「モスラ対ゴジラ」ゴジラが咲かせる悪の華!

ゴジラ映画レビュー

どーも、たけGです。

昭和ゴジラシリーズで1番好きな作品は?

初代の「ゴジラ」を別格とすれば、昭和のゴジラシリーズの最高傑作はどれだと思う?と聞かれたら、僕は迷わず今作、「モスラ対ゴジラ」を挙げます。

1964年4月29日公開
観客動員数720万人

“ゴジラシリーズ”、とは言ってますが、この「モスラ対ゴジラ」、どちらかと言えば初代「モスラ」の続編であり、モスラの対戦相手としてゴジラが出演したような内容です。

「モスラ対ゴジラ」のタイトルからして、モスラがメインに来て、ゴジラが相手役という明確さ。

前作「キングコング対ゴジラ」では、アメリカのスーパースターを迎える形でゴジラがタイトルの先頭を譲ったような感じもあり、映画の中では対等の関係でした。

一方で本作におけるゴジラは完全な悪役、ヒールに徹しているんですね。
ラストバトルの舞台になる島において、逃げ遅れた子どもたちがゴジラから逃げ、モスラがそれを助けに来るシチュエーションも、ゴジラが悪役に徹しているからこそ。
ラストは対怪獣の戦いにおいてゴジラが明確に敗北して終わるシリーズの中でも唯一の作品であり、ここからもゴジラが今作における主役ではないということが伺えます。


ですが、それでゴジラの魅力がスポイルされるわけでもなく、むしろ悪役に徹したからこそゴジラの魅力が際立っています。
初代における恐怖の対象とはまた違いますが、ゴジラに対する人々の脅威を感じる描写については、初代に匹敵する存在になっていると言えるでしょう。


その物語について振り返って見ましょう。

「モスラ対ゴジラ」感想

映画は、最初の方はモスラの卵を中心にした人間たちの物語を中心に進みます。

モスラの卵を見世物にして一儲けを企む者たちと、小美人に諭されて世論に訴えて卵をインファント島に返そうとする主人公たち。
利権を盾に卵を返却しようとしない者たちを前に小美人も人間を信じることを諦めます。


あとはモスラが卵から孵ることで人間たちは、日本はどうなってしまうのか。
運を天に任せるしかなくなる状況の中、突如としてこれまでの物語の中には絡んでいなかった招かざる客、ゴジラが登場、日本をパニックに陥れます。

この辺の流れが、とても秀逸で、何回見ても非常に好きです。


ノベライズ版の小説では、この辺が更に綿密に描写されていて、ゴジラが現れたら絶望しかないというのがより良く伝わってくるんですよ。

文章であるが故に、人々の緊張や恐怖といった心理描写がより一層伝わってきます。
モスラを中心に話が進んでいるところで、人類が1番に恐れるべきゴジラが登場してパニックになる。
これほどインパクトのあるゴジラの登場はなかなか見られません。


この映画は「モスラ対ゴジラ」というタイトルで最初からゴジラの登場がアナウンスされていますが、もしこの映画のタイトルが「モスラ2」とか「モスラの逆襲」みたいなタイトルでゴジラの名前を冠していなかったなら、ゴジラの登場はよりインパクトがあったんじゃないかなあと思います。

まぁゴジラの名前がなかったら映画の宣伝効果も落ちると思いますけどね。

ゴジラが唐突に登場、と書きましたが「ゴジラの逆襲」のようになんの脈略もない、本当に唐突な登場などではなく、冒頭で放射能を含んだ謎の物質が発見されるといった絶妙な伏線が貼られているのが本当に秀逸。
中盤でゴジラが登場するのが、唐突でありながらも登場人物たちが声に出さずとも微かに予感していた最悪の想像が現実になる瞬間のインパクトが大きいのは、やはりしっかりとした伏線が貼られていたからでしょう。

過去に日本を蹂躙したゴジラの存在を劇中に出てくる人たちが忘れておらず、心のどこかで恐れている。
その心理描写が本当に秀逸なんです。

最初は親モスラがゴジラと戦い、敗れ命を落とす。
それを双子として生まれた幼虫モスラが2匹で協力してゴジラを倒して仇をとる展開も、モスラを主役として描きながら悪役としてのゴジラの魅力を損なわない見事な構成の作品で、改めて見ても本当に好きな作品だなと思いました。

今回のまとめ

今回は「モスラ対ゴジラ」のレビューでした。

モスラと小美人を中心として人間の欲望からくる醜さを描きつつ、それでも信じることを忘れないことを描くドラマ展開。

そこにそれまでの話とは全く関係のないゴジラが入り込んできてもそれで破綻することなく逆に物語に更に緊迫感と清々しさを与える見事な構成の映画と言えます。
正直、特撮怪獣映画の枠を超えちゃってんじゃないかとも思います。
ここまで見事なのは昭和のゴジラシリーズの中では第1作と本作くらいじゃないでしょうか。

同じく大好きな「三大怪獣 地球最大の決戦」と並んで、1番回数重ねて見ている昭和シリーズ作ですが、個人的なキングギドラ贔屓が大きく作用している「三大怪獣」と比べても、1本の映画として非常に好きな作品と言えます。

「三大怪獣」はファミリー向けのエンターテイメント路線にシフトしてるので、粗も見られますから。
今作のゴジラがモスラやラドンとお話しするなんて信じられないもの。

そうそう、ザ・ピーナッツ演じる小美人が、とっても可愛い。
リアルタイム当時だったなら、絶対ファンになっていただろうなあ。

今見ても全然可愛いです。

今回はこの辺で。

いつかまたここで会いましょう。

小美人がモスラを呼ぶときのようにシンクロして名前を呼んでほしいと思う、たけGなのでした。

コメント

  1. A-chan より:

    こんばんは。
    破壊の限りを尽くし、モスラの卵を狙い、モスラの命を奪い、岩島の教師と児童達を恐怖させた事でシリーズ中でも完全な悪役扱いをされている「モスラ対ゴジラ」のゴジラ。
    泥の中にモコンと埋まった状態だったのが可愛いですが(笑)、このまま眠ったままだったらゴジラの上に工業地帯ができていたのですね(目覚めて良かったね、ゴジラちゃん)。
    初期の頃はゴジラは人間の味方では無かった事をこの映画で知りましたが、劇中の彼の行動を見ているとそれほど悪役には見えません。ただ本能のままに進行しているだけで壊すつもりで壊している訳では無く、手向かいする者だけに攻撃を仕掛けているように見えます。モスラの卵も、ただ興味があって近づいて行っただけなのかもしれません。
    モスラも卵を守る為とはいえ、ゴジラを殺したくは無かったかもしれません。その思いが幼虫達に通じたからこそ、ゴジラは生かされたのだと思います(まあ、幼虫のうちは殺傷能力は無いと思いますが)。
    この映画ではインファント島民の人間不信も描かれていますが、そんな中に丸腰でモスラの協力を頼みに行った3人は本当に勇気があると思います。島の外には悪人だけで無く善人もいる。これは勇気を出して触れ合わないと伝わらない事です。3人の思いが切実だったからこそ、モスラは力を貸してくれたのだと思います。本当の人間不信の無い世の中を作るのは、まだまだ難しいと思いますが。
    http://plaza.rakuten.co.jp/achachan

  2. たけG より:

    >>A-chan
    こんばんは。
    この「モスラ対ゴジラ」は昭和ゴジラシリーズで、個人的に一番好きな作品です。
    モスラや登場人物たちのドラマもさることながら、ゴジラの魅力がいかんなく発揮されているからんなんですね。
    本文で悪役悪役書いているのも、確かにモスラを主人公とするとゴジラが悪役を演じているわけですが、それは決して“悪”ではなく、悪いことをしてるわけでもなく。
    A-chanさんも指摘されてるように、ゴジラ自身が別にねらってるわけでも、望んでいるわけでもなく、ただ本能のまま動き回ることが人間たちにとっての恐怖になり、確実に被害が発生しているわけなんですね。
    対してモスラはインファント島の人々を含め、全ての人間を護るべき意思をもった存在であり、ゴジラという無垢でありながらも人間たちの脅威となっている存在と戦うことは必然となるわけで。
    そんなモスラに立ち塞がれてはゴジラも戦うしかない、各々が戦う理由もはっきりしているのもいいんです。
    この作品以降のシリーズと比べると、ゴジラに人間臭さを感じる要素もなく、おちゃらけるような場面もない。モスラの卵を巡る人間ドラマもひたすら真面目。
    子供が見るにはちょっと重いかもしれませんが、子供の頃に本でこの作品の存在を知った時にひたすら見たかったことを覚えてます。
    ビデオデッキも我が家にはなかったので、先に小説から入り、中高生の頃に初めてビデオで見た作品。
    多分この「モスラ対ゴジラ」のゴジラを好きになったから、平成以降のゴジラシリーズも好きでいられ続けたんだなぁって思うのです。
    あと、親モスラの操演技術の見事なこと!はっきり言って平成モスラの操演よりも断然上だと思ってます。
    クモンガやカマキラスと言い、この頃のスタッフの操演技術は神がかっていたんだなぁとも思いますね。

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