追悼・BUCK-TICK櫻井敦司さんを偲ぶ。朧げに夜空に浮かぶ、月の螺旋を眺めながら。

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BUCK-TICKを聴いていたのは90年代前半、20代の頃。

およそ5年ぐらいのこと。

このブログの読者さんには周知のことだと思いますが、今は別のアーティストを熱烈に推しています。

長くファンを続けている方には失礼になるかもしれませんが、そんな僕が櫻井敦司さんを偲んで書きました。

どーも、たけGです。

2023年10月24日、そのニュースに目を、耳を疑いました。

BUCK-TICKのボーカル、櫻井敦司さん死去。

つい最近、ライブ中に体調不良を訴えて中断した、というニュースを目にしたばかりだったはず。

まさかそんなという思いが駆け巡る。

体調不良からのライブ中断のニュースをみた時の思い。

それは、僕が好きなB’zの稲葉さんも体調不良からライブが中断、中止や延期といった事もあったけど、回復されてまた変わらぬパフォーマンスを届けてくれています。

だからきっと、それぐらいの事。

またすぐ回復するぐらいだろう。

そう思っていたのです。

久しぶりに見たBUCK-TICKのニュースで、B’zと同じく長年活動を続けていて、変わらぬパフォーマンスをファンに届けている。

若い頃に聴いていた時と変わらずにカッコいいなあ。

それぐらいに感じたのですが…

それがまさかの訃報。

年齢を見たら57歳。

B’zの稲葉さんともそんなに変わらない。

僕よりいくつか上の年齢で、間違いなく同じ世代を生きていた人。

その早すぎる死に目眩を覚えながら、仕事が終わって家に帰離、押し入れからラックを引き出しました。

そのラックには最近回す事のなくなった、昔聴いていたCDを入れてあります。

部屋の棚に並んでいるCDは、ほぼB’zのCDで埋められていて他に並べるスペースはもはやありません。

最近分厚いボックスタイプのCDとか出しているし。

なので、その他のCDは押し入れのラックに直しているのです。

まあ持ってるCDは全部、スマホに入れているので聴こうと思えばいつでも聴けるのだけど。

とりあえずラックの中を見てみると…

ありますあります。

氷室京介、TM Network、L’Arc〜en〜Ciel、黒夢、スピッツ…

20代の頃、よく聴いていたCDたち。

その中にありました。

BUCK-TICKのCDも。

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『悪の華』『殺シノ調ベ』『darker than darkness』『シェイプレス』『Six/Nine』『catalog』の6枚のCD。

1枚、写真集のようなものも混じっているけども。

というか、おや?

『狂った太陽』も持っているはずだけど、ラックの中にないなぁ。

他のラックの中も見てみたけど、見つからない。

どこになおしたんだっけ。

あれもいいアルバムなんだけど。

とりあえず出てきた6枚のCDを並べて眺めてみる。

今でこそB’z一筋に近い僕だけど、あの頃はBUCK-TICKのことがB’zと同じくらいに好きでした。

とりわけ、この6枚の中の1枚、「殺シノ調ベ」

どれだけ聴いたかわからないぐらいに聴き込んだアルバムです。

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人生におけるベストCDの候補に挙げてもいいぐらいに好きなアルバム。

スマホに入れてるんでいつでも聴けるようにはなっているんだけど、久しぶり、それこそ30年近くぶりにプレイヤーに流してみました。

イントロとも呼べる1曲目『ICONOCLASM』が流れ始める。

自然に高まる高揚感。

掴みとしてはこの上ない曲だと思う。

そのまま自然な流れで大ヒット曲『悪の華』がスタート。

そもそも僕がBUCK-TICKに最初にハマったのもこの『悪の華』でした。

BUCK-TICKを最初に知ったのは高校生の頃だったかな。

当時好きだったのはTMネットワークにBOOWY(からの氷室京介)、尾崎豊でした。

B’zもその頃にデビューしてたけど、まだ全然無名の時代。

TMネットワークのライブで、木根さんよりも目立っているギタリストがいるなぁ!

と思ってた人が、サポートギタリストを務めていた松本さんだった。

そんな頃。

僕のアンテナにも引っかかっていなかった頃だから仕方がない。

僕がB’zと出会うのは、あと2年くらい要するのだから。

そう、そんな時代の僕とBUCK-TICKとの出会いは、大晦日にテレビでレコード大賞を見ていた時に、新人賞で登場していたのが目に入ったのが最初でした。

長い金髪を逆立てて固めている派手なスタイルは見た瞬間に印象に残るほど強烈でしたねぇ。

そして歌ったのが「JUST ONE MORE KISS」

なかなかカッコいい曲だなぁとは思ったけど、その時はそれよりもアルバム大賞を受賞していた氷室京介さんの方ばかり注目していたように覚えてます。

テレビをそんなにみる方ではなかったのにレコ大見てたのは、氷室さんが出るって聞いてからでしたね。

その後、大学生になったぐらいの頃にラジオで聴いた「悪の華」がすごいカッコよくて、収録しているアルバムが出たら即購入しました。

これも何度も何度も聴いていたっけ。

今にして思えば、B’zを知って好きになったのとタイミング的にはほぼ同じなんですよね。

大学の行き帰りでウォークマンでは大体B’zかBUCK-TICKを聴いていたものです。

BUCK-TICKを好きになったきっかけでもある「悪の華」

最初に聴いたシングル版ももちろん好きなんだけど、「殺シノ調ベ」に収録されているアレンジ版は輪をかけてカッコよくて。

このアルバム「殺シノ調ベ」はベストアルバム的な位置付けなのだが、実は全曲新録されています。

リミックスではなくセルフカバーしてるんですよ。

なので全曲がほぼ新曲のように生まれ変わっています。

「スピード」にしろ「JUPITER」にしろ、新録に際してのアレンジが絶妙でどれも原曲より良くなっているのでは?と思うばかり。

「M・A・D」になると原曲の面影すらない全然別な曲として生まれ変わっていて。

なのでヒット曲を集めたベストアルバムではなく、1曲1曲の繋ぎ方や構成まで考えられた、コンセプトアルバム的な内容にもなっているんですよこれが。

1曲目の「ICONOCLASM」からラストナンバーの「HYPER LOVE」までノンストップのように息継ぎする間もなく進行していくこのアルバムは、CD全体で1つの曲となっている、オーケストラ作品のようなアルバムと言っても決して大袈裟ではないと思います。

中でも特筆すべきは、10曲目「…IN HEAVEN…」から11曲目の「MOON LIGHT」への繋がり。

寸分の間もなく実に絶妙なタイミングで見事に繋がるのは芸術的とも言えるほど。

残念なことに配信されているものや、スマホやMDにコピーするとプログラムの関係が、ほんの少しの間が発生してしまうんですよねぇ。

この絶妙すぎる神がかった曲と曲の繋ぎについては、興味があったら是非、CDというメディアで聴いてほしいです。

今回、僕も久しぶりにCDで聴いてみて、このアルバムはCDで聴いてこそと改めて思いましたよ。

訃報を受け、ここ数日は車の中でCDをずっと聴いています。

櫻井さんの声が耳に、脳に染み込んでいく。

20代の頃であろう若かりし頃の櫻井さんの歌声。

そういえば20代当時のあの頃、カラオケにいったらよく『悪の華』や『スピード』、『JUPITER』や『ドレス』を歌っていたっけ。

櫻井さんの声に”憧憬”を抱きながら、時に女子へのアピールという下心も兼ね備えながら、なりきろうとして歌っていたあの頃。

どのようにひっくり返っても、なり切れるはずもない櫻井さんの歌声を、女子へアピールする必要もなくなった現在に久しぶりに聴きながら、信号待ちをしている間に少し曇りがかった夜空を仰いだ。

雲の切れ間に朧げな月が見えている。

あなたがいなくなってから、こうやって久しぶりに聴くことになるなんて。

今回は、BUCK-TICKの櫻井敦司さんを偲んで記事を書きました。

アルバム「Six/Nine」を最後に、僕はBUCK-TICKから少し離れてしまいました。

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本当の意味でのベストアルバム「catalog」は買ったけれども、好きだったBUCK-TICKのベストアルバムが出るんだ的に買ったものでしたか。

したがって、実質的に好きなアーティストの新作として購入したのは『Six/Nine』が僕にとっての最後になります。

でもそれは決してこのアルバムがダメだったからとかいう理由じゃなくて。

えらい暗くなったとか、方向性変わった?とかでもなくて。

どちらかといえば好きなぐらいのアルバムでして。

言い訳ではなく本当に、この『Six/Nine』も当時は何周も何周も聴いたものです。

BUCK-TICKに飽きたからだとか、嫌いになったとか、そんな理由でもなくて。

それでは何故、ずっと聴いていたBUCK-TICKを聴かなくなったのか、理由はとっても単純で。

今も大好きで聴いているB’z一途に、ズッポリとハマりはじめたのがその頃なんです。

それまではB’zだけでなくBUCK-TICKや氷室京介さん黒夢も並行して一緒に聴き続けていた僕が、その頃にB’z一筋になり他のアーティストのCDを買わなくなりました。

つまりはそういうことだったのです。

『Six/Nine』が出たのは1995年。

その年のB’zは前年のブルーズ志向を打ち出した『The 7th  Blues』を経て『LOOSE』を発売した絶頂期。

その年のLIVE「BUZZ‼︎」にも初参戦して生のB’zを初めて体験。

「LOVE PHANTOM」をテレビやラジオ、CDといったメディアではなく、生のライブで初めて聴いたその衝撃。

ここで僕は完全にB’z一筋となります。

BUCK-TICKだけでなくその他のアーティストのCDも、この年あたりを皮切りに所有しなくなってます。

それでも、それまで持っていたCDを処分することはなく、思い出した時に昔を懐かしむように聴くことはよくありました。

そんな時もやはり「殺シノ調ベ」を聴くことが多かったように思う。

そして今また聴いている「殺シノ調ベ」

櫻井さんの歌声。

あの頃、憧れていた櫻井さんの声が、空を包む雲の切れ間に吸い込まれていく。

雲の合間に見える月。

流星は空に舞っているのだろうか。

あなたはそこで、優しく手を振っているのだろうか。

サヨナラ

優しかった笑顔。

心より、お悔やみ申し上げます。









コメント

  1. より:

    はじめまして。
    キン肉マン大ファンで同時にBUCK-TICK大ファン、共に歴ウン十年の者です。
    訃報を受けて何も手につかないこの週末、ようやくもうひとつの大好きであるキン肉マンの記事を読もうかなという気持ちになり、初めてこちらを訪問し、昨晩から関連記事を読み耽っていました。
    リアタイでコミックスで読んだときのワクワクを思い出し、一コマ漫画にフフっとなり…
    最新の感想ページを開いたとき、不意打ちで来ました「次のページ」に表示された本記事。
    胸に来る、でもとてもやさしいエピソードをありがとうございました。
    櫻井さんは最後まで最高にかっこいい櫻井さんのままでした。
    キン肉マン感想記事からの不意打ちすぎて思わずコメさせていただきました。
    長文申し訳ございません。
    これからも読ませていただきます!

  2. たけG より:

    >み さん
    はじめまして!コメント、ありがとうございます!
    キン肉マンの記事から来られたのですね。
    一コマ漫画も見ていただき、とても嬉しいです。
    BUCK-TICKについては記事にも書いている通り、最初の頃の5年ぐらいしか聴いていなかったのですが今回の訃報を聞いて、大変ショックを受けました。
    久しぶりにCDを聴き、櫻井さんの歌声を聴いているうちに思わず文章にまとめたくなったものです。
    こちらも読んでいただき、ありがとうございます。
    こちらこそ、これからもよろしくお願いします!

  3. より:

    たけGさん、お返事くださって有難うございます!
    きっと櫻井さん、安らかに、眠るように瞳閉じられたのでしょう…。
    落ち込むというより茫然自失としてる中で、一コマ漫画のおかげで3日ぶりくらいに笑えまして。
    とても救われた気持ちになりました!
    本当に有難うございます。
    特にウィキ見るエクスキューショナーとビッグボンバーズ新パートナーオーディションにはブホ!となってしまいました。
    これからも元気が出る漫画、楽しみに見させていただきますね~。

  4. たけG より:

    >み さん
    過去に描いたものから最近のものまで見ていただき、本当にありがとうございます!
    とても励みになります^^
    下手っぴなイラストですが、笑顔と元気を出せるよう今後も精進していきたいと思います。
    頑張ります!٩( ‘ω’ )و

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