『聖闘士星矢EPISODE.G レクイエム』第7話「粛清の業火」:ペガサスの聖闘士が放ってこそのペガサス流星拳!

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約2ヶ月ぶりの更新となった「エピソードG レクイエム」

星矢と邪武の熱い友情が見られてから随分時間が経った気もしますが、本家・車田御大の「ND冥王神話」に比べたら、青銅聖闘士のスピードに対しての黄金聖闘士の光速ぐらいに早かったとも思えますが…

それが次回は2週間後の更新でもはや神の領域ッ!

こんなに密度の濃いカラー原稿を2週間間隔で仕上げるなんてホント、神の領域だなんて思っちゃいますね。

…車田先生のシンプルな描画も大好きですよ!

「ND冥王神話」とともに「男坂」最終章、ビクビクしながら待ってます。

どーも、たけGです。

しかしまぁ、圧倒的に緻密な画力には目を見張るしかない「レクイエム」

最初のページに「女神アテナ」の文字が出てきてはいますが、予備知識なかったらまずこれが「聖闘士星矢」だなんて絶対にわからないだろうな…

あ、ネタバレになるようなこと書いてしまっているかもしれないので、未読の方や、単行本待ちの方はご注意をば。


消えゆく邪武に護られて、絶体絶命の窮地を脱した星矢。

黒キ海(ポントス)と、業火ノ雨によって星矢の腕の中、衣服のみ残して肉体が消滅していく邪武。

黒キ海(ポントス)は天空を覆うことで星空を消し去り、それにより星座の守護を奪われた聖衣は存在することが出来なくなる。

業火ノ雨は、その雨に晒された者の全ての力、魂すらも奪われて跡形なく消えてしまう。

聖闘士という存在を完全に消滅してしまう2つの厄災が同時に地上を覆ってしまったこの現状。

この絶望的な状況を生み出した元凶の一角であるキュプロクスの目的は唯一つ!


この世界の破滅を目にすることでアテナの心に消えることない絶対的な絶望を刻むこと!

どうにも、これは奢る人間達への粛清だとか、世界を終焉させ再生を図るといった目的などではなく、アテナ1人への強烈な憎悪から発しているようです。

やってることはポセイドンやハーデスよりも直球かつ強烈なんですけどね、その目指すところは神による世界の救済とかではなく、結構個人的(一族的?)な怨恨から来ているものかもしれません。

案外小物?

故にその背後にまだ強大な存在がいるということなのかもしれないなぁ。

いや、いるでしょ絶対。

しかし敵の真の目論みがなんであれ、絶望的な状況には変わりなく。

地上に対してやっていることは小物どころではなく、これまでの神々のやってきた行為を遥かに凌駕していますから。

そんな絶望的状況のこの世界に、ただ1人残った聖闘士は星矢だけ。

そして、残された聖衣はペガサスの青銅聖衣だけ。

黒キ海と業火ノ雨のダブルコンボの中、消滅していないペガサス星矢。

88人の聖闘士の中で、ペガサスの聖闘士は特別であり、かつ星矢という存在も神の摂理では収まりきれない特異点のような存在であるということなのでしょうか。

木戸邸から舞台は再び業火に包まれた聖域へ。

業火が燃え盛る中を、アテナの元へ駆ける星矢。

注目すべきは両手を広げて走るアラレちゃん走り(最近ではあの走り方は「鬼滅の刃」の禰󠄀豆子走りと呼ばれているらしいですが)ではなく、アスリートのように手を振って走っています。

聖域の黄道十二宮はいかなる者でも、己の2本の足で踏破しなければならない。

少年だったあの時のように、アテナの元へ走る星矢。

しかし小宇宙を失いつつあるその身に、ペガサスの聖衣が重くのしかかる。

小宇宙が失われつつある星矢を、ペガサスの聖衣は聖闘士として認めてはいない。

星矢の体から小宇宙が失われていっている理由、それは業火ノ雨だけではないようです。

それは、今も星矢の魂に突き刺さる冥王ハーデスの剣。

それが星矢の体から小宇宙を奪っていっている…

この「エピソードG レクイエム」が、前作「エピGアサシン」の直接的な続きであるならば、星矢たち青銅聖闘士たちは成人し、黄金聖闘士へと昇格しています。

下手すりゃ年齢は三十路になっているかも?みたいな描写があるわけで、時系列で言えば、車田御大が直接描いている「聖闘士星矢 NEXT DIMENSION冥王神話」の後の時代ですね。

全然終わりが見えない(っていうか連載再開も見えてこない)「ND冥王神話」では、アテナや瞬たちが前聖戦の時代にタイムリープしたのは、星矢の魂に刺さったハーデスの剣、インビジブルソードを消すというのが目的だったはずで。

その後を描くこの「レクイエム」で(っていうか前作「アサシン」の時点で)ハーデスの剣が星矢の胸に刺さったままという事実は、「ND冥王神話」でアテナらのミッションが失敗してしまった未来ということなのでしょうか。

まぁ、アニメを含め、車田御大以外が描く「星矢」の世界はパラレルワールドな意味合いが強いので、今作もパラレルな未来の「星矢」なのかもしれませんね。

絵柄だけじゃなく黄金聖闘士たちの性格も全然違いますし。

前作「アサシン」では更に「エピG」ワールドとは別の、並行世界のアイオロス(今作でも出るかな?)が猛威を振るってましたし、並行世界=パラレルワールドを肯定的に描いているのが岡田芽武先生の描く聖闘士星矢である、「エピソードG」なのかもしれません。

ともあれ、消えゆく小宇宙と、重荷にしかなっていない(らしい)ペガサスの聖衣と共に、崩れゆく白羊宮を走る星矢。

星矢の眼前に次々と無数に現れる異形の存在、“悪衣”。

星矢は必殺の奥義でそれら無数の敵を一掃します。

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「天馬座(ペガサス)流星拳!」

やはり、ペガサスの聖衣を纏ったからこそ「ペガサス流星拳」

これまでただの「流星拳!」だったのは、星矢がペガサスの聖闘士ではなく射手座の黄金聖闘士だったからなのでしょうね。

しかし、悪衣たちを一掃するも急速に拡大する暗黒の小宇宙。

その力によってついに白羊宮が消滅する。

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これは降り注ぐ業火ノ雨によるものなのか。

もしくは、白羊宮に潜んでいた何者かの力の塊によるものなのか。

予断を許さぬ「聖闘士星矢エピソードGレクイエム」

物語は始まったばかりだが、まだまだ見えない事ばかり。

っていうか、スピンオフなのに本当にこのまま“ペガサス星矢”主役で突っ走っていくんでしょうかねぇ。

いや、ホント、今作を否定するつもりはないし、むしろ面白く次を楽しみに読ませてもらってます。

車田先生と全く方向性の違う絵柄やキャラクター描写にも慣れましたし。

ですが、やっぱり“ペガサス星矢”を主人公とするのは、車田先生自身が描く本編であるべきだって思っちゃうんですよねぇ。

何度も何度も書いていますが、業火に包まれた十二宮を、ペガサスの聖衣を纏った星矢が「アテナの小宇宙は、あの時と同じ場所にある!」と言って駆けるその姿を見ると、再びそう思ってしまうんですよ。

これが車田先生の絵だったら良かったのにという思いまで再燃してしまって。

むしろ射手座の黄金聖衣を纏った、“サジタリウス星矢”が主人公であったのなら、まだ違ったとは思うんですけど。

原作が好きすぎるが故の、小さなこだわりなのかもしれないですけどね。

アイオリアやシュラに続く、他の黄金聖闘士たちは出てこないのかなぁ。

それでも正直読んでいて面白いし、ハンデをいろいろ負っているようなペガサス星矢の今度の戦いも気になります。

次回更新は2週間後。

先が読めないが故に楽しみが尽きない次回へ続きます!

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