3DS「真・女神転生Ⅳ」思い出語り・悪くはないけど閣下の描きかたに異議アリ!

3DS

賛否両論渦巻いた「真・女神転生Ⅳ」の良いところと悪いところと、擁護できないところと。

どーも、たけGです。

⚫︎はじめに。「真・女神転生4」について。

今回のお題、「真・女神転生Ⅳ」



僕は女神転生(メガテン)シリーズが大好きで、ナムコ発売の「女神転生」からずっと、ナンバリングタイトルは一通りクリアしてきています。

シリーズの原点である「デジタルデビル物語 女神転生」、その続編である「女神転生Ⅱ」はファミコンで発売。
タイトルに「真」がついて発売がナムコからアトラスへと変更した「真・女神転生」と、その続編「真・女神転生2」はスーパーファミコンで発売。
10年近くの空白期間を経て発売された3作目「真・女神転生3」はプレイステーション2で発売。

その後、再び10年近くの空白期間を経て発売された今作、「真・女神転生Ⅳ」はNintendo3DSで発売されました。

まさかの携帯ゲーム機での発売という発表にずっこけた人も多いかもしれません。
当時は反対意見も多かったように覚えています。

ですが、僕個人としては大歓迎の発表でした。
と、言うのもその頃は据え置きゲーム機でほぼ遊んでなかったんですよね。
WiiもWiiUも、PS3もPS4も持っていませんでしたから。

ゲームといえばDSや3DS、PSPで遊ぶことがほとんどだった僕にとって、3DSでシリーズ最新作を発売するという発表は、よくぞ決断してくれた!と、思える気持ちの方が強かったんですよ。
だからナンバリング最新作を3DSで発売すると言う決定は大賛成の大歓迎だったんです。

一方で、ゲーム画面が発表された時には、少し、いやかなりガッカリしたこともありました。
女神転生のモンスター、悪魔のデザインと言えば電脳悪魔絵師と呼ばれる金子一馬氏が長く担ってきていたのですが、今作では社外の有名なデザイナーの方々が新規悪魔絵をデザインされていたのですが、これがまあ金子一馬氏デザインのものとかけ離れすぎていて。
このデザインは素晴らしいものではあるけれどメガテンではないよね!と思えるデザインばかりでそこにちょっとガッカリ感はあったのですが、ここについては本当に"ちょっと"でした。

ガッカリしたのは従来の金子一馬氏デザインの悪魔たちが出ている戦闘画面。
そこで描かれている悪魔たち。

これ、旧来のデザインそのままの使い回しやん…と。

戦闘画面で見られる悪魔たちがDSで発売された「真・女神転生ストレンジジャーニー」のものをそのまま流用されていた事にガッカリしました。
更に振り返ればこのデザインデータはおそらく、セガサターンで発売された「デビルサマナー」シリーズから続けられている2Dメガテンシリーズのデザイン流用なんですよね。
「ストレンジジャーニー」や、同じくDSで発売されていた「デビルサバイバー」シリーズは外伝や派生作品だからまだいいとして、本編のナンバリング最新作である今作は、ここも手を抜かずにしっかりと作り直して欲しかったです。
もしくは流用するならナンバリング前作である「真Ⅲ」から持ってきて欲しかったですね。
3DSのスペックならそれは可能だと思うし、PSPの「ペルソナ3ポータブル」ではそれが出来ていたはずですから。

同じく3DSで発売された「ドラゴンクエスト7」のリメイク版のモンスターグラフィックスは全て新規で作り直されていたので、ここはメガテンにも頑張って欲しかったところです。
遊んでみてからわかったのですが、「真Ⅳ」のボリュームは半端なかったので、モンスターグラフィックスを描き直すのに手が回らなかったのかもしれませんが、「真Ⅲ」から10年近く空いてたのでやっぱり妥協はしてほしくなかったものです。

「真Ⅳ」発売前に感じていた不満はその一点でした。

⚫︎その世界観

さて、その後発売された「真・女神転生Ⅳ」

その世界観はどうなのか?
時間軸はこれまでのシリーズ作と繋がっているのか、どうなのか?

「真Ⅰ」から「真Ⅱ」は物語、世界観が繋がっていました。

そのまま地続きの世界観だったんです。
「真Ⅱ」の後に発売された外伝の「真if…」も世界観を共有していました。
ですが、「真Ⅲ」で一旦世界観をリセット。

新たな世界観を構築しました。
その後発売された外伝作品「ストレンジジャーニー」でも、再び世界はリセットされました。

そして今作の「真Ⅳ」ですが、「真Ⅰ」→「Ⅱ」や「SJ」と世界観を一部共有しているような描写も見られましたが、物語自体は地続きではないようです。
再びリセットしてのスタートで間違いないでしょう。

(真Ⅱと繋がっているような匂わせはあったのですが)

グレゴリ歴1492年。東のミカド国に・・・

で始まる真Ⅳの物語。
外伝を除き基本的にナンバリングの物語は「東京」が舞台になっているので、最初のこの導入に関しては意表を突かれました。

「こんなのメガテン(のナンバリング)じゃねぇぇぇぇ!」

なんてことも最初は思いましたけども。
それは、基本的にプレイするゲームの情報は封印して、事前には目にしないでからスタートすることを常にしているので、その後の展開を知らない故での最初の感想でした。

でも、この「真Ⅳ」ですが。
プレイ後にいろんなとこで評価やレビューを目にしましたが賛否両論渦巻いてますね。
どちらかと言うと、否寄りの意見が多いようです。
酷評されていることもあるようでした。
それらの評価を踏まえた上で感想を述べたいと思います。
出来るだけ重要なネタバレをしないように語りたいとは思いますが・・・。

うっかり書いてしまっている可能性もあるので、その辺はご容赦ください。

ちなみに、個人的には「真Ⅳ」は楽しめました。
好きか嫌いかで言えば好きな作品です。
もちろん否定的な部分もあります。
その上での感想です。

先に書いたように、一新されたその世界観。
やがてはメガテンらしく東京に繋がるのですが、導入部はメガテンとは思えないファンタジーな世界観。
ナンバリングではなく「ラストバイブル」の新作なのでは⁉︎
なんて思ってしまったぐらいです。(携帯機だしね)

まぁこの世界観はありと言えばありかな。

個人的にですが。

東のミカド国と東京の繋がり、それぞれの時間軸。
最初の頃はキチジョージ村なんて地名や、かつての文明品が遺物として扱われているなどの描写もあったので、「真Ⅱ」あたりから1000年近く経った世界なのかも⁉︎
なんて期待したりもしたのですが…

まったくそんな事はありませんでしたね!
その2つの世界の関係性が判明した頃には、かなりの齟齬があってモヤモヤさせられたものです。
その後の続編、「真・女神転生Ⅳ FINAL」で全ての謎が判明されたのですが、続編を匂わせての伏線の放りっぱなしはどうなのかなあ。
「真Ⅰ」や「真Ⅲ」も多少そんなところがありましたが、モヤモヤさせられるほどの放りっぱなしはなかったかなぁと思いますねえ。

⚫︎ナンバリング初のボイス導入。

キャラクターのボイス付きについては、これはとても良かったです!
やっぱりキャラクターの造形や世界観の深みが一層増します。
主人公はメガテンシリーズお馴染み、全く喋らないドラクエタイプの主人公なのですが、周りのキャラは喋る喋る。
文章を読むだけなのと、実際に耳で聞くのは感情移入も違ってきます。
演出面でもプラスでした。

お気に入りはストーリー中盤あたりだったかな。
魔界の門を開くスイッチ。

そのスイッチを押せとばかりに選択肢を迫られる主人公。
その選択肢を熟考しているその後ろで、阿修羅会のタヤマさんが訴え続けているんですよ。

「おい!そこのポニーテール!よく考えろ!」

みたいな感じで。テキストはありません。
言うなれば効果音の一種ですね。
選択肢を熟考せずに即決したら、その訴えを長々と聞くこともありません。
この演出、好きだったなぁ。


声優によるボイスの導入で演出面に深みが出ていたと思います。

⚫︎キャラクターの心理描写について。

一方で演出、シナリオで言えば否定的意見の中で多く聞かれるものに、キャラクターの心理的描写の少なさがありますね。

特にサブキャラクターのワルターとヨナタン。
声の演出もあり、2人の個性は良く出ています。
道中の2人との会話も良く描かれていて好感が持てます。

それだけに、なぜこの2人が最終的にそれぞれの選択をするに至ったのか。
そこに至るまでどんな出来事があり、葛藤をしたのか。
その辺の心理描写がしっかりと描かれておらず、物語を追っているだけでは唐突すぎるのでは?という意見。
これは尤もです。
それぞれのバックボーンこそあれ、そこに至るまでの2人の心理的描写はほとんどないです。

今作と比べて「真Ⅰ」のカオスヒーローとロウヒーローは、会話シーンも「真Ⅳ」の2人ほどはなく、演出も昔のゲームらしくあっさりしていました。
ですが、限られた情報の中で決定的な選択肢に至るまでのそれぞれの葛藤や道程が描かれていたように思います。

それが今作の2人にはない。
出自がカジュアリティーズ(一般市民階級)とラグジュアリーズ(貴族階級)の違いがあり、身分差別がある世界で生まれ育った2人。
ですが、それぞれの思想の違いこそあれ、力で虐げられ続けたような描写があるわけでなし、恋人を救えなかったような描写があるわけでもない。
今作を、映画を観る、小説を読むような感覚で物語を追っていたら説明不足は否めないでしょう。

でも、個人的にはこの点については特に不満はありませんでした。

あくまで個人的にです。

僕個人のRPGの楽しみ方は、主人公になりきってその世界に入り込むこと。
主人公=自分自身なんです。
フルボイスが当たり前になってきた昨今。
ドラクエタイプの喋らない主人公はイベントシーンにおいて、無口なだけのキャラクターだなんて揶揄されることも多いですよね。
でも、僕の場合、イベントシーンにおいて主人公はしっかり会話に参加してるんですよ。

僕の頭の中で。

脳内変換と言えばわかりやすいでしょうか。
ドラクエの主人公もメガテンの主人公もMOTHERの主人公も、モンハンの主人公だって、僕の頭の中で会話をしています。

元々が「ウィザードリィ」が好きだったせいもあるのかもしれませんね。
WIZでは6人のパーティキャラ全てに個性を設定して脳内で物語を作り、要所要所で彼等は会話をしていました。
ワードナとも、ソーンとも対峙した時にはキャラクターたちが対話してましたよ!
僕の頭の中で。

で、今作のワルターとヨナタンについてですが、主人公=自分自身であり、彼等は出会ってから間もない友人です。
短い期間で意気投合し、仲良くなろうとも彼等にどんな過去があり、悩みがあり、決断に至るまでの葛藤があったか、それを知る由もありません。

現実の人間関係だって無くはないでしょう?
悩みを打ち明けられてから、そんなに深く悩んでいたことに驚くことも。

ゲームの中で主人公=僕は、彼等がカオスやロウに傾倒しはじめた時には、オロオロしながら彼らへ自身の主張を訴えてましたよ。
もちろん、僕の頭の中で。
ニュートラル設定の優柔不断で若干弱気ながら、最後には強い意志と決断力を発揮するリーダータイプのキャラに脳内変換してましたからねえ。

不満があるとすればイザボーちゃんかな。
今作のヒロインキャラだと思うのですが、過去作のヒロイン達と比べると魅力に乏しくて。
彼女に関してはワルターとヨナタン以上にゲーム上での心理的描写が乏しかったこともありますが、それ以上に彼女の役割がヒロイン然としていないんですよ。
と、言うのも「真Ⅰ」のヒロインにしろ、「真Ⅱ」のヒロコにしろ、「真Ⅲ」のヒロインキャラ(個人的)の祐子先生だって世界の根幹に関わるキャラだったのですよ。
「女神転生」の名に相応しい役割を持っていたと思います。

が、イザボーちゃんにはそれがない。
こればっかりは脳内変換できる問題ではないので、僕の中では彼女と仲間以上の関係に発展することはありませんでした・・・
イザボーちゃん自身は、どうやら今作の主人公=フリンに思いを寄せているような節がその後の「FINAL」で垣間見られたのですけどね。

「FINAL」のフリンは僕の分身ではなくフリンという別人なので、「無印Ⅳ」ではゴメンねイザボーちゃん。
君が、漫画にハマってしまう設定は好きだったよ。

まあこんな感じで、キャラクターの描写の薄さに関しては個人的には特に不満がありませんでした。
でも、こんな内向的な楽しみ方をするのではなく純粋に「真・女神転生Ⅳ」の物語を鑑賞するような遊び方であれば、キャラクターの描写の描き足りなさは間違いないでしょう。

不満がないのは、あくまで個人的な意見ということで。

⚫︎悪魔のデザインについて。

今作では悪魔絵師の金子一馬氏による新規デザインはありません。
代わりに様々なイラストレーターによる新規デザインやリファインされた悪魔のデザインが投入されています。
これについては賛否両論というより、否定的意見が渦巻いていたと思います。

シド・ミードがデザインした∀ガンダムが発表された時の、「アレはない!」意見に通じるものがあったのではないでしょうか。

僕も「真Ⅳ」の最初の情報を見た時には「いやぁ、さすがにこれはねぇなぁ」って思いましたもの。

これが他のゲームだったなら、とても秀逸なデザインだと思います。
戦闘シーンのモンスターグラフィックもそうですが、イベントバトルなどでアップになった時は神がかったアートですよね。

だけど、これ、メガテンなのよね・・・

従来の金子デザインの悪魔達とともに出てくる新規デザインの悪魔たち。

異なるデザインの悪魔たちが混在する世界。
違和感バリバリっていうか、メガテン風に言えばカオス極まりないっていうか。
むしろいっそのこと全ての悪魔が新規デザインだったなら、ここまでの違和感もなかったんじゃないでしょうか。
鳥山明先生デザインのドラクエの世界にに荒木飛呂彦先生デザインの新規モンスターが紛れ込んでいるようなものなんですよ。
荒木先生デザインのモンスターばかりの新規ゲームなら全然問題ないですが、それが鳥山先生デザインの世界で統一されているドラクエの世界となると話も変わってきます。
そこにシビれもしないし、憧れも出来ないわけで。

でも、まぁそんな感じで文句を言いつつも、遊んでいくうちに慣れていきました。
ミカエルら四大天使があんなでも、マサカド公があんなでも、初めて目にする異形の存在ということで脳内変換しました。

おヒゲのガンダムも、今や全然オッケーで、むしろ好きなくらいですしね!

それでもね・・・

それでも、変えてはいけないものはあるだろう!

絶対にそこだけは触れてはいけない聖域というものがあるだろう!

⚫︎シリーズお馴染みのルシファー閣下について。

最初の方に書きましたが、僕は事前情報はシャットアウトしてゲームに臨みます。
雑誌も関連サイトも一切封印しています。
新鮮な驚きを楽しみたかったんです。

ゲームも終盤まで進んでからの衝撃の出会い。

ルシファー閣下・・・。

あなたのその変わりようはないでしょう・・・。

デザインを変えるなとまでは言いません。
実際、ナムコ発売の旧メガテンから真メガテンで、一度大きくリファインしています。
(むしろ旧メガテンⅡの閣下はシビれるほどカッコよいです)
ペルソナでリファインされた閣下も受け入れられました。

でも今回の閣下はないよ・・・

なんだよ、この疲れたオッさんは・・・

最終形態、6枚羽根は確認できましたが、ガリッガリの疲れたオッサンにしか見えませんでした。
旧シリーズの、それぞれの閣下が持っていた神秘さも荘厳さも圧倒的な畏怖すらも、微塵も感じられなくて・・・

閣下の人(?)としての仮の姿、そのキャラクターもいただけません。
デザインだけでなく、キャラクター性まで劣化しています。

閣下と言えば、その仮のお姿も時に紳士、時に子供、時に老人でしたがその都度、人の姿をして人にあらず。
人を暗黒へと誘惑するまさに悪魔の中の悪魔として描かれていましたが…


なんでしょう、今作の仮の姿は・・・
まさかのJKキャラとは。

初見は全然それらしい節が見えなかったから、全く想像できませんでしたよ・・・
むしろイザボーちゃんがあんなだから、真のヒロインキャラではないかと思ってたぐらいで。

いやいや、仮の姿が女性ではダメだなんて言いません。
デビルマンの飛鳥了がそうであったように、閣下が両性具有であっても別に驚きません。
っていうか、DS「ストレンジジャーニー」で既に閣下の仮の姿が女性として登場してましたが、あちらの女性閣下は全然違和感なく、無機質の美しさと恐ろしさを両立させていた。新しい閣下のキャラクターでした。

でも今作のJK閣下は飛鳥了のように記憶を失っていたわけでもなさそうで、えぇぇ閣下が閣下としての自覚があるのにあんな喋り方をしていたの⁉︎
というコレジャナイ感しかありませんでしたよ。

ただ、最初に遊んだニュートラルルートでは、そのJKキャラが閣下だとは明かされなかったんですよ。
ニュートラルルート確定してのストーリーに、あのJKキャラ、ヒカルちゃんは全然絡んで来なくなって。
あれ?結局あの娘は一体なんだったん?と、途中で思い返した次第でした。
その後、カオスルートでやり直してからその衝撃の事実が判明。
仮の姿との最初の出会いから思い返して、真のお姿を明かされるまで拝見して、えええええ⁉︎
それは、今持って受け付けられません。

「FINAL」クリア後でも、その失望感はリベンジ出来ませんでしたねえ。

「FINAL」にはヒカルちゃんはもう出てきませんでしたが。

Switchで発売されたナンバリング次作の「真・女神転生Ⅴ」では金子一馬氏デザインの閣下に戻っていたので、「Ⅳ」のアレはやはり失敗だったとメーカーのアトラスも認めたってことなのもですね。

「V」は「V」で仮のお姿は出てこられなかったのが残念でしたが。

ともあれ、シリーズでの推し悪魔であるルシファー閣下の真の姿も仮の姿も、そのキャラクター性まで受け入れられないものだったのが、今作最大の問題点だったと思うのです。

⚫︎今回のまとめ

今回は3DS「真・女神転生Ⅳ」についての思い出語りでした

長々と述べてきた今作について思うのは、今作が目指したものは「真Ⅰ」のリスタートだったのではないかと思います。

ロウとカオスとニュートラル。
それぞれの立場に分かれるかつての仲間同士の対立。
神と悪魔、ガイア教団の存在・・・
まさに「真Ⅰ」のリブート、悪く言えば焼き直しでしょうか。

ただ、今作がそれで成功していたか、と問われれば、個人的には楽しめた僕でも「否」と答えるしかありません。
と、言うのも神と悪魔、ロウとカオス、そして人間、ニュートラルという視点での再構築はDS「ストレンジジャーニー」で既に為されていたんですよ。

すでに「真1」のリブートの作品が出ていた後でナンバリング最新作である「Ⅳ」を出すのであれば、同じリブートを繰り返すのではなく、「Ⅲ」のようにこれまでのシリーズとは違う、新しい一歩を踏み出すべきだったのではないかと思うのです。

また、メガテン最大の魅力はそのダークなシナリオもさることながら、日常から非日常へ変化していく世界を描くことだと思っています。

「真Ⅰ」はその点非常に秀逸でした。
「真Ⅱ」は「真Ⅰ」から繋がっている作品だから最初から日常とはかけ離れた未来世界ではありましたが、これは正統続編なので仕方がない。

「真Ⅲ」も「真Ⅰ」と同様に、日常から非日常へと変わりゆく世界を体感出来ました。
「ストレンジジャーニー」も舞台こそ東京ではないですが、日常の世界に突如現れた異界の悪魔達に翻弄される人間たちが描かれていたと思います。

DSで発売された派生作品の「女神異聞録デビルサバイバー」は、東京を舞台にしてこの点が非常に優れていましたね。

その他のシリーズ関連作の「if」も「ペルソナ」も「デビルサマナー」も同様に、主人公を取り巻く世界は変わってゆきました。

対して「Ⅳ」はどうかと言うと、既に非日常となっている世界から始まります。
ナラクには当たり前のように悪魔がいるし、悪魔を召喚する機械も選ばれしものが使用できるものですが、東のミカド国には昔から存在するものです。
「真Ⅱ」のような描き方です。
そしてそれは、言ってしまえば、ドラクエやFFと変わりないんです。
最新作なので新しい視点で考えられたのかもしれませんが、メガテンとして考えると、この点はちょっと残念でした。

むしろそれこそわかりやすく、「真Ⅱ」から直接繋がった世界と明記してくれた方が良かったかもしれません。

総括すると、個人的にはとても楽しめたゲームですが、世の中で聞かれる否定的意見も頷かざるを得ない部分も多々あります。
でも、1本のゲームとして考えると難易度は高くもありますが、よく練られた良質のゲームだと思います。
メガテンとして考えると、新規デザインを受け入れられるならダークな世界観とシナリオは相変わらずなので充分オススメ出来ると思いますよ。

閣下へのこだわりがなければ。

今回はこの辺で。

いつかまたここで会いましょう。

お休みの間、悪魔に体を乗っ取られぬようお気をつけて…

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