム、ガンポッドです。

ガンポッドは敵機から武器を奪い、それを自機の武器として装着して使用するシステム。

その威力たるや通常弾の比ではなく、バカ硬いボス戦において有効な兵器となってくれます。

その種類も様々でバルカン砲タイプのものやミサイル、ロケットランチャー、誘導弾などの他に、電撃弾タイプのものやビームサーベルのような接近兵器まであります。

ステージ構成やボス敵の挙動によって、これらのガンポッドを使い分ける戦略性を求められることもあり、カノンが使いやすいからこれ一本でいこう!なんて考えていると、痛い目をみることもあります。

そしてこれらガンポッドですが、弾数制限があり、威力が高いからといって適当に撃ちまくっているとそのうち弾切れを起こします。

貧弱な通常弾の利点が、弾数制限が無いこと、と書いた理由はここにあるのです。

装備しているガンポッドと同じタイプのものをゲットすれば弾の補充は可能ですが、ステージの進行具合によって自分が求めているガンポッドが必ず出てくるとは限りません。

戦場を駆け抜けつつ、ガンポッドの残弾をマネジメントしながら進めないと、肝心のボス戦で弾切れとなってしまい、貧弱な通常弾のみで挑まなければならなくなってしまうのです。

敵の攻撃を防ぐオプションも、バリアーも存在しません。

(ガンポッドを装着するための自機のアームを上手く活用すれば敵弾を防ぐことはできるようですが、正直、僕のような下手の横好きシューターではその辺を上手く活用できませんでした…)

一発逆転のボムも波動砲も存在しません。

己の腕とガンポッドが頼りのこのゲーム。

その他多くの横スクロールシューティングゲームと一線を画す内容のゲームで、最初のうちはイマイチ良く理解できず、なんか難しいゲームだな…ぐらいにしか思っていませんでしたが、その独自のシステムと遊び方を理解した時には、この「アインハンダー」というゲームにどっぷりハマり込んでました。

まずこのゲームを彩る世界観が非常にいい。

少し暗めの世界観、及びステージ構成で、時にそれがゲームの難易度を上げている気がしないでもないのですが、非常に硬派な雰囲気で統一されているんですね。

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1面の段階でこのゲームの世界観そのものがズバリ伝わってきます。

市街地を駆け抜けていく構成なのですが、その世界観が多国籍でネオンが煌めく繁華街のような街並。

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ズバリ言ってしまえば「ブレードランナー」

「FFⅦ」を筆頭とした、この頃のスクウェアっぽいなぁと感じさせる世界観のデザインになっております。

ですが、その“どこかで見たような”世界観が、この「アインハンダー」というゲームにすごくマッチしています。

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演出もスクウェア作品らしくとても秀逸。

基本横スクロールシューティングらしく横視点の画面構成なのですが、ステージの切り替わりやボス敵出現時などに視点が変わり、非常に躍動感あふれるゲーム進行になっています。

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加えて、とてもノリの良いテクノ調のBGMがこれまた世界観及びゲーム内容に非常にマッチしており高揚感をさらに押し上げてくれます。

気がついたら、このゲームの虜になってましたねぇ。

ひたすらに、ただひたすらに遊んでましたよ。

最後の方は、隠し機体である“アストライアーMkⅡ”でひたすらに遊んでいました。

アストライアーMkⅡという機体は隠し機体で、ガンポッドの残弾が全て9999発になるというスグレもので、ほぼガンポッドの残弾を気にせず遊べるという、このゲームが一気に遊びやすくなる便利すぎるもの。

ただし、この機体を解放するための条件が非常にシビアなもので、今回改めて調べて見たところ、ただでさえ難しいこのゲームをHARDモードで、尚且つコンティニュー3回以内でクリアしなければならないというものなのです。

あの頃の僕は本当に頑張りましたねぇ。

繰り返し、また繰り返し遊んで、敵の動きを全て把握しながら極力被弾しないよう、ガンポッドもここぞという時以外に使わぬよう、慎重に慎重を重ねて条件をクリアし、このゲームの最高到達点に達した者だけに与えられる証である機体を手に入れたあの瞬間。


僕は確かにあの時、神になったんだ!


・・・嘘です。

すいません、嘘ついてました。

僕のような下手の横好きが、そんな境地に到達できるわけありません。

でも、アストライアーMKⅡで遊んだという思い出は嘘ではありません。

では、HARDモードどころかEASYモードでもヒィヒィ言うような僕が、何故にそんな隠し機体を手に入れることができたのか?

その秘密は、FFのマスコット鳥ともいうべき、チョコボにあった!

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当時、「チョコボの不思議なダンジョン」というゲームがありましてですね。

このゲームにオマケのディスクが付属してまして、様々なスクウェアゲームの特殊なセーブデータが収録されていたのですよ。

その中に「アインハンダー」の隠し機体が遊べるようになるデータも入っておりまして…

当時そのことを知った僕は、速攻でこの「チョコボの不思議のダンジョン」を購入したわけですよ。

発売日よりかなり遅れて「アインハンダー」を遊んでいたので、その頃には「チョコボの不思議なダンジョン」も中古がかなりお安くなっていたっけな…

世の中では「トバルNo.1」は「FFⅦ体験版」のオマケだと語られることも多いですが、僕にとっては「チョコボの不思議なダンジョン」は「アインハンダー」隠しデータのオマケのようなもんでした。

だって、このデータがなかったら、このソフトを買うことはなかったと思いますから。

あ、ちゃんとオマケ(?)の「チョコボの不思議なダンジョン」も遊びましたよ!

「風来のシレン」が好きだったので、十分に楽しめました。

まぁ、このようにデータのためだけに別のソフトを買ってしまうほど、この「アインハンダー」というゲームにハマっていたんですね。

こんなに面白いゲームなのに、なぜに「ゲーム批評」をはじめとして批判的な意見が多いんだろう?

それだけスクウェアというメーカーに対するアンチ的な意見が多いのだろうか?

なんて当時も思ってみたりもしたのですが、よくよく調べてみるとその原因は、当のスクウェアにあったんですね。

発売当時のこの「アインハンダー」の宣伝文句を調べてみるとですね…


「撃って、撃って、ぶち壊せ」

ただ撃ちまくっているだけでは進みません。


「僕らはただスカッとしたいだけなんだ」

スカッとするまで結構なストレスもあります。


「難しい照準合わせなんてしたくない」

繰り返しますが、適当に撃てばいいだけのゲームではありません。

と、言ったように、この「アインハンダー」というゲームの本質を上手く理解しないまま営業が宣伝かけちゃったような感じだったんでしょうかね。

おかげで、「ただ適当に撃ちまくってスカッとするシューティングゲーム」を期待して購入した人にとっては「話が違う!」と言われても仕方のない宣伝文句です。

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下手したらシューティングゲームそのものを嫌いになってしまうかもしれない難易度ですし。

「ゲーム批評」の方でもこの宣伝文句のことをあげつらって批判してますしね。

ただ、「ゲーム批評」という雑誌なのに批判点のみ延々と述べて、このゲームの本質に触れておらず評価がなかったので、ああ、この雑誌のライターさんとはちょっと合わないかなぁとも思いました。

絶対に遊び込んでねぇだろ!って思うような内容の記事だったんですよ。
まぁこの雑誌は元々僕が好きだったスクウェアやSNKに対して、批判の比重が高い傾向があったのですけど。

メーカー自身のどこかズレた宣伝文句や、マスコミの色眼鏡をかけた判断しかしていない批評に惑わされずに、遊んでみれば難易度は高いけれどもとても良くできたゲームだということがわかるはずなんですけどねぇ。

まぁシステムは独特だけども、横スクロールシューティングゲームが好きな人なら楽しめる内容だと思います。

PS1のソフトなので、中古のソフトを持っていれば、初代PSやPS2、PS3と幅広く遊ぶことができます。

また、ゲームアーカイブスでも配信されているので、そちらだったらお安くお購入することができます。

僕も今ではもっぱらゲームアーカイブスで改めて購入したものを、PSPで遊んでいます。

ただ、PSPやVitaだとプレステのコントローラーと違ってL2R2ボタンがないので、少し工夫が必要です。

僕の場合は加速、減速ボタンをアナログスティックに割り振って遊んでいます。

これでなかなか遊びやすくなりましたよ。

PSPでお手軽に寝そべりながら遊べるのがまたイイですね。

ですが、PSPのゲームアーカイブスだと、「チョコボの不思議なダンジョン」のデータは使用できないので、自力で頑張るしかありません。

(ゲームアーカイブス版の「チョコボの不思議なダンジョン」を購入してもデータディスクの方は存在してないようです)

今度こそ自分で頑張って、敵のあらゆるパターンを見極めて、ガンポッドの残弾を上手くマネジメントして、HARDモードをコンティニュー3回以内でクリアして、アストライアーMkⅡを…

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やっぱり無理だぁぁぁ

ちなみに、冒頭で書いた例え話のような経験は、一切ございません。

アインハンダー
スクウェア
1997-11-20

コメント

  1. Tuyoポン より:

    たけGさん、( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
    3連休、いかがお過ごしでしょうか?
    私はコロナのおかげで引きこもり状態を決め込んでいたのですが、この記事を読んで「w( ▼o▼ )w オオォォ!!」
    2ヶ月くらい前に近所のリサイクルショップで「アインハンダー」を見かけたような記憶が?
    タイトルは見てないのですが、確かパッケージがこれだったような・・・。
    本日、開店と同時にゲーム売り場に走りました。今更PS1の中古ソフトを買うような輩はいないだろうと・・・。
    「アインハンダー」ありました。ケースは傷だらけでしたがディスクは大丈夫な感じでした。
    980円・・・(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
    ヨウツベで公開動画も見ました。間違いなく、これは私好みのゲームだあぁぁぁ。ちょっと興奮してます(笑)
    隠れた名作を紹介いただきましてありがとうございます。

  2. たけG より:

    >Tuyoポンさん
    こんばんは♪
    3連休はほぼ、引きこもりの生活でした。
    奥さんはかなりのご不満でしたが、僕は根っからの引きこもりなので特に問題ありませんでした(^^)
    「アインハンダー」を買われたのですね。
    僕の記事を読んで興味を持っていただき、非常に嬉しいのですが…
    一方で、横シューとしてはちょっと特殊な部類に入るゲームなので、人によって合う合わないが出る可能性が…( ̄▽ ̄;)
    Tuyoポンさんの嗜好にピッタリとハマることを願っております^^;

  3. Tuyoポン より:

    ( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
    「アインハンダー」面白いですね~!
    まだ少ししか遊んでいませんが、何と言うか・・・。
    確かに難しいのですが、理不尽な難しさではないですね。
    R-Typeのように攻略法を自分で探しながら進んでいくような、スルメのように味のあるゲームですね。
    このようなシューティングは大好きです。かなり長い間、楽しめるゲームになりそうです。
    今度の休みが楽しみですね~ワクワクします。
    平日に遊んでしまうと寝不足になってしまうので、休日限定にしようと思います。

  4. たけG より:

    >Tuyoポンさん
    こんばんは♪
    「アインハンダー」、気に入ったみたいでよかったです。
    まさに死んで覚える死にゲーに属する部類なので
    人によってはクソゲーにもなりかねないゲームですからね。
    繰り返し遊ぶ楽しさを見出していただいて、
    紹介した自分としてはとてもうれしい限りです。
    Tuyoポンさんとはゲームの嗜好が合うので
    話が弾んで楽しくなりますね。
    これからもよろしくお願いします♪

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