槇原敬之「もう恋なんてしない」思い出したくない過去の失恋体験がフィードバックする名曲

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※画像はイメージです。念のため。

どーも、たけGです。

マッキーこと槇原敬之さんの「もう恋なんてしない」

マッキーは恋愛の歌を書かせたら天下一品だと思います。

それもドラマのような恋愛ではなく、現実にありそうな恋愛を書かせたら日本一ではないでしょうか。

そんな彼の名曲、「もう恋なんてしない」は、こんな失恋してみたかったと言えるような歌と言いますか。

のっけから矛盾しますが、失恋なんてしない方がいいと思うわけで。

しない方がいいと言うか、したくないと言うか、ってか、今失恋してしまったら、イコール離婚なわけで、んなこと考えたくもないわけで。

ですが、過去を見ればそりゃ失恋した経験はあるわけで。

以前にも書いたような気がしますが、恋愛経験は豊富な方ではないです。

その分、失恋経験が豊富かと言えば、そちらもそんなに豊富なわけでなく。

失恋の達人である桜木花道のように、好きになった相手に振られ続けることは、振られることを恐れない勇者の行いであって、僕のようなヘタレは誰かを好きになっても恋愛に発展するどころか、失恋するまでにも至らないわけなんですよぉぉぉぉぉぉぉ。

そんな僕が数少ない失恋の経験を思い返すと、なんだか落ち込んで落ち込んで、思い返したくもない目も当てられない思い出ばかりで。

振られた相手に対する未練ばかりで、毎日毎日ずっとウジウジしていました。

ちょっと話がそれますが、「あなたのことはそれほど」というテレビドラマがありました。


このドラマでは、波瑠さん演じる主人公の女性が、夫以外の男を好きになってしまって…という内容でした。

東出昌大演じる夫は、妻の浮気を知って、あの手この手と粘着質サイコさんのように妻の気持ちを引き戻そうとするのですが、負のオーラ全開に“幸せだった頃の二人の関係”を取り戻そうと回を追うごとに狂気をはらんでいく夫に、僕はどこか感情移入しながら見ていました。

そして最終回、火サスのクライマックスシーンのような崖の上で、妻が夫に対して、「そこまで私のことを想ってくれるのなら、私はもう一度やりなおしてもいい」と、一度は気持ちが離れた夫への復縁を持ちかけるのです。

それに対して夫は、「今となっては、みっちゃん(妻)のことはそれほど、」と、妻の申し出を一蹴するのです。

夫を傷つけ、苦しめ続けてきた妻から、やりなおそうと言ってきたことに対し、夫が今の思いを痛烈に突きつけたうえで、自分の方から妻を振っての別れを決断するというスカッとする清々しい終わりとともに、「あなたのことはそれほど」というタイトルは、妻の夫に対する気持ちではなく、この最後の夫の妻に対する思いだったのかー!と、感慨深く思ってしまいました。

話が横道にそれると長くなってしまうのは僕の悪い癖ですが、何が言いたいのかというと、この最後のシーンで、僕がこの夫だったら、こんなに爽やかに別れを選んだりせず、むしろ妻の復縁の申し出を喜んで受けてしまうんだろうなあということ。

それほど未練がましく、以前の失恋で、付き合っていた元カノから他にも好きな人が出来たと別れを告げられたあとも受け入れられずに何日も何日もウジウジしていたこの僕なのです。

で、本題に戻って、この名曲「もう恋なんてしない」ですが、こんな思い出したくもない失恋経験しかない僕が、この歌を聞くたびに、ああ、こんな前向きな失恋であったのなら、こうやって過去を思い返す度に嫌になるようなことはなかったのかなと思うのです。

この歌は、彼女と別れたあとから始まります。

「紅茶のありかがわからない」

というフレーズから、一緒に暮らしていたんだなあということが窺えます。

そして、

「朝食も作れたもんね」
というフレーズ。

ご飯は全部、彼女が作っていたのでしょうね。

君がいなくなっても、朝食くらい作れているよ!という、いなくなった君へのアピールでしょうが、それが出来るだけで十分に前向きです。

僕なんて、しばらくご飯が喉を通らなくなって、友達から病的と心配されるくらい痩せていきましたから。

「さよならを言った君の気持ちはわからないけど」

ここは同感でした。

ま、最初の失恋は理由などはわかっちゃいたのですが、2度目の失恋に関しては当初、本当にワケがわからなくて、戸惑っていましたから。

その理由を知ったのは、別れてしばらく経ったあとでしたけど。

「いつもより眺めがいい、左に少しとまどってるよ」

ここは神フレーズですね!

今の奥さんと歩く時もそうですが、基本、パートナーの女性が自分の左側を歩きますよね。

当たり前にいた彼女がいなくなったことで、眺めが良くなったと思う彼の心境は、あまりに素晴らしくて、想像すれば、あまりに寂しい!

昨日まで、当たり前に傍にいた人が突然いなくなってしまったことが、このフレーズに集約されているのですから。

「もし君に一つだけ、強がりを言えるのなら

もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対」

と、タイトルに直結するサビのフレーズ。

「もう恋なんてしない」というタイトルは、2度と恋なんてしない!というような後ろ向きな歌ではなく、傷ついても、落ち込んでも、もう恋なんてしないとか言わずに新しい恋を見つけるよ!というような前向き宣言な歌であることがわかるわけなんですが、あの頃の僕は、もう恋なんてしないで終わってしまうくらいに後ろ向きだったわけで。

「○○(当時の彼女)以外の誰かを好きになんてなれない!」くらいの女々しいことを訴えてた覚えがありますねえ。

そして歌は2番に以降。

「2本並んでいた歯ブラシも、君の趣味で買った服(おそらくは彼女ではなく自分で着る服)も、もったいないけど捨ててしまおう」

と、彼女にまつわるものを捨てていく決意を見せてます。

男らしく、いさぎよく、と過去を手放そうとする姿はセンチメンタルでもなんでもなく、前向きな姿勢ですよ。

僕なんて、元カノが残していったものを全然捨てきれず、いつか彼女が戻ってきたときに、大事にとっていたんだよと見せてあげようくらいに女々しく思い続けて、別れた元カノのことをようやく吹っ切った頃には、そんなことをすっかり忘れていて、それが新しい彼女に見つかって、めちゃくちゃ怒られる経験すらしたことがあるくらいなんですから。

「君宛ての郵便がポストに届いてるうちは、かたすみで迷っている背中を思って心配だけど」

彼女あての郵便が届き、彼女のことを心配しているということかな。

僕と言えば、別れた後で、彼女は今どうしてるかな?別れたこと、実は後悔して言いだせなくないかな?とか、自分に都合のいい心配をしていた記憶はありますね。

そして、元カノ宛の郵便が届いていたなんて日には間違いなく、連絡する口実に使っていたでしょうね。

お互いの部屋に泊まることはあっても、住所変更して同棲していたわけではないので、元カノ宛の郵便がポストに届くなんてことはなかったのですが。

「2人で出せなかった答えは、今度出会える君の知らない誰かと見つけてみせるから」

なんて、素敵な前向き発言!

それも君あての郵便がポストに届いてるうちですよ!

別れてまだそんなに経ってない時期だと思われますね。

そんなうちは、まだウジウジしてずるずるずるずる引きずっていましたよ。

次に出会える誰かとの未来なんて、考えられなかった頃ですよねきっと。

そしてラスト。

「本当に本当に君が大好きだったから、

もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対」

堂々の前向き宣言!

君のことが本当に好きだったから、君との時間が大切だったからこそ、自分もまた恋をして、好きな人を見つけて幸せになるよ、という別れた君への、安心して君も幸せになってよというエールともとれますね。

僕は、この心境になれるまで、どれだけの時間がかかったことか。

この歌の主人公のように、君のぬけがらがまだあるうちに、こんな心境で離れていく彼女を見送るなんて出来なかったですよ。

繰り返しますが、本当に女々しくて、彼女からの別れを受け入れられなくて、本当に、本当に君が大好きだったとか過去形ではなく、今も、これからもずっと好きなんだよー!って訴えて、なんとかしがみつこうとしていましたよ。

ああ、本当に思い出したくない…

元カノに振られたという思い出ではなく、その時の自分の醜態と、半年近くは引きずっていたのではと思われる自分の女々しさを…

この歌のような気持ちで現実に向き合えていたのなら、もっと違う気持ちであの頃を振り返ることが出来たのかもしれないと思う度に、この歌のような失恋をしてみたかったと、つくづく思うのです。

あの時、元カノが、「私のことは早く忘れて、もっと素敵な人に出会って○○ちゃん(僕の当時の呼び名です…)には幸せになってほしい」と言われました。

まさに、この歌の主人公のような心境で前向きになってほしいという彼女なりの優しさだったのでしょうか。

それが本心だったのか、はたまた綺麗に別れたいという彼女の思いだったのかはわかりません。

そんな心境になれなかったことは繰り返し書きましたが、時間をかけて、どうにか前に進むことが出来て、今に至っているわけです。

あの頃は本当に辛かったけど、あの時の別れを経ることで、その後、今の奥様と出会い、あの頃よりもずっと幸せに巡り会えたんだと思うと、思い出したくはない過去だけど、あの失恋があって良かったのかな、とも思えるのです。

もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対。

だって、今も奥さんに恋してますから。

なんて、まとめてみたり。

コメント

  1. Tuyoポン より:

     たけGさん、お久しぶりです。
    4連休2日目の本日、たけGさんのサイト記事を最初から流し読みしていて、いやはや何とも・・・。
    前にも言いましたが。あまりにも好みが似ているので(思わず苦笑)
     マッキーの「もう恋なんてしない」は私も大好きな曲なんですよね。詩についてはたけGさんが解説してくれているので (*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪その通り~って(笑)
    B’zも熱狂的なファンでは無いですが大好きです。ギターを弾くので松本君が好きなんです。
    ゴジラも大好きなので、映画の解説最高でした。
    たけGさんの最後のまとめのお言葉・・・
    >もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対。
    だって、今も奥さんに恋してますから。
    なんて、まとめてみたり。
    なんて素晴らしいのでしょう。
    私も結婚して35年になりますが、たけGさんと同じです。
    還暦の爺がこんな事言うのは非常に恥ずかしいのですが、
    私も「今も奥さんに恋してますから」・・・・。

  2. たけG より:

    >Tuyoポンさん
    お久しぶりです。
    4連休はゆっくり休めましたでしょうか?
    貴重な連休に駄文の多いこのようなブログを読んでくださって、いやはや…ありがとうございます。
    うわぁぁぁ。
    こんな小っ恥ずかしいこと、書いてましたねぇ。
    すっかり忘れてました。
    しかし奥様に恋されて35年、僕より年季が入ってます。
    人生の師と仰ぎたいほどですTuyoポンさん。
    ギターも惹かれるのですね。
    僕はもっぱら聴く専門ですが、Tuyoポンさんのギターのお話も、いつかお聞きしたいものです。

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